原発開発コストの外部性

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日本独特の電気料金(電気事業)の決め方は総括原価方式。そこから、これまで有望に見えた同盟国の米国とのエネルギー事業(原発建設)と「連結」することの落とし穴について考える。911.311で変容していたWHの「のれん」(多くは負のみえないリスク)を洞察するのが、M&A職人の技であるが、東芝と経産省はそれに目をつぶった。
 なぜWH買収の課程で、東芝のライバル三菱重工業のもWHの買収を考え、エネルギー分野で日米の「連結」事業を欲したのか?

原発における環境・安全対策や住民へのリスク説明責任、つまりライフロングコストを考えて費用対効果計算からテロ対策まで、我が国と米国の間では、数根前からかなり隔たりが出てきた。そのことについて「目隠し」を外す必要性を提示したのが東芝の問題かもしれない。 

英国での原発事業に活路を見出す東芝と日立製作所。苦境の仏アレバ案件に踏み込む重工もさらなるリスク負担も想定できる。

日本の原発事業のコストは膨らんでも、消費者や納税者(電力事業等の補助金)に転嫁できる仕組みだ。総括原価方式とは「どんぶり勘定」のようであり、リスクも分散させ、責任もあいまいになる土壌を生む。

福島事故で分かったが、総括原価方式があれば、大事故の事後コストの一部も国民に転嫁できる。

このシステムにどっぷりつかっている企業が、海外進出するとどうなるか。国策を左右するプロジェクトの国際契約には様々な落とし穴の「オプション」もある。米国が過去30年(一世代)も原発を新設をしなかった理由を業者側の立場で考えれば、WH買収は、避けられたリスクだったのではないか?米国の「核の傘」については、安保問題から考えればよいだけの話ではない。(再掲)