「おもしろ雑学日本史」-樋口清之
●倹約令が出されるたびに漬け物の種類が増えた


倹約令は江戸の名物といっていいほど出されている。十何年に一回くらいの割合いだ。倹約令が出されると、それまで以上に節約を心掛けなければならないから、庶民はなんとか知恵を働かせて、手近にあるものをおいしく食べようと工夫する。その結果、増えていったのが漬け物の種類である。

 

漬け物は、今でこそ塩分取り過ぎの元凶などといわれるが、食べる物のないときは、重要な栄養源だったのである。糠(ぬか)やこうじをいれて発酵させてあるから、めしに添えるだけで栄養を十分補給できた。

 

倹約令というのは決して善政とはいえないが、結果としてみれば、日本人の食事の知恵を引き出す原動力となってきたことは確かだ。糸引き納豆も、そうした工夫が生きた食品ではないかと、私は思っている。

 

 

 

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