現在、週刊ヤングジャンプで『妖怪少女~モンスガ~』を大人気連載中のふなつかずき先生。 赤鮫が行く!!はふなつ先生に赤鮫・近藤哲也が噛みついてきました。前作の『華麗なる食卓』を約12年間49巻の連載を終え、新連載『妖怪少女~モンスガ~』を2014年より開始、最新刊の3巻も1月19日に発売されたばかり。 そんな、ふなつ先生のさまざまな秘密に迫ってみたいと思います。


(※ふなつ先生は大阪出身。関東での生活も長く普段は標準語なのですが、同じく関西出身の赤鮫・近藤との会話で言葉も自然と関西弁に。 読みづらい部分があるかと思いますが御了承お願いいたします。)

ふなつかずき先生と言えば可愛い女の子をエロく描くと有名ですが、今回は先生とエロについて語ろうと思ってきました。 よろしくお願いします。

ふなつかずき先生(以下、ふなつ)――おおっ、きましたね!! よろしくお願いします。


先生の作品に出てくる女の子は凄く柔らかいというか抱き心地が良さそうなんですけど、女の子を描くのになにか意識してことはあるんですか?

ふなつ――僕はもともとぽっちゃりしてる子を描くのが苦手だったんですよ、どちらかというと細い子ばっかりで。 『華麗なる食卓』で七瀬眞尋っていうFカップのおっぱい大きい子をはじめて描いたんですけど、その子を描いてるうちに「おっぱい大きい子って描きやすい」って気付いて、男も筋肉ムキムキの方が描きやすくて、ツルッとした細い人の方が特徴が無くて描きづらいんです。 それと同じでおっぱい大きいってそれだけでバランスが取れるんですよ。 僕は貧乳派だったんで巨乳にはそんなにこだわってなかったんですけど、そのキャラがあまりにも評判が良くて、「う~ん、世の中はおっぱいが大きい方がいいんだ、でも僕は貧乳派なのでちっちゃいのも出していこう」とか思ったり(笑)


柔らかそうな質感はどうやって表現してるんですか?

ふなつ――昔は質感がなかなか出せなくて、自分で描いててマネキン見たいやなって思っちゃうぐらいやったんです。 もっとこう柔らかい感じで描けないものかと試行錯誤してた時に気付いたんでけど、若干重力に負けてる感、たとえばボーンと張ってるよりも、頑張ってるんだけど垂れ下がってる感じの方が柔らかそうに見えてエロいということに。 最近はそのせめぎ合いです。 これちょっと垂れすぎやな、もうちょっと張らせようか、いや張らせすぎたかなみたいな(笑) あとはリアリティーと漫画的な表現の境目をどう使うか。 例えばパンツ1枚描いてもリアルなパンツってあんなにシワよらないじゃないですか。


だいたい張ってますよね。

ふなつ――パンツの素材にもよると思うんですけど、そんなにシワって出ないじゃないですか、そこをあえてシワを描くとか(笑)


う~ん、めちゃくちゃ奥が深いですね…。 漫画の中でのエロの割合はどんな感じで入れてるんですか?

ふなつ――エロは入れすぎるとバランス崩れるので、『華麗なる食卓』より今の方がエロに対しては細心の注意を払ってますね。 『華麗なる食卓』はどんだけエロに脱線してもカレーでまとめないと話としても破綻してしまうので、どこまで行っても戻れるというのがあったんですけど、今はエロの方に行ってしまうと、そっちばっかりになってもおかしくない作品なので行きすぎないようにセーブしていますね。まあ、いつまで加減できるかはわかりませんけどね(笑)

先生は女の子の乳首にはトーンは何番を使ってるんでしょうか?

ふなつ――僕がいま使ってるのは円グラデですね。 外に向けて抜けていくやつ。 『華麗なる食卓』のときは61を2枚貼りしてましたね。 1回貼って削って影を作ってもう一枚貼る。


手間かけてたんですね! でも『妖怪少女~モンスガ~』はあまり乳首は出てないですよね?

ふなつ――まともに乳首出てきたんは糸重 姫瑠依(いとしげ きるえ)とニアぐらいですね。 あっ、あと河童憑きか。


平松伸二先生は遊んでるやつはベタだなって言ってたんですよ(笑)

ふなつ――ベタって!黒過ぎるでしょ(笑)


ベタは冗談だとおもいますけど(笑) 河童憑きは黄桜の河童以上のセクシーさで最高でした。 ところで先生は何フェチなんですか?

ふなつ――ふふふっ、河童憑き良いでしょう?(笑) フェチな部分はいっぱいありますね。 ろっ骨とか鎖骨、肩のライン、わき、わき乳とか。


僕と似てますね(笑)

ふなつ――あとは下腹がちょっとぷっくりしてるとか。 最近のマイブームは肉付きある方がええかなって。 ずーっと貧乳派やったんですけど、大っきいほうもええなと。 まあ、おっぱい自体が素晴らしいんやけど。


ちっちゃくても大きくてもですよね。

ふなつ――はい、考えを改めました(笑) でも、一番好きなのはお尻なんですよ。


ええっ、そうなんですか!? お尻なんですか~。 そういった部分は作画にはあらわれます?

