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\│ 2. 健康コラム 【家庭でも起こる食中毒】 │/
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雨がしとしと降り続き気温も上昇、うっとうしい日本の梅雨。
この時期から活発な活動を開始するのが食中毒菌です。

    食中毒菌は栄養分、湿度、温度などの条件が揃うと繁殖します。
    1年中発生しますが、多いのは湿度が高く暑い梅雨から秋にかけてです。

清潔大国といわれる日本ですが、意外にも食中毒の件数はここ30年間
    減っていません。しかも、飲食店に次いで多いのは家庭での食中毒です。
「わが家では起こるわけがない」という思い込みと冷蔵庫の過信による油断、
    これらが食中毒につながります。

食中毒を起こさないためのノウハウを身に付け、しっかり予防しましょう。


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( _ヲ ○ o <    ★ 食中毒菌の種類 ★  :
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食物が腐れば、色や味、においが変わりますが、食中毒菌は増殖しても、
    色や味、においが変らないのが普通なので、気付かず食べてしまう危険
    性が高いのです。
肉や魚介類といった生鮮食品には、すでに食中毒菌がついている可能性
があると考えて対処する必要があります。
    主な食中毒菌には以下のようなものがあります。

 ●カンピロバクター
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 主な感染源は生または加熱が不十分な鶏肉です。
     肉類は中まで火が十分に通っていることを確認しましょう。

     ●サルモネラ
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     主な感染源は卵や肉です。卵や肉などを扱った器具や手指は、
     その都度洗浄消毒をしましょう。

     ●腸炎ビブリオ
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     主な感染源は夏場の魚介類です。室温では増殖が速いため、
     刺し身などは短時間でもチルド室(4℃以下)で保存しましょう。

     ●黄色ブドウ球菌
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     傷口や皮膚など身近にいる菌で、手から食品について増殖します。
     調理の前は石けんで手を洗い、おにぎりなどはラップに包んで
     にぎりましょう。
 
     ●O-157(腸管出血性大腸菌)
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     たった数百個の菌で発症します。感染力が非常に強く、子どもや
     高齢者では命に関わることもあります。
     生や加熱が不十分な肉やレバーに注意しましょう。

   
かつて、腸炎ビブリオが圧倒的に多かったものの、最近はサルモネラ
    やカンピロバクターによるものが目立っています。
(分類などについてはテキストを参考にして下さい。)

    〃
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( _ヲ ○ o <    ★ 食中毒から身を守るために ★  :
  ~~~~~~~┗……………………………………………………………………┛


「肉や魚をよく加熱したから安全」ではありません。食中毒菌がついた生
の肉や魚を調理したまな板を水でざっと洗い、そのまな板で切った野菜を
生で食べて食中毒を起こす場合もあるのです。
    食中毒菌を「つけない」「増やさない」「殺す」を基本に、徹底的な予防
を心掛けましょう。

   ○ o 。―――――――――――――――――――――――――――
生鮮食品は買ったらすぐに帰宅、冷蔵庫へ
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肉や魚の汁が他の食品につかないように、肉や魚は別々の
      ビニール袋に入れて持ち帰り、すぐに清潔な状態で冷蔵庫
      へ入れます。
      食材のまとめ買いは避け、できれば毎日こまめに買い物を
      しましょう。

   ○ o 。―――――――――――――――――――――――――――
手も食材も調理器具も「まず洗う」
―――――――――――――――――――――――――――。 o ○

      調理や食事の前に石けんで手を洗うのはもちろん、調理中
      も生の肉や魚を触ったら、石けんで手を洗ってから次の作
      業へうつります。
      スポンジやたわしは、細菌の絶好の繁殖環境になりますの
で、よく洗ってしっかり乾燥させましょう。

   ○ o 。―――――――――――――――――――――――――――
   なるべく加熱調理を
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      食中毒菌は十分な加熱で殺菌できます。肉類などは75℃で
      1分間以上の加熱を目安にします。
      卵は、賞味期限ぎりぎりなら生食や半熟は避けて、固ゆで
      卵や玉子焼きなどしっかり加熱しましょう。

    〃
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( _ヲ ○ o <      ★ 冷蔵庫使用の注意 ★     :
  ~~~~~~~┗……………………………………………………………………┛
      

    鮮食料品についた食中毒菌の繁殖を防ぐには、冷蔵室は10℃以下、冷凍室
は-15℃以下にキープ。そのためには次のことに注意しましょう。

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     ●詰めすぎない
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     冷蔵庫内に物を入れすぎると、冷気がスムーズに流れず、設定温度
     にならない場合もあります。スペースの7割程度までにしましょう。

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     ●頻繁に開閉しない
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     ドアの開閉は、冷気を逃がし庫内の温度を上げる原因になります。
     できるだけドアの開閉の回数は少なく、開けている時間も短くしま
     しょう。よく使うものはまとめて取り出しやすい場所に置くなどの
     工夫をするのも良いでしょう。

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     ●庫内は清潔に保つ
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     庫内だけでなくドアやパッキン、取っ手も定期的にふき掃除をしま
     しょう。その際は食品の賞味期限などもチェックしましょう。

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     ●冷凍庫内は食材を隙間なく
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     1つ1つの食材が保冷剤の働きをして効果的です。

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     ●冷凍食品は使う分だけ出して常温解凍は避ける
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     解凍は冷蔵庫か電子レンジを使いましょう。
     室温解凍では食中毒菌が増える恐れがあります。

    
    また、普段から規則正しい生活を心掛けて、食中毒菌に対する抵抗力
    を養っておくことも大切です。体調不良の時は、生ものは避けた方が
    良いでしょう。
    下痢、腹痛、吐き気、発熱など食中毒が疑われるような症状が出た
    場合は、早めに医療機関を受診しましょう。