ソーシャルメディアでモノが売れるか | 斜め上から目線

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(旧 迷探偵タケナンの「真実はいつもひとつ」)

「ソーシャルメディアでモノが売れるか」

という問いに対する、僕のアンサーは

「YES。(ただし、みんなが期待するようなものではないかもしれないが)」

という感じ。


その、答えの理由(の一部)を僕なりにまとめてみたので、よろしければどうぞ。




最近、どこにいってもソーシャルメディアという言葉を耳にする(ハズですよね?)。

勿論、僕も仕事柄、ソーシャルメディアについての
本は読み漁っているし、そういった広告のプロモーションなども行ってきました。


ただし、ハラオチするレベルで、

ソーシャルメディアを理解してなかったように思います。


よく耳にする会話

広告主「最近、ソーシャルメディア(ここではtwitterをさすケースが多い)ってかなりきてますよね。うちもそろそろ取り組みをしないととは思うんですよ」

広告代理店「そうですよね!やらないのは(流行に遅れるし)やばいですよ。」

広告主「でも、、実際に売れるんですかね?(売上をつくんないと、社内的にもきついし。。。)」

広告代理店「売れてますよ。DELLなんて、twitter経由でこんなに売り上げているんですよ!」

広告主「すごいですね!じゃあ・・・」



って、、、

ちょっとちょっと。と思うわけです。

DELLって、、そんな断片的な(しかも短期的な)ソーシャルメディアの活用で売上出してないわけです。


国内でも、twitterの企業アカウントも相当増えましたし、

プロモーションもかなり見かけるようになりました。


でも、本当に、ソーシャルメディアでモノが売れるの?

フォロワーが、10000人いて、そいつらが、企業のつぶやきを今か今かとまっててくれて、

新商品の情報が出たら、すぐさま買ってくれる。ってそんなのありえないです。


じゃあ、なんなの?

って言うところで、僕なりにソーシャルメディアの立ち位置をプロットしてみました。


嗚呼、ブレイクダッシュミ★


横軸には、顧客が、新規か既存かで分けています。

縦軸には、ブランディング(啓蒙的な)の立ち居地と、即売上につながる販促的立ち居地を置いています。

(※ここでは、イケダノリユキさんの著書「キズナのマーケティング」の中にある言い回しを使わせてもらいました)


従来型の広告は、ほぼ新規ユーザーの獲得のために使われるものが

ほとんどだったわけです。(もちろんその広告を見て既存ユーザーも購買行動を起こしますが)


既存顧客向けで言うと、とくにクローズドな情報(会員限定割引など)が多く、

ブランディング(顧客のロイヤリティ向上)的なものはあまり注目されていませんでした。



しかし、この情報があふれ変える世の中、新規向けに広告を出しても、

もう見てもらうことすらままならない状態なので、なかなかユーザーの獲得が出来ない、

そこで登場、ソーシャルマーケティング!ユーザーと対話して、ファンになってもらいましょう!



というくだりが一般的だったと思いますが、ここに僕は懐疑的だったわけです。

要は、情報があふれかえっているのに、広告を、ソーシャルメディアにしたところで、

それを顧客が見るか!って話ですよね。




だから、ソーシャルメディアの活用方法は、既存顧客中心でいいと、僕は思っています。

別に、twitterでなくても、何でもいいんですよ。

カスタマーサポートに問い合わせたら、すごく感じがよかった、とか

商品をネットで買ったら、手紙が入ってて、自分の住所(例えば福井県にモノを送ったら、福井に関するエピソードを添えてあげればいいんです)のことが書かれているとか。


顧客を、客として扱うのではなく、

自分たちに興味を持ってくれた素敵な人、と思って、きちんとコミュニケーションをとればいい。



それで、「○○(広告主)は、すごくいいお店だから、またあそこで買おう。」

と思ってもらえばいいわけです。




つまり、「ソーシャルメディアでモノが売れるか」というのは、

いかに、その人がリピートするために心をつなぎとめるためのコミュニケーションが出来ているかによる

というところだと思います。


最近では、目標設定に、LTV(生涯顧客価値)を置いている企業もあるそうですが、

ソーシャルメディアをする場合は、ここをKPIにおけるかが重要だろうな、と思います。



各企業ごとで、ソーシャルメディアに取り組む場合は、

本気で、人をつけて、本気でやって、LTVを獲得していってほしいなと思います。


企業でも、片手間でやらせて、なんとなくはじめて、続かなくて、なんとなく止めちゃう、

みたいなのは、本当に意味が無い。


考え方としては、こんなのはどうでしょうか。

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・専任を1人つける

・そいつは、例えば、午前中(3時間)は、ソーシャルメディアのコミュニケーションのことだけをしてもらう

・読者数や、コミュニケーション量、企業へのトラフィックなどを目標設定とし、そこのラップを日々追う。

・企業は、そいつの稼動時間(人件費)をきちんと、広告費として割り切る。(ここが大事な気がする)
 例)月30万円の人を専任としてあてる場合、 30万円×3/8時間(労働時間)=11万円(毎月かかる広告費) 

これが、獲得できるLTVと比べて、投資対効果が見合っているかどうか、(11万以上の価値を獲得できているか)で考える。
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昔、自分が古着屋をやっていたときに、

ソーシャルメディアだ、と思ったときにここまで

考えて実践しなきゃ意味無いな、と思い書いてみました。



情報としては、今さら感がある内容も多いので、恐縮ですが

ソーシャルメディアについて、考えている担当者の少しでも

参考になれば、と思います。