TVで見た。寝たきり老人専用アパートってのが有るらしい。リハビリもせずに診療点数ごまかしているみたいで、報道ではあたかもインチキ施設扱いであった。
自家の恥をさらしますが、家の実父の話をします。何人かは同じ問題で悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。でも普通書きませんよね。恥をさらすだけですから。でも今日はあえて書きます。国や地域で問題に当らなければならない事と思うから。
オラが年金の手配一切してやって、棲家を失った父をたまたま新設で空きの有った軽費老人ホームに入れたのがもう25年近く前の事。
暴力と暴言の有る父は入居当時から問題児でしたが、それでも18年近くそこに居た。そこは外出も自由で、今にしてみればパラダイスのような所。本人も職員もよく我慢してくれた。本人の自制もまだ効いていたんだろうな。
遂に職員さんに手を揚げて、そこを頸に。
オラはそこまで認知症が進んでいると思わなかったから、本人のクレームを真に受けて「そりゃぁ酷い施設だ」とばかりに自宅に引き取った。
残念ながら、来てましたねぇ、認知症。
オラも独り身で仕事に出ちゃうでしょ。普通住宅ってのは外から鍵は掛かりませんので、親父も出て行っちゃう。鍵も掛けずにアッパッパァで。出たら最後帰ってきたためしが一度もない。道がわからないのも当然ですが、帰ろうとも思って居なかったようなふしもある。
結果どうなるかというと、酷い時は1週間。速くても3日帰ってこない。しかも、毎回警察に保護されてオラんちに連絡が入って迎に行くのです。本人に聞くとどうやら道端で寝ていたそう。夏で良かった
一番初めは民間の食べ放題の施設からの連絡。
次は湾岸署。港の中の夜は大型しか走らないような道の中央分離帯の辺りを自転車でヨタヨタ走っていたそうだ。親切な運転手さんが110番してくれて保護されたらしい。
最後の頃はもっぱら岩倉とか小牧が好きで、金さえあればバスと電車でそこまで行く能力は有る。でも、絶対帰れない。
小牧署のおまわりさんが親切に岩倉の駅までパトカーで送ってくれた事も。と言っても飲んでるオラは車でそこまで行く訳には行かない。手前の駅で車を置いて電車で岩倉まで。親父受け取ってまた電車と酔っ払い運転の車で自宅まで。アリガタ迷惑な話だ。
終いには小牧でタクシー拾って、「小牧山の何処そこに自宅が有るから行ってくれ」と運転手さんに言うらしい。説明が明らかにおかしいので運転手さんも「おじいさん何か手がかりになるものは無いの」と探してくれて、財布の中のオラの住所や電話に行き当たる。
こっちは夜は飲んじゃっているのでとてもじゃないが迎に行けない。で、「そのまま家まで送ってくれ。何処をどう曲がって・・・」
多いときは2万でっせ。1回のタクシー代。親父の金があるのでオラの懐は痛みませんが。
味を占めたらしくてそんなことが5回も有ったかな。時々警察の保護。時々タクシー。オラの携帯の事憶えたらしくて直接小牧の駅前から電話してきたことも。腹が立ったので3時間以上待たせてやった記憶が。
大概は様子のおかしい迷子のおじいさんをきずかって誰かが警察に通報してくれる。日本はいい国です。
西署、湾岸署、中川署、中村署、岩倉署、小牧署。西尾張地区大まかに制覇したぜ!
のち、入れてくれるグループホームに入りましたが、2月もしないで、公園で中坊とやりあったとかで中川署に連行されて。グループホームの親父びびっちゃって、「こんな人とても預かれない!」で、またもやくビ。
オラも役場や色々な施設を巡りましたよ。少なくとも老健、特養はどこも100年待ちで絶望的。それでもアチコチ申し込みましたよ。未だに無しのつぶてですけどね。暴力の有る男なんて何処も金輪際受け入れてくれるはずもありません。
特に役所の福祉課はクソの役にも立ちませんからね。はっきり宣言しておきます。一般的なことをツラッと説明して、後は施設の明細をくれるだけ。何百も有る施設に個人で一軒一軒当ってくれとしか言いません。実際何処も100年待ちなのですよ。
オラが切り開いた道。
ある時中村署で保護されていた時の事。朝6時頃保護しているから早く引き取りに来てくれとTELあり。
毎度の事でジャマ臭かったので半日ほっといてやった。(昼過ぎていたのに飯も食わせてもらえてなかった)
おまわりさんも困ったんだろうなぁ、終いには緑区役所の福祉課へ電話でねじ込んだらしい。「あんたの所にこれこれこうの困ったおじいさんは居ないかね?福祉課は何をやっているんだ!」lってな内容だったんじゃないかと。
で、慌てたのが福祉課。電話が掛かってきた。
そこまで行ってやっと精神科に入院させてはどうかとか、何処そこにそんな施設が有る。と語りだした。
バカヤロー!初めから言え!オラの苦労と心配は何だったんだ!!
