(品川駅港南口広場)ついに品川周辺でリヤカーブックスを始めてから一年という月日が経ちました。この一年は本当にめちゃくちゃ長く感じました。「え、まだ一年なの!?もう10年くらいやってる感覚なんだけど!!」というのが今の素直な感想です。
一年間もリヤカーを引いてビジネス書を売っていると、さすがに本のことがそれなりにわかってきました! と偉そうなことを言っちゃいましたが、あくまでリヤカーブックスという特殊な視点から見た話ですが…。(リヤカーブックスで扱える書籍の冊数には物理的な問題で限界があるので普通の本屋さんとは異なりますよね。そりゃそうだ。)
ですが、そんな限られた冊数の中でも「よく売れる本」と「あんまり売れない本」があってすごく興味深かったので今回はそのことを二年目のリヤカーブックスのためにまとめておきたいと思います。
先に結論を言ってしまうと、比較的よく売れる本というのは「アイバンのラーメン」とか「マグロ船式会議ドリル」等の「
切り口が面白い本」でした。
今までにない斬新な切り口で綴られているビジネス書は、それだけで読者に刺激を与えてくれるので、そりゃ売れるよなと思っていましたが、よくよく考えてみると理由はそれだけではありませんでした。
話は変わりますが、リヤカーブックスはここ一年で色々なメディアの方が取材に来てくれました。そんなある日、記者の方との雑談で僕は「まさかこんなにたくさん取材依頼がいただけるなんてリヤカーブックスを始める前は予想してなかったです」というと、その方は「そりゃたくさん取材依頼がきますよ、だって説明しやすいもん」と言いました。
「説明しやすい」って何だろう?とその時は意味がわからなかったのですが「売れた本」「あんまり売れなかった本」の違いを考えている時にやっとその言葉の意味が理解できました。売れる本は説明しやすいんです。先述の「切り口が面白い本」は、切り口が面白いので「どんな本なのか」というのが説明しやすいんですよね。
あの時の記者さんの言葉をよくよく考えると「企画会議の時にリヤカーブックスを提案する際、
一言で説明できるので企画会議を通りやすい。だから、よく取材依頼が来る。」という意味だったんです。
長くダラダラとその本の良さを説明してもあまりお客さんには響きませんが、「切り口が面白い本」は面白そうなワードが短い説明の中に何度も登場するので「この本、面白いよ」というのが伝わりやすいんですよね。
小さな小さな本屋さんであるリヤカーブックスでもそういう現象が起こるのだから、売り場面積が大きくてたくさん冊数のある本屋さんで目立つためには、一言でその本の面白さを伝えられる説明のしやすさが、「なんだか面白そうだから読んでみるか=よく売れる本」につながる重要な鍵になってくるのではないかなぁ、とリヤカーを引いている青年は勝手に思いましたとさ。めでたしめでたし。(二年目もよろしくお願い致します)