2021年2月第一定例会にて会派で一般質問をしました。

~予算編成と事業の見直しについて~を掲載します。

(正式な議事録は区議会HPよりご覧になれます。)

 

【質問】

・予算編成について

新型コロナウィルスの影響は国内経済および区財政に大きな影響を及ぼしており、 

昨年12月に公表された今年度のGDP成長率はマイナス5.2%と戦後最大の落ち込みとなり、

区が示した次年度当初予算編成としては、一般会計全体の歳入として前年度比マイナス約96億円という数字となり、

不足の補填として基金約169億円の前年比約53%が繰り入れがされ、

特別区債については102億円発行と前年比約47%増加とこれまでにない大変厳しい当初予算案が示されました。 

 

歳出面の編成としても区民の生命・健康を守る事業の推進を最優先と考え、

予定していた着手前の改修改築工事の凍結、給付的事業も含めて休止、縮小、延期に踏み切り、

各部毎に聖域なき事業の見直しを行った予算編成とされているものの、増加していく義務的経費は前年度比約9億9千万円増額し、

老朽化していく公共施設の維持管理に関わる物件費も昨年比17億円増額とされており、

この数字は時間が経過するにつれて引き続き増加していく数字と考えられます。 

 

東京都全体としても同様に、これまでの労働力不足という深刻な課題に加えて、

新型コロナウィルスの影響が加わり、税収の減少は長期間続いていくことが想定されます。 

将来的な人口減少社会から考えると、このような財政状況はいつか来る道ではあったものの、

新型コロナウィルスという想定外の感染症によりそのスピードが急速に早まることとなり、

我が区に対しても長期的に財政に与える影響が続き、今後の基金のあり方や区債の発行も含めた、

中長期的な財源確保のあり方を検討していくことが不可欠であると考えます。 

 

区は現状の社会状況をどのように捉えて当初予算を編成し、

今後の中長期的な社会状況と財政状況をどのように見据えて財源確保策をお考えでいるのか

ご所見をお聞かせください。 

 

 また、昨年の第四回定例会の区長所信表明で示されていたように、

今回の新型コロナウィルスにおける保健所や医療体制に対する課題や児童相談所設置の議論も含め、

東京都の広域行政運営と区における基礎的自治体運営の役割とその財源のあり方について

都区間で整理する必要性が高まっているものと考えます。 


 東京都の行政運営を中心となって取り組んできた前川区長におきましては、

まずは引き続き、新型コロナウィルスとの戦いに集中をしていただき、時期を捉えて、

東京都に対して今後の都区間の行政運営と、その財源のあり方について

課題提起をしていただきたいと要望いたしますがいかがでしょうか。合わせてご所見をお伺いいたします。 

次に事業見直しについてお伺いいたします。 

 

前川区長におかれましては、将来的な財政の安定化をはかっていくうえで、

いち早く聖域なき事業の見直しに対して、着手してきたことは高く評価するものであります。 

 

今後、長期的な財源確保が難しくなるうえで、継続的な事業の見直しが不可欠であり、

この見直しにおいては区民の協力無くして成立しないものと考えます。 

聖域なき見直しという力強い言葉で示されているように、

強い決意をもって事業の見直しをおこなってていくことを感じるものでありますが、

この強い決意を持って行う事業の見直しの聖域について、区はどのようにお考えでいるのかご所見をお聞かせください。 

 

また、この見直しにおいては今後長期的に続く財政難の状況に向けて、

今回だけに限らず、常にその効果と影響を検証しつつ、

継続的に続けていくことが不可欠であると考えますがいかがでしょうか。

ご所見をお聞かせください。 

区民に協力を求め一丸となって事業見直しをおこなっていくうえでは、

わかりやすく納得性の高い明確な目標を示していくことが不可欠であると考えます。 

 

特に削減、縮小などをしていく事業についてはその理由を明確に示していくことが必要であり、

長年利用していた事業を段階的に縮小または廃止していくのであれば、

いつまでにという明確なゴールの時期を示していくことも大切であると考えます。 

 

同様に、厳しい財政状況のなかでも残していく事業、強化していく事業、

新たに取り組む事業に対しては、これまで以上に区民から注目されることとなり、

その事業に対する必要性と成果を十分理解していただくためには、現在の指標設定のあり方について見直しをしていくことが必要ではないかと考えます。 

 

現在区が取り組むアクションプランの指標設定については、

その事業量や成果物の数のみが示されているものがほとんどで、その事業がもたらす成果や効果をわかりやすく指標の中に落とし込むアウトカムとして設定されている事業はまだまだ少ない状況にあると考えます。 

 

たとえば道路の整備状況について、

現在のアクションプランの中では進捗工事が○○㎞進んだかの事業量を指標設定としていますが、

このような指標設定に加えて、本来の道路工事がもたらす、交通渋滞がどれくらい緩和されたか、

交通事故がどれくらい減り安全性がどのくらい高まったという成果や効果に対する進捗が見える指標を加えることで、

事業の納得性が高まるものに繋がるのではないかと考えます。 

 

