東洋経済にまで掲載された「妖怪ウォッチ」の話です(^_^)/

記事の中に「西武鉄道がなぜアニメに強いのか」についての分析がありました。関係部分を転載いたします。


「アニメ=西武」というイメージ

 そもそも、なぜ西武が空前の人気を博している妖怪ウォッチのスタンプラリーを獲得できたのか。事情通は「人気が出る前に話があったが、それに担当者が早い段階でゴーサインを出した」と言う。それでも、西武に早い段階からオファーが舞いこんだのは、「アニメといえば西武」というイメージがあるからだろう。

西武が開催するアニメ関連のイベント数は少なくない。最近では、アニメファンの間で大きな話題となった作品とのコラボレーションも多い。

 沿線の秩父を舞台にし、テレビアニメや映画が大ヒットした『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』では、2013年の劇場版公開に合わせてスマホを利用したスタンプラリーの開始やラッピング電車の運行を実施。興行収入が20億円を突破した『劇場版 魔法少女まどかマギカ』(2013年公開)でも、東急電鉄と合同でスタンプラリーを開催。限定ボイスなどの特典を求めて、多くのファンが参加した。

 8月6日からは、世界的なヒットとなっているアニメ『進撃の巨人』とコラボレーションし、「進撃の西武鉄道 スマホスタンプラリー in 秩父」を開催している。作品中に登場する「紅蓮の弓矢」を特急“レッドアロー”号とかけたキャッチコピーや、「ウォール・チチブ」など遊び心満載でファンを取り込む狙いだ。

 このほかにも、アニメキャラクターのラッピングトレインなども走行しており、『銀河鉄道999』のデザイン電車は2009年から走り続けている。車内・駅構内のマナー啓発のキャラクターには、2000年代にヒットしたアニメ『ケロロ軍曹』の登場人物を2010年から起用。西武鉄道専属のキャラクター「スママ」を登場させて、親近感のわくマナー広告作りを展開している。

西武がアニメに強いワケ

 西武鉄道がアニメに強い背景の1つは、沿線に多くのアニメスタジオやアニメ・漫画のゆかりの地があるという点だ。その規模は中央線沿線と双璧をなしており、日本動画協会の調べによると、全国に約420社あるアニメ製作会社のうち、沿線自治体の練馬区に79、杉並区に70、西東京市に30と集積している(2011年)。

 たとえば、池袋線の大泉学園駅には『ワンピース』や『プリキュア』シリーズでおなじみの東映アニメーションの制作拠点、大泉スタジオがある。新宿線の上井草駅には『ガンダム』やケロロ軍曹、『アイカツ』を制作するサンライズが本社を構える。同線の田無駅には『ドラえもん』、クレヨンしんちゃんのシンエイ動画が、『鉄腕アトム』などでおなじみの手塚プロダクションの本社は高田馬場駅に近い。

そうした縁を生かし、駅の発車メロディーにはアニメソングを採用している。大泉学園駅では原作者・松本零士氏のゆかりの地であることから銀河鉄道999が、上井草駅はガンダム、椎名町駅は『怪物くん』のテーマ曲が流れる。

始まりは「レオ」だった

 ただ、西武とアニメの深い関係は、沿線のアニメスタジオの存在だけによるものではない。西武自身も昔からアニメに対する理解が深かった。その端的な例が「レオ」だろう。

 手塚治虫氏が沿線に住んでいたこともあり、1979年シーズンから『ジャングル大帝』のレオをプロ野球・埼玉西武ライオンズのマスコットキャラクターとして採用。現在も変わらず、使い続けている。1981年には妹「ライナ」が、手塚治虫氏の手によって誕生。球団のマスコットキャラクターとしてだけでなく、会社のシンボル的存在となっている。

 今でも「レオカラー」と呼ばれる白地に青赤緑帯のバスや鉄道車両が、沿線を走っている。また、西武遊園地と西武球場を結ぶ山口線には「レオライナー」という愛称がある。アニメキャラクターを愛称にした路線の元祖ともいえるだろう。

 西武グループはアニメを生かしながら、沿線価値の向上、地域貢献を図っている。2007年にアニメの業界団体である日本動画協会と、「アニメの活用による社会貢献活動」の協力体制を構築。沿線のアニメ会社で制作するキャラクターを使って、沿線自治体の環境に対する取り組みを紹介する環境マガジン「アニッコ」の無償配布などを行っている。

 広義での市場規模は約1.3兆円に達し、海外輸出などで今後の発展が期待されるアニメ産業。その拠点の多くが集積する西武沿線のアドバンテージは大きい。長年にわたって培ってきた西武鉄道とアニメの良好な関係が「アニメの西武」という評判を作り出し、ひいては沿線価値の向上につながっているのは間違いない。

 (撮影:尾形文繁)


(転載ここまで)

最後の「長年にわたって培ってきた西武鉄道とアニメの良好な関係が「アニメの西武」という評判を作り出し、ひいては沿線価値の向上につながっているのは間違いない」という一節は練馬区民のひとりとして西武鉄道に感謝したい気持ちです(^_^)/