こんにちは!たっくです!
高齢者や車椅子ユーザーが住宅を選ぶポイントの一つとして、「自宅内の廊下」が挙げられます!
廊下は、室内の各部屋を繋ぐ通路ですから、どの方でも頻繁に使用する場所の一つです。
そのため、廊下を安全に移動できるかどうかは、生活を行う上で重要なポイントとなります!
そこで、高齢者や車椅子ユーザーにとって、賃貸住宅を選ぶ際にどのような廊下が安全だと言えるのかを、6つのポイントに絞ってご紹介させていただきます。
なお今回の記事は内容が多くなってしまいますので、前半と後半に分けてご紹介します。
今回の記事を読んで、賃貸住宅を選ぶ際に少しでもご参考にしていただけると幸いです。
【目次】
・ポイント1:廊下の幅は十分か?
・ポイント2:なるべく曲がらずに済む間取りを選ぶべし!
・ポイント3:段差は解消されているか?
ポイント1:廊下の幅は十分か?
○一般的な廊下幅
○車椅子ユーザーにとっての適切な廊下幅
廊下の幅は、
車椅子でもスムーズに走行できるように、十分な幅を検討すべし!
在来工法の木造住宅では、廊下の有効幅員は、およそ750〜780mmと言われています。
(福祉住環境コーディネーター検定試験2級 テキスト&問題集)
750〜780mmといえば、人間の肩幅は男女平均432mm(東洋経済 Online:電車の座席が窮屈な理由は「肩幅」にあった)
と言われているため、
肩幅の1.7〜1.8倍ほどの広さですね。
この幅は、自立して歩行される方や、介助された状態で歩行する方にとっても歩行が可能と言われています。
(福祉住環境コーディネーター検定試験2級 テキスト&問題集)
そのため、一人で十分歩行ができる方や、介助で歩行が可能な方にとっては、廊下幅に関してはそれほど考えなくても問題ありません。
しかし、車椅子ユーザーにとってはどうでしょう?
車椅子の幅は、
前回の記事「こんな玄関は使いにくい!? 車椅子ユーザーにとって玄関の広さは重要!」
https://ameblo.jp/reha-house/entry-12831135775.html
でもお伝えした通り、
自走用の車椅子は620〜630mm+両肘のスペース
介助用は530mm〜570mmあります。
そのため、750〜780mmの廊下幅を移動することを想定すると、廊下を直進する場合は自走用・介助用共に問題ありません。
しかし、直角に曲がる場合や、方向転換する場合はどうでしょうか?
車椅子が直角に曲がる場合は、850〜900mmの幅が必要と言われています。
(引用元:2016.10月号 車いす使用に必要なスペース U-CAN 福祉住環境コーディネーター講座【指導部だより】)
また、車椅子が方向転換する場合は、1500mm×1500mmの幅が必要と言われています。
(引用元:2016.10月号 車いす使用に必要なスペース U-CAN 福祉住環境コーディネーター講座【指導部だより】)
意外と広く場所を使うんだなと思いませんか?
さらに言うと、今まで作業療法士として高齢者が車椅子を漕ぐ姿を100人以上見てきましたが、
腕の力が弱かったり、車椅子の操作に慣れていない方であれば、
方向転換に180〜200mmほどの幅が必要だった方も少なくありません。
これらのことから、車椅子ユーザーにとっては、
一般的な木造住宅の廊下幅よりもさらに広い廊下幅があると、
快適に生活を送ることができると言えます。
ポイント2:なるべく曲がらずに済む間取りを選ぶべし!
○曲がる回数が多い間取りの例
○曲がる回数が少ない間取りの例
どうしても広い幅の廊下を選択できない場合は、
なるべく方向転換や直角に曲がる必要がない間取りの住宅を検討しましょう!
例えばこちらの間取りを見てみましょう。
(引用元:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1057454&word=2LDK間取り図①(2D平面文字なし)&data_type=&from_order_history=)
玄関からリビングまでの間に、6箇所も直角に曲がる必要があります。
次にこちらの間取りを見てみましょう。
(https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=246181&word=3LDK%E3%80%80間取り図)
玄関を入って直進するだけで、リビングへ移動することができます。
またリビング(①の部屋)は、十分な広さを確保できているため、スムーズに方向転換をすることができます。
そのため、②の部屋を寝室にすることにより、
リビングからスムーズに寝室へ向かうことも可能です。
さらに、トイレや浴室へ行く際も、
②の部屋からであればほぼ直進して進むことができます。
このように、
直進や方向転換の回数が少ない間取り環境だと、車椅子でもスムーズに移動することができます。
ポイント3:段差が解消されているか
○段差の例
○段差問題の対応方法
日本の住宅は、とにかく段差が多いです!
住宅内の段差といえば、
・畳のヘリ
・台所や浴室など水回りの入り口
などが代表的ではないでしょうか?
このような段差は、高齢者が歩行される場合につまずきによる転倒の原因となります。
また、車椅子で乗り越えるとなると、かなりの力が必要となります。
そのため、賃貸住宅を選ぶ際には、なるべく段差が少ない物件を選ぶことをお勧めします。
しかし、どうしても段差がある物件を選択された場合は、福祉用具をレンタルする方法があります!
ただ賃貸住宅の場合、工事をして手すりを取り付けることができない住宅がたくさんあります。
それでも、工事不要で取り付けることができる手すりがありますので、
是非そちらをご活用しても良いのではないでしょうか。
また、低い段差部分には、室内用のスロープを設置する方法もあります。
室内用のスロープを使用することで、車椅子の方でもスムーズに通ることができます。
ポイント4からは、次回の記事に記載します!
次回もよろしくお願いします!