座間市のホームページの深いところに、そっと掲載されました。
『座間市における放射能除染対策についての考え方(平成24年2月7日)』
■掲載ページ ⇒http://www.city.zama.kanagawa.jp/www/contents/1338369915395/index.html
■本文(PDF)⇒http://www.city.zama.kanagawa.jp/www/contents/1338369915395/files/4572.pdf
子供の体格・行動・影響度に配慮しているか、市民に寄り添う姿勢があるか...
是非、精読してください。
事実上、何もしないし、一円も使わない、ことが書かれています。
その結論が先にありきで、言い訳を探している様子が垣間見えます。
除染の基準も神奈川県内の各市の中で最低です⇒[一覧表(PDF)]
線量もそうですが、測定の高さについても。大差です。
しかも、それ以上の値の通報でなければ、測定さえしない。
市民の測定値が過小である可能性もあるのに。
手間さえも惜しむ...でしょうか。
測定器を買う予定がないから、市民への貸し出しをしない...?????
理由と結論が逆さまです。
他市は市民に貸し出すことを理由に、それ用の測定器を購入するという結論を出しているのです。
(他市の多くが貸出用に採用している HORIBA PA-1000Radiは、実売10万円前後(定価でも131,250円)です)
●平成23年10月21日に内閣府・文部科学省・環境省から発行された文書
「当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への対応方針(⇒こちら
)」について
あいわらず曲解しています。
2ページ目の
を指して、
座間市の文書では「除染に関する基準~が示された」と記載されていますが、間違いです。
(まして、これを参考にして測定や除染の基準を定めるのは不適切です)
これは「文科省が地方公共団体や民間団体等に対して”発見報告”をお願いしている目安」です。
(この目安には、科学的な算出根拠はありません。従って、子供に対する配慮もありません。)
文部科学省の原子力災害対策支援本部に問い合わせをしたところ(⇒こちら
)、
明言されていたので、間違いありません。
他市も正しく理解しています。
・横浜市(⇒こちら
)…「文部科学省に報告する旨の事務連絡が発出されました」
・相模原市(⇒こちら )…「発見した場合は、文部科学省に連絡するものとします。(平成23年10月21日からの取扱い)」
・逗子市(⇒こちら )…「文部科学省に報告する旨の文書が出されました」
座間市役所の担当課に対して、座間市の文書の作成前(平成24年1月13日)に、解釈の間違いを指摘してあります。
それでも座間市役所は、文部科学省の原子力災害対策支援本部の担当(問合せ先⇒こちら
の最下部に記載)に、
真意の確認をしていないようです。
●基準についての比較
線量だけを比較すると他市の2~4倍程度ですが、高さの違いが大きく影響します。
過日に、隣接市との基準の差について、試算してみました(⇒こちら「座間市の除染基準.1~隣接市の何倍?」
)。
横浜市瀬谷区のホットスポットの事例を元に、高さを揃えた場合にどうなるか?の計算を試みたものです。
汚染の分布状況にも寄りますので一概に言えませんが、座間市の基準は隣接市の基準の20倍程度という概算値に
なりました。
「事実上、何もしない」ような基準であることを、ご理解いただけるかと思います。
また、前記の横浜市瀬谷区の事例では、高さ1mで1.45µSv/hの線量(⇒こちら
)に対して、
土壌汚染はセシウム合算で最大104,500Bq/kg(⇒こちら
)でした。
この事例に基づいて、荒っぽいですが、座間市の基準である高さ1mで1µSv/hの場合の土壌汚染を
比例計算で試算してみると...
約7万Bq/kg(8千Bq/kgの約9倍)になります。
汚泥や焼却灰において8千Bq/kgを超えた場合は、一般廃棄物と同様の処分(それでも管理型処分場での処分が
必要)はできず、指定廃棄物として環境中に拡散しないような処置が求められます。
座間市の基準では、その8千Bq/kgを大幅に超えた土壌などが、子供たちなどの市民の生活環境に放置される
可能性が高いということになります。
現に、相模原市では、同市の基準の5cm0.23µSv/hを超過(⇒こちら
)した為に、
除染された除去物から8千Bq/kg超の汚染(⇒こちら )が確認されています。
尚、これらの除去物は、高さ1mの線量測定では0.1µSv/h前後(座間市の基準の約10分の1程度)でした。
●放射線測定器について
現状の物を使うことになっていますが、それは事故前から災害用として消防本部が保管しています。
放射線測定の担当課が在席する市庁舎内には、測定器がありません。
従って、借用することになります。
迅速かつ十分な対応は無理でしょう。
座間市役所は、海老名市役所と高座清掃施設組合からも測定器を借りたことがあります。
富士電機製のNHC7という機種で、時定数という設定を1秒/3秒/10秒/30秒/自動に切り替えることができます。
汚染箇所を移動しながら探す時は反応を早くするために短く設定し、特定の箇所を測定する時は測定値を安定させる
ために長く設定します。
反応速度が変わるので、時定数の設定によって測定値を読み取る間隔も適切に変える必要があります。
初歩的な操作 かつ 基本的な知識 です。
しかし座間市役所は、それらを全く知らずに、借りてきたままの状態で、時定数の設定が不明なまま、測定をしました。
このような勉強不足や不慣れな操作も、借用から来る問題でしょう。
他方で、エネルギー補償型の測定器の使用を国より求められていると思い込んでいるような記述がありますが、
それは誤解です。
エネルギー補償型の測定器が国より求められているのは、
面的に年間1mSv/hを超えると指定された「汚染状況重点調査地域」の測定(⇒こちら )についてです。
それ以外の地域の測定については求められていません。
ホットスポットの測定についても同様に求められていません(⇒こちら
)。
実際、エネルギー補償機能がない測定器を使用している市町村は少なくありません。
多機能で高性能な測定器であるに越したことはありませんが、
要は、子供を始めとする市民を守るという目的に向かわなければ、意味がありません。
●文書の公表について
冒頭でご紹介した文書「座間市における放射能除染対策についての考え方」の掲載ページに「平成24年2月7日」と
いう記述があります。
これは、文書の掲載日ではなく、文書の作成日です。
ホームページに掲載されたのは、
この文書が公表されていないことを指摘(⇒こちら「座間市の除染基準.2~未公表と住民ニーズ」
)した翌月の、
2012年12月12日(平成24年12月12日)です。文書作成から10ヶ月後ですね。
ホームページに掲載したことは、進歩ではあります。
しかし、これでは公表したことになっていません。
ホームページを探さなければ、文書の存在に気が付かないからです。(しかも見つけにくい)
極一部の市民の眼にしか触れることはないでしょう。
これでは、アリバイ作りに過ぎません。
座間市役所は、能動的に広く周知し、市民のコンセンサスを得る努力をして欲しいものです。
(市役所の裁量だけで決めていることに疑問を感じます。市民の合意形成を図るため、市議会などで決めるべき
重要な課題だと思うのですが...)
これ以下は安全であるというような「しきい値」は放射線被曝において存在しませんから、
除染の基準を決めるということは、どこまでリスクを許容するかということです。
当然のことながら、住民のニーズが反映されていなければなりません。
座間市役所が決めた除染の基準や考え方は座間市民のニーズに沿っていますか。
座間市民は、子供たちを含めて、県内他市の市民よりも多くのリスクを受け入れますか。
沈黙は容認...不条理ですが、そのように都合の良い解釈がなされます。
福島第一原発の事故で、私たち一般市民が痛感したことの一つであるはずです。
<座間市役所の担当部署>
環境政策課 環境政策係
座間市庁舎4階
Tel:046(252)7675
Fax:046(257)7743
市役所への問い合わせ⇒https://www.city.zama.kanagawa.jp/cgi-bin/inquiry.cgi
市長への提案⇒https://www.city.zama.kanagawa.jp/cgi-bin/to_mayor.cgi
文章:高木公房