主要シネレンズメーカー20社 フランス編 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

スチールカメラのメーカーと違いシネレンズのメーカーは情報が少ない。

そしてまとめてあるページも少ないのでまとめてみました。


France編


Angenieux(アンジェニュー)


ピエール・アンジェニューにより創業されたレンズメーカである。


逆望遠系の広角レンズ、レトロフォーカスはバックフォーカスの延長が可能で、一眼レフ用の広角レンズのほとんどはレトロフォーカス方式を取り入れることとなった。


ムービーカメラ用のズームレンズも有名でArrilex16STにAngenieuxの12-120ズームというのが定番の組み合わせである。


レンズの型番の頭文字がレンズ構成を示し

R=レトロフォーカス

S=ガウスタイプ

X=テッサー

Z=トリプレット

Y=エルノスター(4枚)

P=エルノスター(5枚)となる。


タイプSの標準系は玉数が少なく高価である。


レトロフォーカスタイプは独特の線が細く繊細で淡い発色をするためボケ玉といわれがちだがシャープネスは高い。これらはコーティング技術や設計によるものであるが、その風合いがフランス映画のようで愛好家が多い。



Kinoptik(キノプティック)


キノプティックといえばなんといってもアポクロマートである。

光の3波長のうち2波長までを完全補正したレンズを”アクロマート”、3波長すべてを補正したものを”アポクロマート”という。

アポクロマートは天体望遠鏡や望遠レンズ、製版レンズなどの特殊用途で使われているが、設計が難しくガラスも特殊なものを必要とするので高価である。

キノプティックのレンズはそのほとんどがアポクロマートである。Arriflex、Cameflex、Eclair、Cマウントのレンズなどがある。その当時も極めて高級なレンズであったため個体数が少なく幻のレンズとも言える。

その写りはフランスらしい柔らかさと、深い階調でフランスレンズの頂点と言えるものである。

ライカユーザーの間でも一目置かれているレンズで、35mmフルサイズをカバーする50mm以上のレンズはライカマウントに改造されて驚く程高値で取引されている。



SOM Berthiot(ソンベルチオ)


1913年に設立されたフランスの光学メーカーでSOMは『Société d'Optique et de Mécanique』の頭文字をとったものである。ベルチオ光学機械社という意味である。

ライカやコンタックスマウントのレンズが有名である。シネレンズではズームレンズが有名でパン・シノールはArriflexのカタログにも載っている。そのほかにCマウント、Dマウントのものがある。

パンシノールのズームはレバーで動かす独特の方式である。またレンズ側にプリズムを組み込むことによりファインダーで写りを確認できる独自の方式を採用している。

フランスレンズらしい写りであるが、前述のアンジェニューやキノプティックと比べるとやや劣る印象がある。その独自のメカニズムとシルバークロームの美しい鏡胴、赤いビロードの化粧箱はとても魅力的でコレクターズアイテムとしての人気は健在である。