2024年9月練馬区議会第三定例会での会派の一般質問について掲載します。
正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。
熱中症について
質問
今年の夏も連日の酷暑が続き、この夏の平均気温は平年と比べても1.76度と高かったようで、気象庁が統計を取り始めた1898年以来最も暑い夏であったとのことです。
連日のように救急車が出動する場面を目にする日が続き改めて医療関係者をはじめとした救急対応をされているすべてのエッセンシャルワーカーのみなさまに感謝いたします。
今年の熱中症対策については4月の法改正以降警戒レベルを高めて公共施設やコンビニエンスストアなどにクーリングシェルターを設置し、生活困窮世帯のみなさまへのエアコン設置費用の増額や高齢者へのアラーム付緊急通報システムの設置等新たな対策も含めて例年より早い4月から対策に望んでまいりました。
昨年も熱中症対策に対して強化して取り組んできたものの19名の死亡者と315名の搬送者という状況にありましたが、現段階までの区内の熱中症発生状況についてどのような状況にあるのかお聞かせください。
また同様に子供達の学校の水泳授業の状況についてもお伺いいたします。子供達の水泳授業については熱中症対策としてプールの水温と気温の合計が65度以上となるかWBGT31を超えた場合にはプールの授業を中止してまいりました。
今年も同様に暑い日が続きプール授業の開催が難しいという声も聞こえてきますが今年の状況はいかがだったでしょうか。
合わせてご所見をお聞かせください。
今回の新たにクーリングシェルターを公共施設や民間のコンビニエンスストアや薬局に設置し屋外の暑さから、エアコンのある屋内へ回避する対策としては一定の効果ある対策であり今後も継続的に実施していく必要があると考えますが、一方で屋外運動施設や公園や緑地については日陰が少ない場所もあり、運動施設で管理事務所がある場所もありますが、その多くは屋内への回避が難しい環境にあるため夏場の利用には適さない場所となってしまっているのが現状です。
基本的に酷暑日における屋外の活動については環境省で示されている通り暑さ指数31以上を超えたとなれば屋外の活動を禁止したり自粛することと示されていますが近年の夏場の不安定な天気が続き、急に晴れて気温が上昇したり最近では急な豪雨に見舞われるケースも多くあり屋外施設での雨や日差しから守る屋根等の確保については敷地面積に対して一定の割合を確保する必要性があるのではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
学校の水泳授業についてもお伺いいたします。我が会派はこれまで熱中症対策という視点だけでなく授業の安全管理や水の止め忘れや年間通した授業時間の確保などあらゆる観点から学校プールにおける水泳授業方法の見直しに対して提言してまいりました。そのこともふまえて、今年度新たに公共施設や民間施設とも連係した水泳授業の見直しについて着手し始めたことは改めて高く評価するところであります。
また、この連日続いてきた酷暑の状況から考えても学校施設におけるプールについては全体的に見直していく必要性がたかまりつつあると考えます。既存の施設については近隣施設の活用も含めた対策を検討していただくことを要望しますが、これから立て替えの計画がされてくる学校については近隣施設との連係だけでなく、屋内プールの設置についても検討していく必要があるのではないでしょうか。合わせてご所見をお聞かせください。
答弁
●教育長
記録的猛暑のなか、一部授業を中止せざるを得ない学校もありましたが、実施時期を早めたり、テントを設置し日陰を確保したりするなどの対策を講じ、多くの学校で当初計画通りの授業時数を確保できました。
区の学校プールの多くが、老朽化に伴う更新の時期となっています。学校の改修・改築費用の高騰や改築時の運動場面積の縮小などの課題があり、改築におけるプールのあり方の検討が必要です。
このため1校1プールの設置を見直し、近隣校同士での共同利用を行うほか、区立・民間プールの活用に向けてモデル事業を実施し、実現に向けた検証を進めていく方針です。
屋内プールは、建設費だけでなく、その後の維持管理費も多額となり、大きな財政負担が生じます。今後、具体的な共同利用の検証作業の中で、プールのあり方について検討してまいります。
●健康部長
区は、今年度、生活困窮世帯へのエアコン設置補助額の増額や、熱中症の危険を知らせる緊急通報システムの導入、クーリングスポットの大幅な増設など対策を進めてきました。 練馬区において、今年7月から8月に、最高気温35度を超える猛暑日は30日間あり、昨年の26日間を超えています。
熱中症による区内の救急搬送者数は、今年8月末時点で319件、亡くなられた方は、8月までの判明分で13名でした。その内12名は単身高齢者で、いずれも屋内で亡くなっています。エアコンがあっても使用していない方は9名でした。9月以降も気温の高い日が多いとの予測も出ていることから、引き続き、エアコンの適切な使用など、熱中症予防を呼びかけていきます。
●土木部長
公園や屋外運動施設では、区民の皆様が快適で安心して利用できる環境を整えることが大切です。
都市公園においては、設置できる建築物の建築面積が、法令により制限されており屋根付きの休憩スペースや公園トイレの整備に際しては法令に適合させる必要があります。
令和3年度に開園した大泉学園町希望が丘公園では、区立公園初となる300平方メートルの屋根付広場を設けています。
今後、公園や屋外運動施設を整備する際は、木陰をつくる高木を計画的に配置するなど工夫してまいります。
なお、練馬総合運動場公園などでは、雨や日差し対策として、移動式シェルターや日よけテントなどの貸出を行っています。
引き続き、公園・屋外施設の環境整備に取組んでまいります。