2005-09-24

テーマ:開かれたマド

「淵」


誰かの忠告どおりだった。


淀んでいても流れはある。

思わぬ深みに足をとられ

あなたはもう水面で

ただ あえぐばかり。


苦しい息の合間

対岸に立つ私に向かって

「来るな」と

大きく叫んでいるのが見える


けれども。


私は

あなたを目指して

頭からまっすぐに

水の中へ飛び込んでいく。


もしも。


この静かな岸辺から

太く丈夫なロープを投げれば

あなたを目の前の恐ろしい混沌から

引きずり出せる可能性は高いだろう。


 でも

 それは

それだけのことだよ。


この安全な場所で

そんなふうに

正解を選びつづけても

私たちは絶対に結びつけない。


たぶん。

だから。


飛び込んで。


下手なクロールの

弱弱しいストロークで

私は破滅という救いへと

迷うことなく進む。


水を切り

時々横目で青空を仰ぎながら

私は水中であなたの体に

たどり着くに違いない。


その時ようやく

濡れた着衣が

二人の抱擁を

分かちがたく包んで


微笑みながら私たちは

ゆるやかな螺旋を描いて

ゆっくりと

沈んでいく―。




おだやかな場所では

寄り添えない思いもあります。

正解を選択しないという選択が

必要な人たちもいます。

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2005-09-17

線香花火

テーマ:コトバにできない

かたおもい


二人同時に

そっと火をつけると

したたるように、ぶらさがる

赤いしずく。


足元を照らすほど

明るくは、なくて。


浴衣の襟足をなでる

かすかな風にさえ

今にも

落ちそうに、揺れる。


風をさえぎろうと

あなたが動くから

二人の額が

触れ合いそうなほど

近づいている。


うつむいて。


待っているのは

開花のささやき。

擦過音のような。


やめて。

落ちるから。


開花の前の

ふたつの赤いしずくを

あなたは

そっと寄せて

大きな

一つのしずくにしてしまう。


繋がっている。ほそく。


またたき始める

ひかり。

葉脈のように広がる

花の。

かすかなコマ送りの。


動かないで。


じゅっと音をたてて

大きなしずくが

足元に落ちると


月明かりだけの

暗闇の中で

煙の匂いより濃く

あなたの匂いが。


そばに。


はじめて。


目を閉じずに

重ねる唇。


耳に

かるい擦過音。




線香花火は二人の距離を

とても近づけるからドキドキします。


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2005-09-10

バースディ・カード

テーマ:オモイデの輪郭

     ケーキ

別れた人から届くバースディ・カードは

毎年淡いブルーの封筒で

私が大好きだったその人の

渇いたシャツの色に似ている。


元気?

ひとり?

ごめん。めいわくかな?


ところどころにちりばめられた

疑問符だらけの懐かしい文字。


指先で何度もなぞりながら

声に出して答えをつぶやく。

久しぶりの長い返事を書くかわりに。


あの頃。


愛しあうときでさえ

くったくなく

ふざけあっていた2人。


たぶん幸せすぎて。


笑いあって

抱きしめあって

寄り添えば寄り添うほど

淋しさをもてあました苦しい日々。


あなたは少しも変わってないね。


カードなんか寄こさなくても

あなたのこと

ずっと忘れたりしないのに。


あの青いシャツに香っていた

コロンの優しい匂いが

丁寧に書かれた文字から

悲しい幻となって立ちのぼる。


何かを祈る時のように

胸の前で

私がカードを

そっと閉じるまで。




来週の火曜日は私のバースディです。

何が楽しみって

やっぱりケーキかなぁ。

ロウソクを吹き消す時のお願いを

考えておかなくちゃ。

それから外で線香花火をやりたいな。

秋の虫の声を聞きながら

終わってしまった夏と恋を思って。




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2005-09-02

メール~新しい返信

テーマ:開かれたマド

「メール~新しい返信」


淋しくて求めてばかりだね。


たくさんの人の笑顔に

混ざって微笑んでいれば

ぬるい空気の中で冷めないカラダ。

立っているのかどうかも

わからないまま。


長い弾んだ会話の後で

誰とも視線が絡まなかったと気付く。

そうナゲクあなたこそ

誰の視線を

そらさずに受け止めてあげたの?


何かが熱くタギル。

あなたのナカで。

ずっとずっとオクの方で。

息ができないくらいに激しく。


いきなよ。

いきたいんでしょ。

その広くて気持ちのいい場所へ。


連れてはいけないけれど

いきかたは教えてあげるから。


ウラワザなんて、ない。


そんな間違ったやり方をしなくても

たどり着くのは

それぞれの

コドクという美しい海。


澄んだ水に飛び込んで

仰向けに浮かべば

焼けた石のようなカラダから

じゅうじゅうと

音をたててあがる水蒸気。


ことばにならないタメイキとともに

あなたの瞼が

ヨロコビの形に

そっと閉じられるとき


伸ばした手足の

かがやく水面の下に

あなたを縁取るようにゆらぐ

サンゴ礁のきらめきを私は見ている。


私は私の海に浮かんで

瞼のウラに。





つらそうに見えるヒトの

まっすぐな視線やメッセージに

答えるのは難しいですね。


静かな場所で

私がときおり感じる

セカイの美しさと

イキルことの気持ちよさを

分かち合う力があれば…と思います

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