『熱帯』 森見登美彦 | 固ゆで卵で行こう!

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テーマ:

熱帯

 

作家の森見登美彦は〈沈黙読書会〉なるものに参加すると、そこで『熱帯』という幻の本について語り合う集団と出会う。

その『熱帯』は誰も最後まで読み終えた人間がいないというのだが・・・。

 

 

 

最後まで読み終えた人間はいないという幻の本『熱帯』。

 

作家の森見氏が沈黙読書会にて『熱帯』の謎について語り合う「学団」なる集団に出会う事から始まる、千一夜物語をモチーフにした物語。

 

入れ子構造となって語り手も時間も場所も空間も煙に巻かれながら「熱帯」の世界の奥底へと誘われ、そこから逃れる事はできません。

 

物語は作者の手を離れ、語られ続けられるこそ物語として生き続けるもの。

 

それが象徴するように読者自身がこの『熱帯』を読み終えた時でも本当に読み終えたようには感じず、いつまでも『熱帯』の世界を彷徨い続けている感覚が続ききます。

 

本作は、ファンタジーであり冒険小説であり怪奇小説でありSFである、著者の総決算のような物語ですが、いつまでも物語を読み続けたいと願う本好きのための物語なのかも知れません。

 

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