2021年6月第二定例会での会派の一般質問

コロナ禍における財政について。を掲載します。

正式な議事録は区議会HPよりご覧になれます。

 

===質問===

8日に公表された1~3月期実質GDP速報値は新型コロナウイルス感染症における緊急事態宣言の延長などの影響もあり、年率3.9%のマイナス成長となりました。区の基幹財源である特別区税、財政調整交付金、地方消費税交付金の課税標準は区民や法人企業の所得や消費であり、経済情勢に大きく左右されるものであり、今後さらなる区財政への影響が懸念されます。また、不合理な税制改正も是正されることなく、さらなる追い打ちをかけている状況です。 

 

区としてもこの厳しい財政状況に対応すべく、昨年度の6度の新型コロナ対策補正予算の編成に続き、今年度においても、区民の生命、健康安心安全を守る事業を最優先に掲げ、聖域なき見直しにより徹底的な歳出削減に取り込んでこられました。しかしながらこの終わりの見えない戦いから区民の生命と健康、区内事業者を守るためにはさらなる財政措置は避けられず、今後その負担がより厳しく、重くのしかかることが想定されます。区としてこれまでのコロナ禍による区財政の推移をどのように分析されているか、今後歳入も減収が見込まれる中でどのような見通しを立てられているかお伺いいたします。 

 

また、仮に大幅に歳入が減収するような事態になった場合、その補填対策は持続可能な財政運営において欠かせません。積極的な起債の活用などあらゆる検討をする必要があると考えますが区の考えをお伺いいたします。なお現在、法人住民税にかかる減収補填債は全国で特別区だけが減収補填対策として行うことができない制度上の問題があります。 

 

この緊急事態下の中で安定的な財政運営を行うためにも、法人住民税にかかる減収補填債が発行できるよう国に制度変更を要請すべきでありますが区の考えを伺います。 

 

今定例会で審議される6月補正予算の内容としては新型コロナウイルス感染症の感染防止と医療体制の充実、困窮する区民と事業者への支援として一般会計19億7651万円が計上されております。 

この補正予算の財源のうち財政調整基金を4億8500万円取り崩すこととなります。昨年区内感染者が確認されて以降、昨日までに7,045名の方が感染され68名の方々がお亡くなりになられました。区はこれまで区民及び事業者の支援のため、過去に前例のない規模の補正予算を幾度となく編成しその財源の一部に財政調整基金を当ててまいりました。 

 

令和元年度の基金積立額430億円、今回の補正予算での取り崩し後の積み立て残額は270億円となります。基金については昨年の一般質問でも触れましたが、この緊急事態下で区民の生命、そして区内事業者を守るために積極かつ機動的に基金を活用することは必要ではありますが、1年で既に140億を取り崩しており、基金も無限ではありません。また、震災など新型コロナ対策以外に大きく財源が必要になった場合、財調基金の繰り入れだけでは対応しきれない事態も想定できますが、この厳しい基金の状況をどうとらえているか、今後の基金の推移の見通しも含めてお答えください。 

 

 

===答弁===

区長:

今、日本は、戦後最大の危機に直面しています。世界でも最も早く少子高齢化、人口減少が進み、バブル崩壊以来、永く経済が低迷してきました。そこを、今回のコロナ禍が直撃したのです。お話の通り、昨日内閣府が発表した1月から3月期の実質GDP成長率改定値は、年率換算でマイナス3.9%となり、3四半期ぶりの減少となりました。

 区の歳入・歳出の状況をみると、今回は、リーマンショックを遥かに上回る減収となると見込まれています。一方歳出は、扶助費をはじめとうる義務的経費が5割以上を占め、硬直化が進んでおり、区財政の自由度は極めて低いものとなっています。老朽施設の維持更新、都市インフラの遅れなどにも着実に対応していく必要があり、区の財政状況はますます厳しくなっていきます。

これまで、住民に最も身近な基礎自治体の長として、常に先を見据えて対応するよう努めてきました。長期楽観、短期悲観が私のモットーであります。

 今回のコロナ禍にあっても、必ず克服できるとの信念を持って、区議会の皆様、区民の皆様とともに全力を尽くしていきたい。この難局を乗り越え、持続可能な財政運営を堅持するため、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 

企画部長:

・起債の活用について

 コロナ禍のもと、今後さらに厳しい財政状況が見込まれる中、持続可能な財政運営を堅持するためには、いかにして財源を確保するかが重要となります。

 区では、公園・道路の整備や学校改築など、将来の資産形成に資する事業について建設債を発行しています。世代間の負担の公平を図る観点からも積極的に活用する必要があると考えており、今年度当初予算でも、昨年度比33億円増の102億円を計上しました。今後も、金利の動向や後年度負担等に配慮しながら有効に活用してまいります。

 一方、特別区は、大規模な経済危機や自然災害などにより、大幅な減収となり財源が不足しても、赤字を補填する起債の発行には大きな制限が課せられています。コロナ禍における地方の厳しい財政状況を踏まえ、令和2年度に限り、地方消費税交付金など5税目の減収分について、特別区でも新たに減数補填債が発行できるようになりました。しかし、区の最大の歳入である財政調整交付金の原資の法人住民税については、引き続き発行が認められていません。結果的に減収補填債の活用は僅か5億円に留まっています。今後も、制度的な問題を早期に解決できるよう、特別区長会等を通じて国に強く働きかけてまいります。

 

・基金について

今年度当初予算では、財政調整基金等を143億円取り崩し、必要な区民サービスを確保しています。現在、コロナ禍においても区独自の工夫で対応できているのは、前川区長就任後、リーマンショック時の教訓をもとに、計画的に基金を積み立ててきたことによるものです。しかし、この状況が長く続けば、いずれ基金が底をつく可能性もあります。

 国の財政運営や経済見通しの不確実性が増している中、今後起こりうる最悪の状況に備え、財政調整基金等の活用は最小限のものとする必要があります。

 今後も、必要な経費には効果的に基金を活用しつつ、財政運営の持続可能性にも配慮しながらその活用方法を検討してまいります。