夫が出て行った日
私は早速家の整理を始めた。
手紙や年賀状の整理をしていた時
あ、年賀状今年は断りたいなと思った。
これを機会にと思い、
高校の部活の友人たちにメールをした
実は発達障害であること。
そのために長年うつ病であることを隠していたこと。
とても不安定だったので皆に迷惑をかけてしまったことを詫びて、離婚する旨と年賀状を遠慮する旨を伝えた。
そのうちの一人が友達が私を心配して
クリスマスイブに誘ってくれた。
優しい子だと思った。
せっかくだからもう一人未婚の友達も誘ってあげたいとお願いした。
その子も行きたいと言ってくれた。
でも友達は、
もちろんいいけど、
お店の手配とか全部責任をもってやってね?
前ドタキャンされたとき大変だったから。
それでもいいなら喜んで。
と返事が来た。
いいたいこと、わかる。
私、悪い。
だけど、きつかった。
理由があった。
怠けたわけでも不誠実なわけでもない。
それは説明しても
許されるものではないんだとわかった。
その時なんとか頑張っていた心が一気に崩れ落ちた。
幸い、今週の通院時処方箋をもらったが
薬局に行く暇がなくて
薬はほとんど手元になかった。
神様はしっていたんだね。
私がこの後崩れることを。
だから私に薬局に行かせなかったんだ。
ほんの少ししか残っていなかった睡眠薬と
シャンパンを少し飲んでとりあえず寝た。
ずっと飲まずにいたクリュッグのビンテージ
一本五万円。
この時のために何年も冷蔵庫に入れてたんだな。
神様ってすごい。
すごくいいシャンパンだから、
変に頭が痛くなったりしない。
次の日なんとか仕事に行こうとした。
仕事だけはと思った。
でも行けなくなっていた。
睡眠薬が残っていてなかなかベッドから出られなかった。
30分ロスして、犬の散歩に行けない。
化粧もして着替えて後はコートを着るだけ。
後は上司に30分遅刻したいとメールすればいいだけ。
自由出勤の会社、
家で仕事したって良い会社、
遅刻なんて全然オッケーノープロブレムの会社。
だけど、電話ができない。
昔はよくやってた。
ドタキャンも遅刻も急な欠勤も。
でも私は発達障害の診断を受けてから
大事だと自分が思う仕事に
予定通りに行けないのは初めてだった。
頭の中パニック。
とりあえず落ち着こう。
代わりに誰かにやってもらおう。
父に電話。
会社と派遣会社の連絡先を教えてと言われた。
携帯を見ればわかる。
だけどなぜかもうiPhoneの中の連絡先をどうしても見れなかった。
名刺を探した。
ホームページを探した。
ない。
派遣会社の電話番号は
ホームページではすぐには見つからないように
わざと構築されていた。
まずQ&Aを見てそれでもダメなら
電話番号が出てくる仕組みのようだ。
私には無理だった。
電話番号がない。
書類棚を探した。
ない。
諦めた。
父から電話。
大丈夫か?連絡できたか?
今から行こうか?
わたし。
大丈夫、落ち着いた。
来なくていいよ、しばらくそっとしておいて。
父明らかに安堵。
会社に行けるとわかって安堵している様子が
わたしにはわかる。
わたし、大丈夫といえば大丈夫。
もうどうでもいい。
全て捨てることにしたから。
親も夫も犬も友達も仕事もお金もプライドも
見た目も体の中の健康も
全部捨てた。
親、いらない
夫、いらない
犬、ごめんね
友達、いらない
仕事、しるか
お金、いらない
プライド、いらない
見た目、しかたない
健康、壊したい
携帯を初期化した。
メアドを変えた。
LINEも消した。
電話は留守電に設定。
ドアの鍵を二つともかけて、フックもかけた。
たぶん
私のiPhoneに連絡できる人はいない。
ドアのフックを壊さない限りはきっと
誰も家には入れないはず。
おそらくセコムあたりはこのフックを外す道具か何かを持っているだろうけど。
犬の散歩、諦めた。
いろんな予約先
カウンセリングやドッグトレーナーさんに
お詫びの連絡をした。
返事こない。
だってもう私に連絡のしようがないから。
他にもいくつか病院の予約をしていたはずだけど
iPhoneを初期化したからもうわからなくなった。
キャンセル連絡をできなくて心残り。
もう力残ってないごめんなさい。
シャンパン以外のものをもうずっと口にしていない。
遺書のようなものを書きながら
薬とお酒で朦朧としながら
ガトーフェスタハラダのラスクを
全部一気に食べた。
ベッドの中で
時々目が覚めて
食べたいものが目に浮かんだ。
最後にケーキたくさん食べたい。
ショートケーキとか。
冷蔵庫のハーゲンダッツ食べようかな。
だけどキッチンに行くのがめんどくさい。
スマホに映る広告のグラコロ、食べたい。
でも、もう出かけることができない。
身だしなみどころか、歩かないと思う。
スミレさんメッセージありがとう。
よみました。
返事したい。
犬の散歩に行きたい。
犬のことだけお願いしますと
夫に電話。
今私が唯一できていることは
犬のトイレマットの交換と
ご飯をあげること。
自殺するエネルギーもない。
自殺って用意が大変だから
ここまでになると餓死するくらいしかない。
犬だけ守りたかった。
犬を外に放してあげたかった。
でも怖くてきっと放たれても困ってしまうだろう。
誰か犬を助けに来てくれないかなぁ。
私が死んでから。
私の息が止まるまで
誰も来ませんように。
私は早速家の整理を始めた。
手紙や年賀状の整理をしていた時
あ、年賀状今年は断りたいなと思った。
これを機会にと思い、
高校の部活の友人たちにメールをした
実は発達障害であること。
そのために長年うつ病であることを隠していたこと。
とても不安定だったので皆に迷惑をかけてしまったことを詫びて、離婚する旨と年賀状を遠慮する旨を伝えた。
そのうちの一人が友達が私を心配して
クリスマスイブに誘ってくれた。
優しい子だと思った。
せっかくだからもう一人未婚の友達も誘ってあげたいとお願いした。
その子も行きたいと言ってくれた。
でも友達は、
もちろんいいけど、
お店の手配とか全部責任をもってやってね?
