あたしはあなたに言えない事が沢山あった。


自分の中で表せない気持ちを消化していった。


あなたにわがままが言えなくって・・・。


あなたを困らせる事は言えなくって・・・。


従順なる犬になることしかできなかった。


わがままに振舞える猫にはなれないでいた。


あたしはずっと我慢していた。


言いたい事も言えなくて。


あなたの前では素直なかわいい女でいたくて。


でもね、違ったんだね。


あなたの中のあたしは違ったんだね。


あんたに言われて初めて気が付いたよ。


あたしだけじゃなかったんだって。


あなたも同じように感じていたんだね。


人は自分の事はよくわからない。


相手に求めてばかりしてしまう。


でもあなたも我慢している事、あったんだね。


あたしと同じように感じていたんだね。


あなたが言ってくれるまで、そんな事気付きもしなかった。


あなたもあたしの前ではいい男でいようとしていたんだね。


あたし達ってばかだね。


お互いにいいところを見せようとばかり頑張って・・・。


本当の自分を出せないでいた。


あなたが思っているあたしはわがままで・・・。


あたしが思っているあなたはわがままで・・・。


お互いにそんな風に思っていたなんて考えもしなかったよ。


あたしは結構自分の意見を言っていたんだね。


あなたは結構自分の意見を言わないでいたんだね。


ばかだね。


あたし達、もっと素直になってもいいんだね。