冬の缶蹴り
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恐怖の豆腐

先週の金曜日のこと、妻から仕事場に電話が入り、ガスレンジが壊れた、と言ってきた。



コックをひねるとガスは出るが、全く点火しないとのこと。



「どうしよう!このままだと夕ご飯が作れないよー!」


電話の向こうから聞こえる妻の声、パニクってはいるが、そこはかとない嬉しさも漂っていて、多分「今日の夕ご飯は外食?出前?それともワ・タ・シ?・・・ウフッ」、などと考えているに違いなく、外食と出前はともかく、タワシは避けたい。


って、妻はそこまで毛深くないが、それはともかく。


即座に原因がわかった聡明な私は、「レンジの電池を交換してみろ」と言って、電話を切ったのであった。


夜になって帰宅すると、妻がニコニコ笑いながら迎えてくれた。


「さすがはパパ!やっぱり電池切れだったよ!でも、単一電池なんて買い置きが無かったから、あれから買いに行ったんだよー」


妻はそう言うと、私の股間に視線を落とし、「あ、単四電池」と呟いて行ってしまった。



このアマ、いつか痛い目に遭わせてやる。


そう心に誓いつつ、着替えを終えてダイニングへ行くと、夕ご飯は「ちゃんこ鍋」であった。


早速、好物の豆腐を小皿に取り、箸で分割した1片を口に入れてハフハフしていたら、何かの拍子で喉の奥の方に行ってしまったではないか。


その場で吐き出そうかとも思ったが、「食べ物を粗末にしてはいけない ○○○を粗末と言ってはいけない」がモットーの私は、無理して熱い豆腐を一気に飲み込んだ。


結果、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というのが全くのウソであることが判明し、胸の中央部が「熱い」を通り越して滅茶苦茶痛い。


胸にこみ上げてくる熱い塊、ではなくて、こみ下げていく熱い塊に涙しそうである。



それにしても、どうしてこんなにゆっくり下って行くのか?たかが豆腐の分際で。



○○○は短いのに、何故こんなに長いか?私の食道。



生涯でベスト10に入るピンチである。



こういう場合は冷たい水を流し込むに限るが、あいにく、目の前には熱いお茶の入った湯飲みしかなく、一か八かで飲んだら、案の定痛みが増してしまい、思わず「私のあほー!」と叫びそうになった。


時間にして7,8秒、豆腐がみぞおちを過ぎると痛みは徐々に引いていったが、その後も食べる度に不快な痛みが胸の中央部に生じ、どうにも箸が進まない。


そんな私の様子に気付いた妻が「どうしたの?」と訊いてきたので、いきさつを説明したところ、「バッカじゃないの?」と罵られた。



どうも自分の作った鍋にケチをつけられた、と勘違いしたらしく、翌日、まだ嚥下時の痛みが治まらない私に向かって、妻は「昨日の具材が余ってるから、今日の夕ご飯もお鍋にするわね~」と言ってきた。


