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今朝、あと1週間ほどで家を出て行くフンフンが会社出勤後メールをくれました。

「お向かいのビルのベランダにハスキーの子供みたいなのが飼われてるみたいだよ。朝早く外できゃんきゃんないてたから中に入れてもらったみたいだけど」

えっ。と思って耳を澄ませると、確かにキャンキャンという声が聞こえてきました。

慌てて窓際に近寄ると、距離にしてはて何メートルなのか検討もつきませんが、通りを隔てて向かいにたっているビルのちょうど真正面あたりのベランダに、おお確かに子犬がつながれてキャンキャンないている。しかも、確かにデザインはハスキーぽい感じ。
かなり遠目なのではっきりとはわかりませんが、茶色ぽいハスキーのように見えます。
まだ小さな子で、多分6ヶ月歳~8ヶ月歳ぐらいかな?
ひっきりなしにキャンキャンないて、窓に飛びついたりベランダ家具に前足をかけたりしてウロウロしまくっています。
大丈夫なのかな、あんなんで?
まさか落ちるなんてことはあり得ないけど、真夏なのに子犬を外に放置して平気なんだろうか?
ていうか、飼い主は一体何を?
まさか。まさかもしかしてあのまま放置して、自分は会社に行ってるとかいうわけではあるまいな……。

ハラハラしながら見ていたんですが、私も引っ越しを控えて色々やらにゃならんことが山積みです。
時々窓から様子をうかがいながらあれこれやっているうちに、電話だのメールだの仕事に没頭してしまい、ふと気づくとお昼をとっくにすぎた時刻。
お昼ご飯でも作ろうかな、と思ってふと気づくと、子犬の声がいつのまにかやんでいます。
どれ。
子犬ちゃんはお家に入れてもらえたのかいな?と窓から見ると、子ハスキーちゃん、疲れてベランダでグデーと寝ています。
あれまああれまあ。
寝ちゃったか。
吠えっぱなしだったし、そりゃ疲れるよねえ。。。。

ていうか!!
飼い主は!!!
結局子犬をベランダに放置かい!!!

ひいいいいいーっと思ってウロウロしていると、ほどなくフンフンがいったん帰宅。

「ちょ、ちょっとフンフン。あそこにハスキー。いるね子犬。ハスキー。ずっとつながれてるよっ」

「朝方は中にいれてもらったみたいなんだけどねえ。窓も開いてるし飼い主は在宅かと思ったけど、どうも留守みたいだね」

ひどいっっっ。
いいのか子犬をベランダに放置なんかして?
犬もかわいそうだし、近所から苦情が来るんじゃ?
迷惑とかっていうのもあるかもしれないし、大体ちょっとした動物虐待かも?

「そういう苦情がそのうち行くよね、きっとあれじゃ」

そんな話をしている間も、子ハスキーはベランダをウロついたりないたり飛び上がったり寝転がったり……。
あっ、後ろ足がリードにひっかかった!
ああっっ、なんか……なんか……あの感じはもしかしてベランダで用足しをしているような……。
いや。大体お水とかもらってるのかな?
お皿が出されていてお水を飲んでる感じの行動が見えないんだけど。
大丈夫なの?マジであんなんでいいの?

フンフンと私、二人とも数百メートル離れたビルの見知らぬ子ハスキーに目が釘付けです。

よく事情もわからんのにあまり得手勝手な想像をしたり何事か言ったりするべきではないのは重々承知ですが、それでもやっぱり気になって気になって仕方ないんです。
子犬が、それもハスキーがベランダでキャンキャンウロウロしている様を目の当たりにしてしまうと、後先考えずレスキューしに行きたくなります。

私の引っ越し先の改装をプロのヤスくんと一緒に手伝ってくれているフンフン。
今日も仕事を早めに切り上げていったん帰宅し、午後一緒に作業しにいくつもりでしたが、とにかく子ハスキーが気になって仕方ありません。
洗濯中だったこともあり、なんとなく二人で窓のそとを気にしながら午後遅くなるまで家にいました。

もうそろそろ出かけようか、と思い始めたころ、ベランダでタバコをすっていたフンフンが声をかけてきました。

「あっ。リンコリンコ!ハスキーの飼い主が帰って来たよ!」

だだだだだっとキッチンから窓際にかけより外を見ると、本当だ。若い男性が上半身裸でベランダに出て来た所でした。
子ハスキーは大喜びで、ピョンピョン飛び跳ねています。
ああ……良かった……。やっと帰って来たか……。
さらにじーっと見ていると、バケツか洗面器のようなものでベランダに水をまき、モップでゴシゴシ掃除を始めた様子。
ああああ。そうね。そりゃそうね。一日ベランダに出されていたら、そりゃトイレし放題だものねえ……。こりゃ大変だわねえ……。

と見ていると、その若い男性が掃除した汚水をベランダからざぶんざぶんモップで掃き出しはじめたではありませんか。
おそらく25階以上の高層階からあんな風に大量の水を掃き出したら、真下のベランダはもちろんのこと、下層階の結構な範囲にしぶきがかかってしまいます。

ひえええええー。
あ、あれはまずいだろう。いくらなんでもいかんだろう。
子犬放置も問題だし、あれはいかんだろういかんだろう。

タバコを吸い終わって部屋に入って来たフンフンと、
しかし酷いねええ……。
子犬のことは、まあ事情がわからないとはいえやっぱりベランダに一日放置は感心できないし、ましてや犬にベランダで排泄させて、その汚水をざばんざばん下に掃き出すのはいくらなんでも酷すぎるよねえ。
と話し合いました。

ああ。
明日から、毎日ベランダに放置されていたらどうしよう、子ハスキー。。。
気になって気になって何も手につかなくなりそうです。
なんか、だからといって苦情電話なんかかけたら、動物愛護おばさんになっちゃうし。。。
でも。
本当に気になります。
真夏のマンハッタンの、しかも南向きのコンクリート鉄柵ベランダに子犬を丸一日放置するなんて、いかん!いかんいかんいかん!!
ああああ、誰かなんとかしてください~~~~~~~~~!!