「ガイアの法則」(千賀一生著)という本を読んだ。これはとんでもない本だ。
著者は旅先のイラクで古代シュメールの神官と出会い、そこで神秘的な世界に足を踏み入れ、極めて興味深い、目から鱗の話を聞いてゆくという、フィクションとして展開してゆく。
シュメールを起点に、インダス、メソポタミア、ガンジス、ギリシャ・ローマ、唐、アングロサクソンと、その時代を謳歌した文明にも一定の寿命があり、それは宇宙のある物理法則のようなものに従い、正確に綿々と運営されてきたのだという歴史の解釈を、そのシュメールの神官が著者に滔々と説いてゆく。それは、人類や地球の歴史を、全く新しい切り口で、一つ一つ筋の通った話を、包括的に一つの宇宙原理として、展開してゆく。
これがフィクションだとしても、人智を超えた仮説であると思われる。
「銃・病原菌・鉄」というピューリッツァー賞をとったジャレド・ダイアモンドの本も読んだばかりであった。これはざっくり言うと、なぜ白人種が覇権を握るようになったか、その環境と必須であたった要素を、地道な研究をもとに広範な学問体系を駆使して説いてゆく本だ。非常に斬新な切り口だったものの、中国の文明について非常に漏れているような印象を持ち、白人が書いた、”自己礼讃”のようなイメージを受けてしまった。
対してこの本は、そういったアイデンティティの中心軸がない。つまり無所属・無国籍であり、ニュートラルで、敢えて言うならば地球からの目線。フィクションであろうがなかろうが、このような壮大でつじつまが合う話を到底、人という存在が作れるとは思えない。そういった意味でも、一読に値する本であると感じた。ガイアの法則によると、次の800年の文明中心地は、日本であるようだ。