で、八事病院へ連れて行く。親父は権威の前ではとても従順。勿論声を荒げる事も手を上げることもありません。先生の前ではとってもいい子。先生入院には否定的だったが、オラの強い希望で検査ということで強引に入院させた。
さすがに精神科の入院病棟は悲惨なものですね。奇声を発する人、微動だにしない人。我々が日常見ている世界とは少し違います。
さすがのオラの親父も面会に行くと「ここは地獄だ。お前よくこんなところへ連れて来たな!」と大変怒っておりましたが、先生の前では何時でもいい子・・・
先生もいい子に処方する手立てが無く、結局3ヶ月間無駄にしたようなもの。折角だから禁煙治療もしてくれと頼んだのですが、普通にみんな吸わなく成っちゃうからと放任。
なぁ~~にが。未だにプカプカです。しかも今の施設で唯一喫煙を許されていますが、ベランダ限定。でも寒いときとかつい吸っちゃうよねぇ。居室で。すっかりバレてるし。
それも施設としては大問題さ。もし火が出て他の入居者や施設に損害が有れば看過出来ない大問題。今の施設もよく我慢してくれています。八事病院の3ヶ月で吉田先生がオラのいう事聞いて禁煙し治療してくれていたら・・・
3ヵ月後、たまたま八事病院の系列の老健が空いて、そこで3ヶ月。で、その頃たまたま名古屋市内に5件の特養が新設予定。
巡りましたよぅ。何処も実際出向かないと受付も出来ない。全部出向きました。いちいちアポ取って。
3件受かりました。オラとこから車で1分のところも。(ヤラシイので見送りましたが・・・意味は各位お考え下さい。)
結局今の所にご厄介になって5年ほどかな。
普通に施設の空を待っても絶対無理ですよ。3年待って言うけれど、実質100年待ちです。まず入れませんよ。症状の重い人を優先しちゃいますから。番号札の意味無いですよ。
オラの経験から言います。新設を狙え!(実際長く居た軽費も今回の特養も新設が為に入れました。)
それと、行政巻き込んで世間を慌てさせる事。おとなしく待っていたら絶対無理だって。役場でも警察でも巻き込んで半ば事件に仕立てると行政も慌てます。じっと待ってちゃ絶対ダメ。
長く書きましたが、本題はこれから。
折角ご厄介に成っている今の特養からも遂に退去勧告!他の入所者をかなりに引っ叩いたそうです。・・・・・・アァァァァ。初めての施設では18年我慢できた「手」がやはり年を取って5年で我慢できなくなったようだ。
所長さんのご好意で即退去は今のところ免れていますが、職員は全員「あの人はダメ!」だそうです。オラの親父の暴言でビビッて食事が取れなくなっているおばあさんもいるらしく、最早他人様の命に関わるほどの大問題児。
とりあえず強烈な薬でフニャケにしよう作戦です。
これが失敗すれば、今の施設に籍を残しながらももう一度八事病院でもっと強烈な治療をして戻ってくるかです。多分もう本人じゃなくなっちゃうかもしれない。可愛そうだけれどオラとしてはどうしようもない。引き取れば↑のように成るし。が体はしっかりしていて内科疾患も何もなし。オラ一人で押さえつけれるのか自信が無いような男です。
特養って(特別養護老人ホーム)、死ぬまで面倒を見てくれる終の施設とお考えでしょ?全然違うのです。何かの症状が悪化して入院したりすると、3ヶ月で除籍に成っちゃうんですよ。家のクソ親父みたいな反社会的な行動も。
内科疾患でも精神科でも3ヶ月しか入院させてもらえません。てことは?退院したら丁度その時特養も除籍に成っていて、行く所が無いのです。
で、冒頭に戻るわけです。何処にも行き様が無くなった寝たきりの人々のアパート。悪意の存在は解りませんが、そういう施設も必要なのです。
例えばオラの暴力親父。拘束服を着せてでも生かしてくれる施設が必要なのです。拘束服着せるなんて精神科病棟以外無いのです。そこは3ヶ月しか居られないし。
デンマークなんかではどうなっているんでしょうかね。
年をとっても問題を持ちながらも何とか健康・・・・から死への期間(意外と長い人もいる)概念や施設が日本には全く無いのです。そもそも、これから益々高齢化していく日本社会。問題爺さんやばあさんがドンドン出てくる事。認識すべきです。暴れ爺さんの施設とか、罵声ばあさんの施設とか。聞いたこと無いでしょ。これから必要になるのです。
番組内で長妻さんへのインタビューが有りましたが、全く歯切れが悪く、そもそもその概念が無いように見えました。
これから我々が必ず通る道です。一度皆様で考えてみては?これが現実なのです。
猫死我生。