『鬼火』 マイクル・コナリー | 固ゆで卵で行こう!

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ハリー・ボッシュ、レネイ・バラード、ミッキー・ハラーの3人が揃い踏み。

これだけでコナリーを追いかけ続けている読者は読む前から期待値が高まりますね(笑)。

 

しかし、ボッシュは痛めた膝のために杖をつくだけでなく、更に健康面で心配事が。

著者は更なる過酷な運命をボッシュに課すのでしょうか。

 

そのボッシュは〈リンカーン弁護士〉ミッキー・ハラーが受け持つ判事殺害事件への協力を行いつつ、刑事時代の恩師が抱えていた未解決事件のファイルを未亡人から託された事から、ロス市警のレネイ・バラードに協力を得てその未解決事件に挑みます。

 

一方、バラードはホームレスの焼死事件に関わっていくのですが、いくつもの事件が平行すると共に、ボッシュとバラードの普段の様子が丁寧に描かれていきます。

 

中でもボッシュが娘のマディの事を心配する様子や、マディが将来について語る場面などは、ボッシュがこのサーガから退場した未来を想像してしまったりも。

そこにはバラードの姿も勿論浮かびます。

 

また、刑事弁護士側についたボッシュが、現役の警官たちにどう見られるのかといった辺りも緊張感と共にボッシュの生きざまが表れて描かれているのも高揚させらるものを感じます。

 

ただ、後半に入ってもいくつもの事件が平行に描かれていく事で、どこか散漫しているような印象を受け、若干乗り切れないような気がしたかも。

 

しかしながら、ボッシュとバラードの視点の切り替わりがスムーズな事も加え、バラバラに見えた事柄が収束していくと怒涛の展開を見せます。

 

老いても、

 

「だれもが価値がある、さもなければだれも価値がない」

 

との信念の元に動き続けるボッシュの姿は変わらず熱いです!

 

とはいえボッシュの本当の引退が近づいているのは間違いないでしょうし、そう思うと寂しさを禁じ得ません。

 

それでも、バラードという存在が炎を燃やし続けてくれる事は間違いないと思わせる描写がなにより胸を打ちました。