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ボーン・コレクター
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捜査中に事故により首より下は左手の薬指一本しか動かせない四肢麻痺の身体となってしまった元ニューヨーク市警中央科学捜査部長のリンカーン・ライムの元にかつての同僚が訪れ、捜査への協力を要請する。
渋るライムだが、証拠が示すものが何であるか気付き、捜査に協力する事に。
記念すべき〈リンカーン・ライム〉シリーズ一作目です。
刊行当時以来の再読で、初めて読んだ時の衝撃は忘れる事はないものの、内容の方はかなりの部分が忘却の彼方だったので初読みのように最初から最後まで楽しめました(笑)。
四肢麻痺という事で究極の安楽椅子探偵であるリンカーン・ライム。
しかし、彼は自身の未来に希望を見出せず、自殺しようとしています。
そのライムの元にかつての同僚から捜査の依頼が舞い込んできます。
自殺しようとしていたライムは断るものの、残された事件の資料をみて、次の被害者が出るまで時間が無い事に気付き、捜査に協力する事に。
科学捜査の第一人者として“最高の犯罪学者”とまで呼ばれていたライムは、僅かな手掛かりから犯人に結び付くもの、次の被害者がいる場所を特定していきます。
この過程が当時としてはなんとも画期的とも言えるもので、科学捜査を描くもののはしりでしたね。
僅かな証拠と豊富な知識から導かられる真実。
その様子が、実に面白く知的好奇心をくすぐられること間違いなし。
そして動けないライムに代わって現場の鑑識を行うのがアメリア・サックス巡査。
たまたま最初に第一の被害者の現場に到着し、現場保存を試みた事からライムに捜査するよう命じられます。
本来ならその日、警邏課に異動になるところだったのが、不本意ながらやった事のない現場鑑識をする羽目に。
しぶしