大岡裁きも後で左巻きに利用される! | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
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 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 嫡出子と非嫡出子の相続割合が違憲と判断された最高裁判決に埼玉大学名誉教授の長谷川三千子女史が3っ日ほど前の産経新聞紙上で噛み付きました。

 こういう言論人がまだ存在したことに拍手を送りたいと思っています。

 そもそも嫡出子と非嫡出子の相続割合の区別が起こった歴史から紐解いてみましょう。

 日本は明治後の民法で法律婚の制度を採用しました。それまでは一般庶民は仲人という身元保証人の元、氏神様の前で婚姻を誓っていたのです。

 武家も神前結婚式と言いながら、有力者に仲人を頼むことにより、人前結婚式と同じようなものをしていました。

 そこには、役所に届けはしますが、制度上妻や子供が法律上の権利を有するわけでもなく、日本古来の道義上の縛りが存在していただけだと言って良いでしょう。

 子供が産めない妻や不貞を働いた妻は離縁状一枚(三行半・みくだりはん)で放り出されていました。女性の方も、どうしても旦那が嫌だったら縁切り寺に駆け込んで尼になるという制度もありました。

 ちゃんと救済制度があるのが日本らしいと思います。

 お妾さんも豪商などには存在しましたが、何ら法的に保証されるものはなく、旦那が亡くなってしまえばそれまで貰っていたもので余生を生活をしなければならなかったのです。

 そこに生まれた子供には当然の如く相続権も発生しませんでした。

 ただ、本家の後継の事情で外に生まれた男の子が後継者として本家に入るなどの例はあったようです。

 それらはすべて道義上の問題であり、財産を譲り受ける権利などなかったのです。

 しかし、明治に入り近代国家として法体系を整備しようとしていた日本は、そういう子供たちも可哀想でも法律婚の建前もきちんと守り、国家の最小単位である家族制度を法的にも保護し確立させる目的から、嫡出子と非嫡出子のあいだに区別を設けながらも、非嫡出子の権利を合法化したのが、先の民法規定です。

 とても日本的な考え方で、建前では法律婚を重視しながら、でも婚姻関係のない男女のあいだに生まれた子供にもきちんと嫡出子の半分ですが相続権を付与したというのが歴史的な見解だそうです。

 ところが、国連の行き過ぎた平等主義に犯された最高裁の裁判官たちは、2%の非嫡出子のために法律婚自体を揺るがそうとしているのです。

 世の中いろんな生き方があります。だから、結婚が全てだとは思わない人がいるのもわかります。

 しかし、私のようにもう三十年近く連れ添ってきた古女房が若い時よりも大切に思えるようになってくることも事実です。

 とても愛おしく、もし古女房の身に何かあったら耐えられるかどうか自信がないくらいです。

 若い時には全くそんな感情は生まれませんでしたが、三人の子供を一緒に育てそして目の中に入れても痛くない可愛い孫ができると状況は一変します。

 以前は、若い女性にフラフラとした感情もありましたが、現在は孫のあおいちゃんの笑顔がなんとも言えないほどに愛おしく、特に孫が遊びに来ている時の家に帰ることが一番の安らぎとなっています。

 まだ56歳ですが、今このような感情を持つことができるようになったのも、30年にわたって連れ添ってきた古女房の存在のおかげと感謝しております。

 家庭というものがとても大切だということは、両親が身をもって教えてくれました。その両親もお互いの両親から家族という関係を紡いできました。

 そして家族の大切さはどんな辛いことがあっても帰る場所があるという安心感という大きな財産となって残っています。

 財産というと不動産や預金通帳の残高だと思いがちですが、家族の信頼関係や安心感に勝る価値はないと思っています。

 お金や地位は自分がもう一度挑戦し、努力すればいくつになっても手に入れることは可能です。でも、一度なくしてしまった家族の絆は取り戻すためには、また一からのやりなおすには時間がたらなくなってしまう事の方が多いと思います。

 阪神淡路大震災、東北大震災で日本人は家族の大切さの価値を再認識しました。いくら多様化しているとは言え国家の根本である家族制度の根底を揺るがすような法律改正は絶対に阻止すべきだと思います。

 最近、講演するたびにこの話をするようにしています。

 すると、今まで無関心だった奥様方の表情が変わります。

 「そんなこととは知らなかった」「冗談じゃないわよ」「何のために我慢していると思っているのよ」と明らかに怒りの表情が見て取れます。

 法律を改正しようとする議員の先生方、下手すると世の中の主婦を敵に回すことになりかねませんよ。

 ちゃんとした家族が日本に安定的に存在することが、社会保障費の増大を防ぎ、老人になっても生きる役割をきちんと示すことになるのです。

 都会はそれが崩れかけていると言われていますが、田舎ではまだまだ健在です。その崩壊を促進するような法律は、法律を護るために、国が滅びることにつながりかねません。