東京・板橋区の管理人夫妻殺害:懲役14年判決 少年、表情変えず

両親を殺害した少年の罪は重い。
それは間違いない。
でも、懲役14年が適切な判決なのだろうか?

毎日新聞の記事では、

東京都板橋区の両親殺害事件で
懲役14年の実刑判決を言い渡された当時15歳の長男(17)は、
判決の瞬間表情を変えず、
驚きや落胆などの感情はうかがえなかった。

~中略~
板橋事件の少年は、
ゲーム機を壊されたなど父親からの「虐待」も公判で列挙した。
しかし、判決は「供述を前提としても虐待や不適切な養育を受けていたとは認められない」と指摘。
「本件を真摯(しんし)に受け止めていると認めがたい
と少年の反省ぶりに疑問を投げ掛けた。
殺害行為などの計画性や残虐性に加えて、
こうした公判での少年の姿勢に対する判断も、量刑に影響したとみられる。


赤字/下線の部分は少年が冷酷なモンスターである証拠とされている。
しかし、児童虐待や不適切な養育が
少年にどれほどの影響を与えるのかを
少しでも知っていれば、全く逆の解釈も成り立つ。

「判決の瞬間、表情を変えず、驚きや落胆などの感情がうかがえなかった。」
「真摯に受け止めていると認めがたい。」のは、
親を殺してしまった悲嘆のトラウマがPTSDとなり、
麻痺症状がでていたのかも知れない。
あるいは親に相当ひどい心理的虐待を受けたトラウマがPTSDとなり
麻痺症状がでていたのかも知れない。
最も前者の可能性は少ないけど・・・
いずれにしても少年がモンスターである証拠にはならない。

殺害行為などの計画性や残虐性は
父親の少年に対する心理的虐待が如何に酷いものであったかを
示す証拠とも成り得る。

裁判官はゲーム機を壊されただけでは虐待にあたらない、
買い換えればすむことと指摘しているが、
15歳の少年が父親にゲーム機を壊されるのは
相当な心理的ショックを受けるだろうし、
買い換えればすむとは言うけれど、
15歳の少年では、何万円もするゲーム機を
そう簡単に買い換えることはできない。
器物破損や暴力などは無かったかもしれないが、
心理的虐待と無視が15歳の少年の自尊感情を
徹底的に低下させていたと予想される。

少年が虐待の証拠として
ゲーム機などを壊した事例しか挙げなかったのは
虐待のトラウマが大きすぎ、
虐待の記憶が凍りついていたからかも知れない。

また突然暴れたかどうかは書いていないけれど
そのような行動があった場合も
それは少年の凶暴性の証拠ではなく
PTSDの再体験(フラッシュバック)の症状である
可能性もある。

人は生まれながらに殺人者には生まれない。
加害行為を行うにはそれなりの理由がある。
特に少年の場合は親の不適切な養育である
可能性が極めて高い。

両親を殺害した少年の罪は重い。
それは間違いない。
私は少年に罪がないとも言っていない。
少年が二度と加害者にならないようにするには
懲役14年が適切な判決なのだろうか?と言うことだ。
それでは、彼の症状は余計に悪化させるだけ・・・
ますます自尊感情が低下するだろうし、
PTSDは治らない。
出所しても再犯の可能性は極めて高い。
まずはPTSDの治療ではないかと思う。

弁護側にも私よりもっと専門家が居たはずだろうけど
裁判官側に共感する心がないと理解できない。
日本の裁判官の場合、ほとんどが
小さい頃から親の支配下にあった人だろうから
少年に共感することは自分の人生を否定することに
なってしまうから・・・