今回の旅行は勢いに乗ってエジンバラまで行っちゃおうと計画を立てたまでは良かったのですが、エジンバラからヒースローまでの帰りの飛行機がない(T_T)。一計を案じてお隣のグラスゴーからの帰りの便を確保しました。
で、「グラスゴー」と聞いて「かつては羊毛の産地で栄えた港湾都市」と思い出すより「タンノイの本社がある!」と思いつくのが先な有様(^_^;)。ダメで元々と日本の代理店「TEACお客様相談室」に文字通り相談した所、さっそく本国に問い合わせてくれたみたいで、「TEAC」より本国の「TANNOY」から先に「OK」の連絡が来たのにはびっくりしました(^_^;)。ともかく「TANNOY」本社訪問&見学を旅行の最後に組み入れました。
さて、旅行も最終日の「08/16(Tues.)」。朝ゆっくりエジンバラを発ったのですが、30分位でグラスゴー郊外の「TANNOY」本社にたどり着きました。
表の道路からいきなり本社です。アプローチ路も門番も守衛もありません(^_^;)。少し奥が入り口です。
さすがに入り口にはおばちゃんが「Gate Keeper」よろしく座ってて、訪問のアポを告げると直ぐに入館許可証を作ってくれました。その後はセールスマネージャーの「Gabriel」さんが出迎えてくれていきなり工場見学スタート。
まずは「Archive」の陳列品がお出迎え。
創業初期のセールスカーの写真だとか。
「Monitor Gold」はおろか、
「Monitor Silver」まで陳列されていました。そして、
プリントが擦れていますがたぶん「PX-25」と「Mullard MZ1-100(≒DA100)」。同社が通信事業とも深い関連があった事をうかがわせる展示の一部です。ちなみに現地(と言ってもスコットランドですが)の発音ではやはり「マラード」と聞こえます(^o^)。
そしていよいよ工場内へ。
一見して、どうも日本の様にラインがあってオートメーション化して大量生産と言うよりは、以前に「LOTUS」本社で見た様に、文字通り家内手工業的に少量生産している感じです。
こちらは「KINGDUM ROYAL」に搭載されるスーパーツィーター。
そしてツィーターのダイヤフラム。
お馴染み、ドイツ・クルトミュラー社のウーハーにリブを貼り付けている所。
アッテネーター部のパーツ。
配線材は全て「バン・デン・ハル」製。
ネットワークの「空芯コイル」もここで巻いていました。
興味深いのは巻線機が「AB」すなわち「Allen Bradlley」製だった事、抵抗器だけじゃないんですね(^o^)。
工場の奥の方にはSPボックスの製作部門もありました。 木材は主にロシアからの輸入だとか。
これをコンピューター制御でカッティングやらほぞ切りしていきます。
それを組み立てて、
細かい隙間やキズをしっかり埋めてサンディングして、
塗装に回します。
で出来上がったのがプロッフェショナルシリーズの「VX12.2Q」。
こう言った最終的に「真っ黒け」になるSPはここで作っているようですが、家庭向けの木目の美しいSPボックスは外注のようです。
寝ていたSPボックスを起こすと・・・
「DEFINITION DC-10T」の箱でした。 あと日本には全然入ってきていない「Qflex」。
主に教会やオペラハウスの音響コントロール用の様です。ここら辺は最新のデジタルテクノロジーと融合した製品なのでちょっとちんぷんかんぷんでした(^_^;)。
さて、工場見学はそれぐらいにして試聴室でフラッグシップモデルの「KINGDUM ROYAL」を聴かせてもらえる事になりました。ここからは開発の「Dr.Paul MILLS」氏が案内してくれました。
試聴室は16畳程でしょうか?それ程広くありません。部屋は横手方向に広く使って、SPとの距離は結構近い。
CDプレーヤーは「Mistral」。
後で調べましたが高級なCDプレーヤーなのかどうか良くわかんない。それを「Dr. MILLS」特製のアッテネーター(TANNOYロゴ入り!)にダイレクトに放り込んで音量調節。聞けば「Sinple is Best !」と。
メインアンプは「LFD PA2」、これを左右で1個ずつ使用していました。
こちらも後で調べましたが、後継機種が「£3,000」なので結構なシロモノ。どこにお金を掛けるべきか教えられた気もします。でこのアンプ、やはり2コアンプが入っているみたいです。それをこんな風にSPに接続。
そんなに荷物にならないはずなの横着してCDの一枚も持って行きませんでした。で試聴室に転がっていたのを適当にセレクト。それがEsotericからSACD/CDコンパチで出した「シベリウス/組曲「カレリア」~ロリン・マゼール指揮フィルハーモニア管、1963年DECCA録音」の一枚。
出だしの弦のざわめきからしてただ者でないのがうかがい知れましたが、曲が進むにつれそのスーパーナチュラル&リアリティーにはたまげました。特に高域は刺激のない聴き易くそれでいてハイエンドまで伸びきった音。
低域はソリッド・ステート駆動らしく締まっている(これだけは真空管アンプの敵わない点の一つ)。
全く彼らが「どうだ!」と言わんばかりの音でした。脱帽!<(_ _)> <(_ _)> <(_ _)>
さて、帰りがけには「わざわざ遠くから来てくれてありがとう、これからもずっとTNNOYファンでいてね」とたくさんお土産をいただきました(^o^)。その中でもこの一品は貴重です!
「TANNOY Guy R. Fountain」スペシャルブレンドのスコッチウィスキーです(^o^)。
酒好きのワタシですがこれだけは絶対に呑みません。
終生我が「Autograph」の横に飾って今回の「TANNOY本社訪問」を思い出す縁(よすが)にしたいと思います。
ワタシが死んだら・・・その時は棺の中に入れて下さいね。