最初は、小さな興味
そして余り感じなかった罪悪感
退屈なはずではなかった彼との幸せな日々
なのに、君の気持ちを知って
あたしの胸は高鳴った
彼以外からの『好き』に
物凄くときめいてしまった
秘密は蜜の味ってこの事なんだって
初めて実感した…
それでも最後の一線は超えてはいけないと
言い聞かせてた
体の関係を持ってしまったら
もう二度と戻れない
どんなに抱き締める腕が心地よくても
どんなにキスがとろけそうでも
最後の一線だけは
こえるのが怖かった
今思えばただ単に自分の罪の意識を
軽くしたかっただけだ
体の関係さえなきゃ大丈夫とか
思っていた
彼が居たのに付き合った事…
そこからもう間違ってたなんて
最初からわかってた
自分から体の関係を
持ちかける事はしなかった
それでも付き合ってしばらく経つと…
『彼はよくて俺はダメなの？』
ちがう
『じゃあなに？』
だって、体の関係まで持ったら
ほんとの浮気になってしまう
ここまで、あたしに罪悪感なんかほんとは
一つもなかった
体の関係さえなければ
浮気ではないと勝手に思っていた
断る理由があるはずもなく
『次会ったら俺のモノにする』
その言葉にどうしようもないくらい
胸が苦しくなった
彼を裏切ってしまう…どうしたらいいの
(もうずっと前から裏切っているのに？)
体の関係を持ったら終わりだ
(最初から浮気以外の何物でもないのに？)
これからする事全て
あたしは君のせいにした
なのに…
『言っとくけど俺と付き合った時点でお前はあいつを裏切ったんだよ』
なんでそんな事言うの
ずっと目を背けてきたのに
自分で線を引いていたのに
断り切れずに応じてからは
会うと八割ソレをした
こうなる事を恐れてた
気持ちいいに決まってる
だって悪い事をしてるんだから
それでもどんなに愛していても
別れというのは訪れる
もちろん彼じゃなく君と…
彼女の嘘を彼は知らない
彼女がずっと他の男に微笑んで
甘えて、キスをして、愛を囁き
体を重ねていた事を
彼女は何もなかったように笑顔で嘘を吐く
クソみたいな事をしたのはわかってるし
あれ以来浮気や不倫はしてない
それでもあの時の狂った感情は背徳感からきてたんだと思う
どうしようもなく快感しかない付き合いだった
今思うとそんな付き合いだったのに
溺れてるとわからない
勿論自分を棚に上げて言うが不倫や浮気をする人間はろくでなしだと思う
あたしは今してないし今後もする予定はないからいいのだ