2009-07-31

クリアネス

テーマ:約束

急に降り出した雨は

思いのほか激しくて

僕たちは息を切らし

鉄道の高架下に駆け込む。


はあはあ。


絞れるほど びしょぬれだ。


朝の天気予報の話。

間をつなぐ僕のつまらないセリフ。

そんなものを全て聞き流して

君は雨音を全身で浴びている。


誰に教わらなくても

遠い空を覆うあの黒すぎる雲を

見逃せるはずはないのに。


たぶん

下着までぬれている、ね。

そんなもの

君がつけているとすれば、ね。


ここを通り抜ける風は いつも冷たい。


絶妙のタイミング。


君は体を震わせ

シャツの裾をひっぱって

日に焼けたほほを

僕のおなかに押し付ける。


黒い髪。

小さなつむじの回転。


どんなに近づいても

肌に張り付いた服が

二人を混ぜない

その距離で


奪っているのか

奪われているのか

体温も愛情も

どこかに向かう衝動も。


どくん。


不思議に重なり合う鼓動がふたつ

頭上をすぎる

列車の轟音にかき消されるまで

ここで動かず こうしていよう。








透ける。





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2009-07-24

教室で彼女は

テーマ:あなたが教えてくれたこと

二人だけの放課後のカーテンを大きく揺らして

夏の風が教室の空気をまぜる。


床に伸びたトモダチのまっすぐな脚。


彼女は同性のわたしに

にっこり微笑んで

乱れたスカートの裾を直す。


見下ろすわたしは今

とまどいながら

いったい

どんな顔をしているのだろう。


一日中、熱と湿気で蒸された

プラスティックタイルの床は

仰向く彼女の背中の重みを受け止めて

その白い制服を汚し続けている。


欲望を伴わないキスを

彼女に与えるのは

大人のオトコに心を奪われた

わたしの罰ゲームなのだ。


並んだ机と窓の間の細い通路。


廊下からの完全な死角に

しかたなく

よつんばいになって

彼女の上に覆いかぶさる。


長い髪がさっと落ちて

彼女とわたしの視界を狭くした。


まだ遠い。

彼女のひざを割って

さらに顔を近づけていく。


そっと

触れる唇の

奥の

舌先の触れる


初めてという彼女の体に

ぎゅっと力が入れば

残酷なあのひとの気持ちになって


指先で触れる

汗をなぞる

あのひとの

やりかたの


採点する静かなまなざしで

わたしにも彼女にも

及第点をとらせることに

次第に夢中になっていく。





夏休み。


今一番行きたいのは

海!!!


昨日

お台場のガンダムを観てきました。

海には違いないけれど…。


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2009-07-17

氷いちご

テーマ:約束

ふんわりと盛った

氷の断面が光る。


空気を映して

饒舌な無言で

その存在の

あやうさを装っている。


あの子みたいに。


朝早くから

ほうろうの鍋で

ことことと


生のイチゴを

煮て作った

シロップでの

小さな破壊は


無害にみえる

みごとな稜線をとかして

温度差と輝きがつくる

美しい調和を切り崩していく。


赤く染めて。


舌で

掬い取る

鋭い冷たさ。


感じるのは

果肉の持つ甘さ。


あのひとを

虜にする

あの子の拒絶。


ながいこと

反撃する機会を失っていたわたしは

ただ

機械的に咀嚼する。


赤く染まることを選んで


圧倒する魅力的な刺激を

わたし自身の体に

取り込んでいく。





氷が食べたい。


練乳が好き。



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2009-07-10

ヘッドフォン

テーマ:オ・ネ・ガ・イ

待ち合わせまで 8分。

あなたを見ていた。


ガードレールに座って

長い手を腿において

人の多い交差点を

眺めているあなたを。


つま先で刻むリズム。


あなたを閉じて

しっかりと掴んでいるのは

両耳を覆う

銀のヘッドフォンだ。


美しい横顔。


唇は言葉のかたちに

動いている。


叫びたい。


ここから叫んで

あなたを呼びたい。


きっと聞こえないから

きっと振りむかないから


いままで

したことのない

呼び捨てで

あなたを呼びたい。


思う、だけ。


思うだけなのに

あなたはいつも顔を向ける。


わたしの方を

まっすぐに見る。


待ち合わせまで2分。


横断歩道を渡り

座ったままのあなたに

駆けよると


わたしは

もどかしい気持ちで

あなたの

ヘッドフォンをはずす。


ぬれた耳のかたち。

汗のにおい。


今したいことは

絶対に

言葉にできない。


だから

思う、だけ。


思うだけなのに


あなたは

わたしの顔を覗き込んで

笑いながら


突然

「いいよ」って言うんだね。





何でわかるの?

ということが時々あるのは

わたしがわかりやすいから、なのかな。








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2009-07-03

軽蔑

テーマ:開かれたマド


 ひより軒・恋愛茶漬け-つぼみ

 

かくさないから

好きにすればいい

と思う。


そんなちいさな

すきまを

うばいあうようにして


のぞいている

自分たちが

滑稽にならないなら。


化粧を落として

髪をおろして

服をすべてぬいで


わたしは

ただ

わたしのままで


水辺らしい

気持ちのよい風に

全身の産毛をなでられている。


ひやかしも

さげすみも

この距離で

きちんと聞こえているから


そんなにおおげさな

はしゃいだ作り笑いで

わたしの気を引くことはない。


微笑んで

自分のからだを

両腕で包むようにいだく。


けして

守るためなんかじゃなくて。


強くかたく透けて

誰にも汚されない確信。


わたしから立ちのぼる

謝罪する必要のない

軽蔑という攻撃の


うしろめたく甘い匂いを

奥まで深く

吸いこんでいく。







きれいなものが見たいです。

もっともっと。


知らないものが見たいです。

もっと。



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