これまで、行政計画の指標にはその成果を見えやすくするアウトカム指標の導入を提案してまいりました。 

一部のKPI指標の事業のなかには導入がされていますが、

まだ全体の取り組みとしては展開されていないものだと考えられ、

財政状況が厳しく聖域なき事業の見直しが必要な今だからこそ、

迫りくる次期アクションプランの見直しに合わせて、現在の指標に加えて、

事業全体の成果や効果の進捗がみえるアウトカム指標の導入を検討することで、

事業の見直しが納得性の高いものへと繋がるものと考えますがいかがでしょうか。

区のご所見をお聞かせください。 

 

 

 

【答弁】

 

■予算編成と事業見直しについて

区長

・区財政について

今、日本は、戦後最大の危機に直面しています。世界でも最も早く少子高齢化、人口減少が進み、バブル崩壊以来、永く経済が低迷してきました。そこを、今回のコロナ禍が直撃しました。日本銀行は我が国の今年度の実質GDP成長率を、戦後最悪の落ち込みとなるマイナス5.6%と見込んでいます。

 直面する課題の解決に迫られたからとは言え、財源を国債に依存する国家財政の運営が永く続きました。国債の残高はGDPの約二倍に達し、今回のコロナ対策でさらに悪化しています。将来を長い目で見極めながら、どうやって財政を確保し、行政を運営していくのかを考えていかなければなりません。私の根本的な問題意識であります。

 そうしたなかにあっても、区民の生命・健康、安全・安心を守ることは、基礎自治体である区の最大の責務です。区民生活を支えるうえで必要な施策は、時期を逸することなく最優先で実行しなければなりません。 

 令和三年度当初予算案は、「コロナ禍を区民とともに乗り越え、区民とともに前に進むため、最大限努力し、区民サービスの水準を確保する予算」として編成しました。

 今後も施策の優先順位を見極め、起債や基金も可能な限り活用しながら、必要な区民サービスの確保と持続可能な財政運営の堅持に取組んでまいります。

 

・都区制度の在り方について

 かつて地方分権改革の只中で三位一体改革が議論されたころ、私は東京都にいて、「地方分権に関する東京都の基本的な見解」を取りまとめ、国に提言したことがあります。当時は大都市制度の在り方について様々な議論が展開されていましたが、残念ながら、今はその動きが全くなくなってしまいました。しかし、我々が直面している大都市における自治体の問題の深刻さは、根本的に何も変わっていません。

 例えば、児童相談所の設置問題や、新型コロナウイルス対策における保健所業務など、都区の役割分担の問題点が浮き彫りとなりました。特別区制度の再検討が必要な時期に来ているのではないか、という従来からの考えをより強くしています。

 特別区は、住民の生活圏と行政区域が一致せず、区民は区の領域を超えて行動し、生活しています。大都市として一体的な対応が求められる広域行政・専門行政と、住民に寄り添って生活を支える身近な行政との境界が曖昧であり、行政権限が混乱していることが課題となっています。

 加えて、都区財政調整により財源が保証され、個々の区が財政責任を負わない制度設計になっています。良質なサービスを目指す競争が、最悪の場合、バラマキに転化される結果となり、国による都区の財源の吸い上げやふるさと納税の促進を招いているのです。

 昭和50年の区長公選制度導入以来、現行の都区制度には長い歴史があり、容易に解決できる問題ではありませんが、私も微力ながら、障害の仕事として取り組んでいきたいと考えています。

 

 

■事務事業見直しについて 企画部長

 区は、みどりの風吹くまちビジョン、区政改革計画、公共施設等総合管理計画などに基づき政策と行政運営の両面にわたり、多くの新しい施策を立案・実行するとともに、持続可能な行政運営を実現するため、区政改革に徹底して取り組んできました。

 コロナ禍による危機的な財政状況下にあっても、区民生活の安全安心を守り、持続可能な財政運営を堅持するため、令和3年度の緊急対応として、全ての事業の見直しを行いました。 

 区民の命と健康を守り、生活を支える事業の推進を最優先とし、アクションプラン・公共施設等総合管理計画事業は、事業費、事業規模、スケジュールを精査し、新規に着手する設計、工事を延期しました。各種イベントは、感染拡大防止とコスト削減の両面から精査しました。補助・給付的事業も含め、全てについて、必要性・緊急性の観点から見直し、歳出を削減しました。

 令和四年度以降についても引き続き、アクションプラン年度別取り組み計画等の策定にあわせ、事業の見直しを行います。区民の皆様には、データを用いて区財政を取り巻く状況や見直しの考え方をわかりやすくお示しします。より効果的な指標の設定についても検討してまいります。