いよいよ、骨髄採取のための入院日がきました。
まだまだ先の話と思っていましたが、来てしまえばあっというまですね。

入院当日はさすがに緊張するかと思っていましたが、普段と変わりなかったです。最後まで、どこか自分ごとではないような気がしていたからと思います。緊張しすぎるよりは良いのかもしれません。

緊張感が足りなく、残念ながら予約時刻の10時には、少し間に合わなくなりそうです。
ただ、あわてて急いでケガをしたり、事故にあったりでもしたら、それこそ元も子もないので、無理せず病院へ急ぎました。

結局、5分ほどの遅刻して到着。コーディネーターさんをお待たせしてしまいました。受付番号札を取っていただき、62番。受付ピークは過ぎ、待ち時間ほぼゼロで良かったですと言っていただきました。おっしゃるには、10時は入院受付がとても混んでいたそうで、お待たせしなくてすんで良かったそうです。

(当日は気づけませんでしたが、ドナーに気を使って言ってくださったのでしょう。コーディネーターさんはピークになる前から待っていただいていたということですし。私は遅れましたが、この日ばかりはと早めに到着するドナーさんに対しても、それよりも早く来て待っていらっしゃるのでしょうから。頭が下がります。)

骨髄提供という、非日常のイベントもついに終わってしまうのかと思うと、感慨深いものがあります。
ともかく、ケガをせず、風邪をひかず、インフルエンザももらわずに、移植のスケジュールに影響を与えないこと、をこの3か月間心がけてきました。この日病院に到着できたことで、ドナーというミッションもほぼ完了、と少し安心しました。

もちろん、採取の入院後でも、延期や中止になった事例もあるそうですから、採取までもう1日、少なくともドナー理由でご迷惑をかけないよう、慎重に行動するのみです。

患者さんにとっては、移植してからがさらに大変で、それこそこれからがまた山場なのだとは理解しているつもりですが、骨髄バンクのドナーは、患者さんに会うことはできません。採取まででミッション完了です。その後できることはほとんどありません。入院延長になったりして患者さんの負担金を増やさないよう、順調に回復することに努めるくらいでしょうか。

患者さんの病状も、当然、骨髄バンクのドナーには知らされません。当初に内定を受けた移植予定日(つまり、明日の採取日)から1度も変わっていないということは、患者さんもここまでは予定どおり進んでいるということで、良い知らせとなのだと思うことにしました。コーディネーターさんも、そういうことになるでしょうねと同意してくださいました。

病気でないのに入院する人は、この大きい病院の中でも他にいないかもしれないというのは変な気分ですね。
骨髄バンクのドナーは、今日は私以外にはいませんので、妊婦さんか生体臓器提供のドナーさん(この日はいらっしゃるのかわかりませんが)くらいでしょう。

問診票と、3日間分の体温を記録したメモとを提出して、入院手続きは完了です。今回は、個室を割り当てていただきました(自分でお願いしたわけではなく、既に決まっていたようです)。

最終同意面談を行ったときの会議室の、すぐそばの部屋でした。自分の名前が表示されています。入院する実感もまだ乏しかったのですが、これを見るとさすがに、入院するのだなという気持ちになりました。

(つづく)