ふなつ――あらわれるとおもいますね。


でも、漫画って顔が見えるように描くからお尻を描くことって少ないんじゃないですか?

ふなつ――そうなんですよ。 このあいだもカラーでお尻塗ってて、「あれっ難しいな、なんでや?」って思ったら、実際カラーでお尻ってあんまり塗ったことないことに気が付いて。


カラーだからこそ顔が中心になるんですね。

ふなつ――そうなんですよ。 バストアップだけだったり、全身でも正面だったりで、あんまり後ろから描くことはないですから。


今回の妖怪少女~モンスガ~はなぜ題材が妖怪だったんですか?

ふなつ――もともと妖怪が好きだったんですよ。 読みきりでもそれっぽいのを描いたりしてたんですけど、やっぱり僕ら世代ってジャンプっ子じゃないですか、特殊能力や化け物的なものが出てくるバトル漫画をいつか描きたくて・・。 『華麗なる食卓』をやってて辛かったのが、全身描写があまり描けなくて、料理漫画なんで手元を見せようとすると、まな板越しのバストアップがどうしても多くなったりするんで、次は絶対全身描写が描けるようなバトル漫画が描きたいという思いがあったんです。


妖怪少女~モンスガ~』は全身描写だけでなく、下からの見上げるような描写や、さっきも言ってたお尻の描写とかありますよね。

ふなつ――いままで描きたかったのをぜんぶ描いていってます(笑) でも、今の漫画って規制で若い女の子にエッチなことをしてはいけないって暗黙の了解があるんですよ。 やっぱり女子高生ぐらいの年代の子を出したいじゃないですか。 週刊ヤングジャンプってエロ描写に関しては悪ふざけみたいな言い訳でだいたい通るんですよ。 僕が笑ったのは週刊ヤングジャンプってM字開脚ダメなんですよ。


あんなメジャーなポーズがダメなんですね(笑)

ふなつ――知らずに1回描いたらダメって言われて、でも「ここの吹き出しをここに置いてくれたら絵的にMじゃなくなるからいいよ」って、「それでいいんですか!」とか。 汁の表現はダメなんですよ、でも汗に見えるぎりぎりのラインなら「汗です」って言いはれるからいいんです、毛っぽい物を描いても「毛じゃないです、影ですよ」って言いはれたら大丈夫だったりするんですよ。 まぁ毛に関してはボクは言い張れなくても描くんですけどね(笑)


そんな理由があればいいんですね。

ふなつ――そうそうそう、ほとんど悪ふざけじゃないですか、だからどうやったらできるかなって考えて、「見た目は女子高生だけど、じつは300歳で妖怪とかだったら言い訳たつんとちゃう」って、そういう感じで構想を練っていったんですよ。 それから週刊ヤングジャンプ編集長に会ったときに「ヒロインにエッチなことしても300歳で妖怪だから言い訳立つじゃないですか」って言ったら「何を言っているんだ君は」って(笑)


ふははは、聞く耳もってくれて無いじゃないですか(笑)

ふなつ――「だめですか?」「考えればわかるよね」って。 もう、意味がわからないですよ(笑)


でも、今回は先生自身もすごく楽しそうに描いてるなってヒシヒシと伝わってくるんですけど。

ふなつ――めっちゃ楽しいっすね!!! ホントしたいこと好き勝手やってるんで、まぁ~楽しい! 必ずしも読者の方が同じではないと思うので、中には『華麗なる食卓』の方が良かったと人もいると思いますけど、それがうまいことはまってくれたら嬉しいなと思ってやってる感じですかね。

ところで、なぜ「ろくろ首」が主役なんですか?

ふなつ――変わってるでしょ? 普通は雪女とかネコ娘とかメジャーな妖怪を主役にと思うんですけど、それやったらベタですし、ろくろ首って有名なのに前にあんあまり出てこないじゃないですか。


首が伸びるぐらいで特にって感じですね。

ふなつ――そうですよね、なんとなくヒロイン誰にしようかなと思った時に、ろくろ首をヒロインってどうってアシスタントのみんなに聞いたら、「ええっ!ろくろ首はないでしょう」って。 それで、僕がこんなイメージでってロッカの絵を描いたんですよね、そしたら「なんかありな気がしますね」って。 それで次にヒロインが裸で自分の首に絡まって緊縛みたいになってるイラストを描いてそれを見せたら、「ありっすね、ありっすね」ってみんな言ってくれて。 なので、なんでろくろ首を選んだかと言うと「セルフ緊縛ができる!」に尽きるんですよ。


セルフ緊縛なってるの本編にもありましたね。

ふなつ――そしてほどけなくなったりと、マヌケさと言うか、そんなカワイイところを描ければいいかなと。 じっさいね首が伸びるってリアルに考えたらめちゃくちゃ気持ち悪いんで(笑) 中身は普通の女の子にして、ただ首が伸びるだけっていう。


先生の妖怪をチョイスする基準とかあるんですか?