前ドタキャンされたとき大変だったから。
それでもいいなら喜んで。
と返事が来た。
いいたいこと、わかる。
私、悪い。
だけど、きつかった。
理由があった。
怠けたわけでも不誠実なわけでもない。
それは説明しても
許されるものではないんだとわかった。
その時なんとか頑張っていた心が一気に崩れ落ちた。
幸い、今週の通院時処方箋をもらったが
薬局に行く暇がなくて
薬はほとんど手元になかった。
神様はしっていたんだね。
私がこの後崩れることを。
だから私に薬局に行かせなかったんだ。
ほんの少ししか残っていなかった睡眠薬と
シャンパンを少し飲んでとりあえず寝た。
ずっと飲まずにいたクリュッグのビンテージ
一本五万円。
この時のために何年も冷蔵庫に入れてたんだな。
神様ってすごい。
すごくいいシャンパンだから、
変に頭が痛くなったりしない。
次の日なんとか仕事に行こうとした。
仕事だけはと思った。
でも行けなくなっていた。
睡眠薬が残っていてなかなかベッドから出られなかった。
30分ロスして、犬の散歩に行けない。
化粧もして着替えて後はコートを着るだけ。
後は上司に30分遅刻したいとメールすればいいだけ。
自由出勤の会社、
家で仕事したって良い会社、
遅刻なんて全然オッケーノープロブレムの会社。
だけど、電話ができない。
昔はよくやってた。
ドタキャンも遅刻も急な欠勤も。
でも私は発達障害の診断を受けてから
大事だと自分が思う仕事に
予定通りに行けないのは初めてだった。
頭の中パニック。
とりあえず落ち着こう。
代わりに誰かにやってもらおう。
父に電話。
会社と派遣会社の連絡先を教えてと言われた。
携帯を見ればわかる。
だけどなぜかもうiPhoneの中の連絡先をどうしても見れなかった。
名刺を探した。
ホームページを探した。
ない。
派遣会社の電話番号は
ホームページではすぐには見つからないように
わざと構築されていた。
まずQ&Aを見てそれでもダメなら
電話番号が出てくる仕組みのようだ。
私には無理だった。
電話番号がない。
書類棚を探した。
ない。
諦めた。
父から電話。
大丈夫か?連絡できたか?
今から行こうか?
わたし。
大丈夫、落ち着いた。
来なくていいよ、しばらくそっとしておいて。
父明らかに安堵。
会社に行けるとわかって安堵している様子が
わたしにはわかる。
わたし、大丈夫といえば大丈夫。
もうどうでもいい。
全て捨てることにしたから。
親も夫も犬も友達も仕事もお金もプライドも
見た目も体の中の健康も
全部捨てた。
親、いらない
夫、いらない
犬、ごめんね
友達、いらない
仕事、しるか
お金、いらない
プライド、いらない
見た目、しかたない
健康、壊したい
携帯を初期化した。
メアドを変えた。
LINEも消した。
電話は留守電に設定。
ドアの鍵を二つともかけて、フックもかけた。
たぶん
私のiPhoneに連絡できる人はいない。
ドアのフックを壊さない限りはきっと
誰も家には入れないはず。
おそらくセコムあたりはこのフックを外す道具か何かを持っているだろうけど。
犬の散歩、諦めた。
いろんな予約先
カウンセリングやドッグトレーナーさんに
お詫びの連絡をした。
返事こない。
だってもう私に連絡のしようがないから。
他にもいくつか病院の予約をしていたはずだけど
iPhoneを初期化したからもうわからなくなった。
キャンセル連絡をできなくて心残り。
もう力残ってないごめんなさい。
シャンパン以外のものをもうずっと口にしていない。
遺書のようなものを書きながら
薬とお酒で朦朧としながら
ガトーフェスタハラダのラスクを
全部一気に食べた。
ベッドの中で
時々目が覚めて
食べたいものが目に浮かんだ。
最後にケーキたくさん食べたい。
ショートケーキとか。
冷蔵庫のハーゲンダッツ食べようかな。
だけどキッチンに行くのがめんどくさい。
スマホに映る広告のグラコロ、食べたい。
でも、もう出かけることができない。
身だしなみどころか、歩かないと思う。
スミレさんメッセージありがとう。
よみました。
返事したい。
犬の散歩に行きたい。
犬のことだけお願いしますと
夫に電話。
今私が唯一できていることは
犬のトイレマットの交換と
ご飯をあげること。
自殺するエネルギーもない。
自殺って用意が大変だから
ここまでになると餓死するくらいしかない。
犬だけ守りたかった。
犬を外に放してあげたかった。
でも怖くてきっと放たれても困ってしまうだろう。
誰か犬を助けに来てくれないかなぁ。
私が死んでから。
私の息が止まるまで
誰も来ませんように。