しかも、よりによって「キムチ鍋」とのことで、これはひょっとすると「嫌がらせ」なのか?と思ったが、その程度で参る私の食道粘膜ではない。


がっつりキムチ鍋をやっつけたところ、昨夜はカレーが出てきて、もう明らかに「嫌がらせ」としか言いようがない。


さて、今夜はどんな「激辛熱料理」が出てくるのか?と構えていたら、妻の方が「なんだか胃が荒れたみたい・・・」と言い出し、胃に優しい料理を作るとのことである。




はっきり言って私に勝とうなど、百万年早いのである。

プリン

現在、娘は来年の成人式のために髪の毛をかなり長く伸ばしているが、式が終わったらバッサリ切ってショートにする、と宣言している。


しかし、私はどっちかというと髪の長い女の子が好きなので、娘に髪の毛を切って欲しくないのだ。


そこで、「髪の毛を切るな。切るぐらいなら◯毛を処理しろよ」と言ったら、「はみ出るほど濃くないもん!」と返してきた。


◯毛は処理しないが、髪の毛は切るつもりらしい。


娘は人間として明らかに間違っている。


その後二人の間で、「切るな」「切る」、「じゃあ、処理しろ」「必要ないもん」、という押し問答が展開されたが、全く埒が開かないので「賭け」で決めることにした。


「賭け」の内容は、来年の成人式までに私が5キロの減量に成功すれば髪を切らないし、失敗すれば娘の意向通り髪を切る、というものである。


2ヶ月半で5キロはちょっとキツイが、頑張れば何とか落とせるはずであり、私は過酷な「減量という名の航海」に出帆したのだった。



ところが、好事魔多し。


妻が「みんなで食べようよ」と言って、プリンを持ってきた。


少し前になるが、某関西ローカルTV番組で、「関西きってのプリン通」という女性が出演して、「京阪神の絶品プリン ベスト5」というのを放映したことがあった。


妻が持ってきたのは、その際第2位にランクインした、神戸三宮の洋菓子店「シン・○ァクトリー」の「銀のこ○わりプリン」と、「金のとろ○るプリン」である。


『まあ、1個ぐらいなら食べても構わないだろう』


私はそう思い、「銀のこ○わりプリン」にスプーンを入れて驚いた。


凄く固い。


なめらかでとろけるようなプリンが人気の昨今、その流れに逆らうかのようなハード・プリンだ。


しかも、砂糖の代わりに練乳を使用しているとのことで、ハンパじゃない甘さと味の濃厚さである。


半分ほど食べたとき、これは「プッ◯ンプリン」なんか比じゃないぐらい、滅茶苦茶カロリーが高い、ということに気付く。



こんなモン、1個完食したら絶対に太る。



そう思った私は、「金のとろ○るプリン」を食べていた娘に、半分食いさしのプリンを差し出し、「こっちの方がウマイ。食ってみろ」と勧めたが、「いや、いらない」と拒否されてしまった。



父の愛と唾液が入り混じったプリンが食えないとは、娘は一体何様のつもりであろうか?



私は大いに憤慨して、差し出したプリンを引っ込めようとした。


と、そのときである。


横で私と娘のやり取りを見ていたハイエナのような妻が、「パパ、プリンもう食べないの?じゃあ、私が・・・」と手を伸ばしてきたので、思わず反射的に「いや、オレが食う」と叫んで、残りのプリンを完食してしまったではないか。




明日の朝、私は多分「茶髪豚野郎」になっている。

隠し事

私はかつて、「何でも話せる明るい家族」を目指していた。




しかし、 テクノロジーは急速な勢いで発展し、それはやがて我が家にも押し寄せ、ネットを介してPCからあらゆる情報が流れ込んでくるようになり、状況は一変してしまった。


膨大な量の情報の中には、あんなモノやこんなモノも混ざっているわけで、私はそれらを排除しようと力の限り闘った。


それはもう、「死にもの狂いで頑張りました、押忍!」というぐらい健闘した挙げ句に、一歩及ばず。


結果的に妻への隠し事がちょっぴり出来てしまったが、何故か清々しくて、特に下半身的に気持ち良い。


「怪しいぞ。本当に闘ったのか?」と大方の人は疑っているかもしれないが、何分にも昔のことなので、既に記憶があいまいミーである。


その罪滅ぼしと言っては何だが、ブログやSNSで家族愛の素晴らしさを説く日記を書くことにしたら、書けば書くほど隠し事が増えてしまい、誠に遺憾としか言いようがない。


仕方がないので、目標を「何でも話せる明るい家族」から、「何でも話せる明るい娘」に、軌道修正することにした。


なんでそんなことをしたかと言うと、娘は普段わけのわからない話ばかりして、肝心なことになると口を閉ざすからである。



この間なんか、「羊の群れにまぎれていたら、牧羊犬に追いかけ回される夢を見た」と言ってきたが、なんで羊の群れと娘が懇意にしているのか?さっぱりわからない。



また、つい先日は「包◯の双子」の本を読んだとかで、そういう本が存在すること自体不思議だが、私との会話が◯◯◯と◯茎のオンパレードになり、さすがは実の父娘、じゃなくて、ルックスとのギャップがあまりに凄まじい。



まあ、それはそれで「マニア受けしそうなキャラ」、と言えなくもないが、父はそんな話が聞きたいのでは無い。



訊きたいのは、『頻繁にメールを送ってくる男共は一体何なんだ?』ということであり、キリキリ白状せんかい。






娘よ・・・残念ながらオマエは私に似て、嘘を付くのがすっごいヘタ。

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