現在開会中の議会で私の所属する会派で一般質問が行われました。

各項目ごとに答弁と併せてアップいたします。
(正式な議事録は議会HPから見ることができます。)

一般質問①として地域防災についてです。


東日本大震災の発生から、早いもので2年半が経過しました。

被災地の復興は未だ道半ばで、今後も国を挙げて長期的な取り組みが不可欠でありますが、被災地以外の地域で震災直後に高まった防災や災害時対応の意識が、時間の経過とともに薄れていくことを心配しています。

例えば、私の地元である関町小学校の避難拠点運営連絡会では、震災後、3度の防災訓練が実施されましたが、回を重ねるごとに参加人数が減っており、この傾向は全国でも珍しくないようです。マグニチュード7クラスの首都直下型地震は、向こう30年で70%の確率、研究者によっては更に早い時期に発生するとされ、その日は着実に近づいており、今後改めて防災意識を高めていくことが極めて重要です。

そこでまず、区長にお伺いいたします。区民が常に高い防災意識を持ち、万全な備えを自主的に行っていただくためには、各避難拠点や区民防災組織による訓練など具体的な取り組みの頻度を高めるとともに、一層の防災に関する啓発が重要と考えますが、区長はその必要性、緊急性についてどのようなご認識でしょうか。
中長期的な目標を含め、お考えをお聞かせください。

続いて、避難所について3点お伺いいたします。
一つ目は避難所の認知度について、二つ目は隣接自治体との連携について、三つ目は一時的な避難所についてです。
まず一つ目の避難所の認知度ですが、防災訓練で地域住民と触れ合う中で強く懸念することは、区内の避難拠点が99の区立小中学校であるということ、また、そこに備蓄倉庫があるということを知らない区民が意外に多いことです。震災時に自宅が安全な場合は、いたずらに避難所への移動を奨励するものではありませんが、少なくとも備蓄物資や医療、重要情報の拠点となる避難所の所在は、区民が認知するべき最低限の情報であると考えます。避難所の認知度を高い水準まで押し上げる必要性について、区の現状認識と具体的な対策をお伺いいたします。

二つ目の隣接自治体との連携については、特に他自治体と隣接する地域において、練馬区指定の避難所より、他自治体の指定避難所の方が近いというケースがあり得ます。例えば、私の地元、関町・立野地域は、杉並区・武蔵野市・西東京市と隣接し、とりわけ関町南4丁目の西側地区は、武蔵野市の庁舎や小中学校、運動場等々多くの公共施設が目前にあります。この地域から最も近い練馬区指定避難所は、特定緊急輸送道路に指定されている青梅街道を渡らなければならない関町小学校であり、距離的にも安全に避難できるのはむしろ武蔵野市内と言えます。

練馬区では、こうしたことも想定し、隣接する杉並区・豊島区などと特別区災害時相互協力および相互支援に関する協定書を、また、武蔵野市・西東京市・和光市・新座市などと個別の相互応援協定を結んで、避難者の受け入れ等々について取り決めを行っているようですが、例えば、区民の目に触れる練馬区防災地図には、隣接自治体の情報が一切盛り込まれておらず、自治体間の協定内容が区民に周知されていないのではないかと懸念しています。

お互いの自治体において、隣接自治体情報を重視した広報の他、地域防災計画に明確に位置付けるなどの措置が必要ではないでしょうか。そもそも避難所は、それが所在する自治体住民に限らない帰宅困難者も広く受け入れる体制であり、実現が難しい取り組みではないと考えます。ご所見をお伺いいたします。


三つ目の一時避難所については、私どもの地域の防災会担当者が町会エリア内の防災上の問題点を調査したところ、倒壊の危険がありそうなブロック壁、コンクリート塀や表示のない防火水槽、未使用の市民消火隊倉庫の存在など様々な課題が見つかりましたが、他方で、一時避難所として利用できそうな駐車場が多くあることがわかりました。

震災時には、余震や火災あるいは交通上の混乱が収まるまで、一時避難所として公園緑地などの利用が考えられますが、そうした場所がない場合には民間の駐車場の利用が有効ではないかと考えます。しかし、民間駐車場は私有地であり、緊急対応目的とはいえ、無断で地域の防災マップに盛り込むわけにもいかないので、事前に所有者の承諾を得る必要があります。

その際、地域の防災会等の組織も独自に努力すべきでありましょうが、区のお墨付きがあれば話も進めやすく、区が所有者と協定を結ぶ、あるいは地域と所有者が協定を結ぶ際の手助けを積極的に行っていく必要があると考えますが、区のご所見をお伺いいたします。


====答弁=====
地震による被害を最小限に抑えるためには、まずは、自分で自分の身を守る「自助」、そして、地域の方々が助け合って自分たちの地域を守る「共助」が不可欠であります。
そのためには、区民の民様お一人おひとりが、日頃から防災に関する強い意識をもち、十分な備えを行うとともに、地域における防災活動を活発化し継続していくことが重要であります。

区といたしましては、区民の皆様のさらなる防災意識の高揚、知識の普及に取り組むとともに、地域での防災訓練につきましても、それぞれの状況に応じた支援を行うことなどにより、行政評価等においてお示ししている参加者数等の毎年度5%増の目標について着実に達成を図ってまいります。
首都直下地震の切迫性が指摘されている中、私は、区民の生命と財産を守るために、今後も地域防災力の向上に向け、積極的に取り組んでまいる所存であります。


避難拠点の認知度について。
 平成23年度に実施した区民意識意向調査では、避難拠点を知っている区民の割合は約77%という結果でありました。避難が必要になった時に迅速・確実に近くの避難拠点に行えるよう、一層の周知が必要なものと考えております。
区報やホームページ、「わたしの便利帳」への掲載に加え、ねりま防災カレッジの各種講座や、本年度に内容を更新し全戸配布を予定している「防災の手引き」などにより、さらなる周知に努めてまいります。

隣接自治体の避難所について。
 区には隣接する自治体とは、災害時に相互応援を行う協定を締結しているところであります。特に、区境の地域においては、災害時の状況により、隣接自治体避難所を利用することで安全が確保される場合も考えることから、今後、他自治体とも協議の上、区周辺の避難所等に関する情報の防災地図への掲載等について検討してまいります。

一時的な避難場所について。
 発災時の一時的な避難場所としては、公園等の公共施設のほかにも、駐車場等私有地が想定できますが、あらかじめ区が協定を結ぶことは難しいものと考えております。しかしながら、所有者に対し町会や防災会が働きかけを行う場合には、所有者の理解が得られるよう区としても積極的に協力してまいります。