その日は何も聞かされずに7時半には現場へ行った。
大方柱も梁も出来ていた。明日上棟だという。その下ごしらえのはずだった。
 
棟上とか上棟式ってのは屋根の先端。棟木(むなぎ)を設置する日の事ね。これはめでたい。
最近の安い小さな物件ではその日のうちに棟木まで設置できちゃうので、建前の日=上棟式
 
何故先日諦めた記事をまた書くのかと言うと、それがとてつもなくデカイ代物だったからです。
 
先日も触れましたが、「曲」かね。直角の事ね。が大事です。敷地内の何処か一点を基準にして4方直角に家を建てます。
昔はもっぱら3*4*5で曲を出しますが、今はトランシットとか、安いレーザー墨出し機で十分曲を出せます。
それでも、一応対角線も計りますからね。
例えば10メーターまっ角の家だとすれば、対角線は14,1421256m。建築やは普段メートルと言う単位をあまり使いませんので、1万4千142ミリね。
さて、そこで、両方の対角線をそれぞれ計って何ミリまでの誤差が許されるのか??
会社や監督さんによって違う。10ミリ以内をOKとするか否か。
例えばね、片方が141420mmとする。もう一方が141430mmとする。これを直すには遣り方やって糸を張っている10m先を極僅か。コンマ5ミリとかの修正に成る。これって現実的に必要な事なのだろうか?
 
曲の話しはこれでおしまい。
 
 
普通は南西の角が、いろはの「い」そこに立つ柱が「イの一番」北へ進んで3尺行くと「イ通りの2番」東へ3尺進むとそこは「ろ通り」。同じく北へ向かって2番通り3番通り。
しつこく書き直したのは、その現場のあまりの巨大さからでした。
平屋の住宅なんですが、なんと、「ね」通りまで有った。
 
色は匂えど散りぬるを我が世誰そつねならむ、ういの奥山今日越えて浅き夢みしえひもせず。
所々解らないのでひらがなですが。
いろはにほへとちりぬるをわがよたれそつねならむ・・・・・・・・
 
一つの単位は昔からお知らせしておりますが、日本では肘の長さね。尺骨の長さ。今で言う1尺。303mmです。アメリカでは1フット。足の長さ。305mm。
こっちは肘で、アッチは足で。いかに連中が馬鹿でかいか解るでしょ。でも、実に近い値に成るのが人類らしい。
 
も、置いといて、
 
東へ3尺進む事に「い通り」が「ろ通り」に北へ行けば「イの一番通り」が「イの2番通り」に。
 
3尺って909mm。一つの区切りですよね。例えば1間畳みの長辺の長さは6尺で1間と称します。その半分が3尺です。解りやすく統一したのは何時ごろだったんでしょうか。
 
1尺が3つ集まれば半間。6つ集まれば1間。
10こ集まると「1丈」という単位が有る事を殆どの皆様はご存じないと思います。オラもその上の単位は知りません。最近テラ単位に成ってきて、「京」とか「慨」(活字に自信なし!)なんて単位が身近に成って来ておりますし。
 
 
も、置いといて。
 
ここんちは特別で、北東の角を「イの1番」として、なんと南へ「ね」通りまで有ったのです。
 
いろはにほへとちりぬるをわがよたれそつね。の「ね」です。見たこと無かった。「ね通り」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
猫死我生。