妻が自殺した時、私は第一発見者であり 第一容疑者だった。

 

家宅捜索が入念に行われ、結果自宅から私と妻と娘の指紋、DNAしか発見されなかった。

 

当日、駆けつけた救急隊員が私が救急車が車で心臓マッサージを繰り返していたことを証言してくれたため

 

私は容疑者の対象から外され、妻は育児ノイローゼのため自殺、という結論を出された。

 

育児ノイローゼ?

 

そんなはずはない。

 

妻は娘のことを愛し、育児に生きがいを感じていた。

 

他に理由があるはずだ。

 

私は妻の残したスマホを開いて、SNSなどをチェックした。

 

その中で一つだけ、どうしてもパスワードがわからず開けないアプリがあった

 

Facebookだ

 

思い当たる数字、アルファベットの羅列を入力しても開けない。

 

そんな中、ふと妻が生前、私に打ち明けた浮気相手の誕生日を思い出した。

 

アプリが開いた。

 

妻はその男のために300万円もの借金をしていた。

 

そして、女が生まれ、お祝い金をも振り込め、というメッセージが来ていた。

 

私は妻が借金していた事も知らなかったし

 

結婚後も、金を無心されていたことも気づかなかった。

 

そして、Facebookの最後のメッセージを見て、愕然とした。

 

妻は生命保険に入れられていた。

 

「生命保険でお金は振り込まれます。これで終わりにしてください。」

 

これだ。

 

これが妻の死の真相だった。

 

警察にその事を証言しようとも考えたが、その件でその浮気相手が警察に逮捕されても

 

大した罪には問われない。

 

それじゃあ私自身で、その男に相応の罪を償ってもらおうではないか。

 

私は、多くの富や幸せを望んでいたわけではない。

 

ただ、普通の生活をしたかっただけなのだ。

 

そんな些細な未来も希望も奪ったのか

 

誰も奴を捌けないというなら、それなら俺は鬼になる