ふなつ――妖怪の特徴を読んだときに変態やなこいつって思ったら使いますね。 柿男とかね。


柿男は変態すぎますよね。

ふなつ――あいつは変態として使うしかないでしょ(笑)


妖怪のビジュアルを考えるのも大変なんですね。

ふなつ――ところどころに今っぽさを入れたいのもあって、そのままだと昔ながらの妖怪漫画と変わらなくなってしまうので。


妖怪少女~モンスガ~の作中で実際にあるお店や建物は名前を変えたりせずにそのままの名前で使出てくるんですが、それはあえてそうしてるんですか?

ふなつ――僕が作品を描く上で《嘘は一つだけ》というルールがあって、世界観が非現実の世界であったら嘘はそれだけで、『妖怪少女~モンスガ~』は妖怪が出るという嘘を1つついてあとはできるだけリアルなものにしたかったんです。


だから建物や店名が実名なんですね。それでなぜ秋葉原が舞台になってるんですか?

ふなつ――いろいろ妖怪について調べてたんですけど、新しい妖怪は人の集まる所に生まれ、電波や電磁波があるところに霊が集まるとかあったんですけど、これって秋葉原なんかバッチリじゃないですか。 なので秋葉原を舞台にできないかなと思いながらお店も実在するものを使いたかったので、作中にメイドカフェが出てくるんですけど、そのお店のオーナーさんに「店の名前や制服などは変えるんで、こちらのお店を漫画のモデルとして使わせてくれませんか?」って聞いたら、「いやいやいや名前はそのまま使って下さいよ」「えっ、いいんですか?妖怪漫画なんでもしかしたらメイドが人を殺すかもしれないし、店のなかで戦闘になってぐちゃぐちゃになって客が死んだりするかもしれませんよ?」「全然問題ないです、好きにして下さい、なんでしたら漫画の中でガラスが割れたらそのガラスに割れたステッカー貼りますんで」って(笑)


お店側が漫画に合わしてくれるって言うんですね(笑)

ふなつ――そんなことしていいんだとビックリしたんですよ。 じゃあ別の店も聞いてみようということで主人公が働いてるレアモノショップという、これも実在するお店があって、そこの社長さんにお願いしたら、「断る意味がわからないです」って言われて(笑) 前作の『華麗なる食卓』のときなんですけど全国展開してるようなカフェに同じように使わせてもらえませんかというお願いしたら結構手続きが大変だったんですよ、そういうノリでいたんですけど、秋葉原は「ちょっと待って下さい」すら言われたことなくて。


即答ですか?

ふなつ――ほぼ即答でどんどん使ってくださいって。なんだろこの街はって(笑)


大阪みたいですね。

ふなつ――そうそうそう、みんな出たがりでね。


大阪のおばちゃんみたいですね。

ふなつ――「にいちゃん、店だけちごぉて(違って)、うちも漫画に出してよ。そのかわり」

(ふたりいっしょに)「綺麗に描いてや!」

ふなつ――わはははっは(笑)


最後に先生にとって漫画とはなんですか?

ふなつ――『華麗なる食卓』の中のキャラにも言わせたことがあるんですけど、「僕自身を表現できる唯一の手段」ですね。


先生ご自身ですね

ふなつ――漫画家って漫画以外で自分を表現するのは苦手じゃないですか、ある意味漫画って自分の頭の中さらけ出してる、ある意味一番こっぱずかしい行為だとおもうんですよ。


エロに関しても性癖を出してしまいますもんね。

ふなつ――そうそうそうそう、僕こんな性癖あるんですよってさらけ出してますからね。あっ、全部じゃないですよ、柿男とか僕の性癖の範疇じゃないですから思わんといてくださいね(笑) まあ、それらで人を喜ばせれることができるということが喜ばしいんですけど。


今日はふなつ先生の性癖から作品までいろいろお話聞かせていただきましてありがとうございました。

ふなつ――今日はこちらこそありがとうございました、楽しかったです。

これからも『妖怪少女~モンスガ~』共々よろしくお願いします。

『妖怪少女~モンスガ~』3巻は1月19日に発売したばかりで、今回の帯のコラボ企画第3弾は、秋葉原のメイドカフェ『ぴなふぉあ』で「もる」が働くメイドカフェでモンスガ特製ドリンク&おまじないが頼める半券付きです!

2月1日~2月28日までですので是非是非ご賞味下さい!!

そして、おまじないしてもらいましょう!!

・ふなつかずき Twitter @funatsukazuki
・メイドカフェぴなふぉあ 
http://r-now.net



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