オラがまだ札幌在住の頃。まだガキなのによく親父の手伝いをさせられた。親父の家業は自動車の整備工場。
「踏んで踏んで踏んで。踏んだまま!」これを何回となくやらされる。
 
ブレーキの油圧システムは実は2通り有る。
 
一般の自動車なんかは大気圧式。マスターシリンダーに圧が掛かっていない方式。だからシステム系統から完全にエアを抜くには、ダブってダブってチュッとホイールシリンダーからエアを抜く。これを何度も何度も繰り返さないと系統からエアが抜けない。4輪なら4回も同じ事を。
V子ちゃんもそれ式でしたが、バイクなら何とか手を伸ばせば一人で出来ました。ダブダブダブって握ったまんまでチュ。それを泡が出なく成るまで何回も。
4輪は一人じゃ絶対物理的に無理。
 
何故ブレーキの油圧系統にエアがかんでいるとまずいかと言うと、ブレーキを踏んでも油圧系にエアが噛んでいるとエアだけが押しつぶされて肝心なホイールシリンダーのピストンに力が伝わらない。だから効かない。
 
 
 
カート時代。ヨーロッパ製のシャシだったけど(イタリアのハッセとCRGを2台乗り継ぎました。)、直圧式。マスターシリンダーも含めて完全密封型。マスターからホイールシリンダーまで密封って事です。
で、エア抜きが簡単。ホイールシリンダーのエア抜きバルブ開放しておいてマスターからちゅ~~とブレーキスルード注入してやって、気泡がなくなれば両方締め付けてそれでお終い。実に簡単で短時間で済む。
 
何故普及しないのか?実は完全にレーシングマシンだからなんですねぇ。しょっちゅうメンテをしている事が前提。ブレーキパッドが減るとその分シムを足してローターとの隙間を詰めなきゃなんない。
 
もっとうるさい事に、ブレーキ踏まない時はパッドがローターに触れないように逆向きのばねが着いている。ブレーキが必要ない時には一切パッドとローターが接触しないように。流石に小馬力のレーシングマシーンの真骨頂。
 
知ってます?大気圧式のディスクブレーキは常時軽くパッドとローターが接触していて引きずって熱を出している事を?その熱ってガソリンのエネルギーなんです。ecoじゃないですよね。
 
だけど大気圧式はメンテフリー。パッドが減った分勝手にマスターのリザーバータンクから油が送られるから。半年に一度マスターの油面見て足りなきゃ足しゃぁいい。確かにこっちの方が実用的だ。
実際には車検任せで全くブレーキフルードのレベル見たこと無い人が圧倒的多数だと思うのですが。アハハ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
猫死我生。