この眠剤は特殊である

私は持っていたフルニトラゼパムで実験をした。


被害者女性が言う通りになるのだろうか……


女性の証言によると、オレンジジュースが二層に分かれていて『グラスの上、3分の1がブルーで下がオレンジだった』何度質問されてもそう証言した。


つまり、オレンジジュースにフルニトラゼパムを混入されたというのだ。


早速私は、オレンジジュースにフルニトラゼパムを一錠落としてみた。。。


ん???違う。これ女性の証言と全然真逆。

そう。フルニトラゼパムは底に沈んで10分程経たないと着色しなかった。しかも底が数ミリ色付き、ブルーではなく初めから【濃い緑色、深緑】だった。


そして女性は、二層に分かれたオレンジジュースを掻き混ぜて1口か2口程を飲んだだけだと証言。

しかし警察の現場検証のグラスの写真に入っていた緑色の飲み物は、ほんの僅かしか残されていなかった。1口か2口しか飲んでないと証言していたのに残量が合わない。


この事でさえ、法廷でA弁護士は突っ込まなかった。ただ頷いていただけ。


傍聴が終わり私はある程度、事件の内容を知ることができたから知り合いの薬剤師に質問してみた。


「飲み物に入れたフルニトラゼパムって1口か2口で効果あるの?」


すると薬剤師は「フルニトラゼパムを水溶液に溶かして1口か2口で効果を出すとすれば10ℓの水溶液が必要」そう言った。しかも柑橘類の飲み物に混ぜると効果は薄らぐらしい。 これは今のご時世、ネットにも出ている情報らしい。



血中濃度も眠剤その物が水溶液に溶け出すのは難しく1口か2口では、ほぼほぼ出ないらしい。出たとしてもnanoμ(ナノミクロン)なのだとか。時間が経てば経つほど血中濃度には出なくなる、と。。。


科捜研での証言データの書類はそこまでの詳細が

記載されていなかった。(A弁護士の手持ちの証言書類を横目で見た)ここもまた弁護士がスルーしている。何故争わなかったのか。本当に無知な弁護士だった。


女性が帰る頃はフラフラして歩くのも大変だった等と証言したが、それも全く矛盾している。

ふらつきは確かに副作用に記されているが、1口か2口でほぼ眠剤としての効果が無いはずなのにフラ付くのだろうか。


私の実験の結果。フルニトラゼパムは一年経った今も眠剤としての成分は粉状になり、グラスの代わりのガラス瓶の底に沈んだままだ。本当に溶けないのだ。



もし、フルニトラゼパムを炭酸に落とした場合は錠剤は浮く。だから掻き混ぜる前は上が深緑になる。(絶対にブルーにはならない)しかし炭酸は瞬時になくなりただのシロップの様な飲み物に変わるのだ。(飲んでみた)


普通、色が変色していたら飲むだろうか……

その為にこのフルニトラゼパムは着色されるようになっていて昏睡強盗防止を施されているのに。


女性には申し訳ないけど、私は女性の証言には矛盾と憤り、そして虚偽だとしか思えない。ネットで拾ってきた情報を証言しただけだろう。ブルーになるとかその程度の証言しかしていないのだから。実際は気持ち悪いくらいの深緑に変わるのに。。。


もう一人の調べを拒否した謎の男。この人物こそ私は調べるべきだと思う。



これが一年以上、放置した水に溶かした実験後の水溶液だ。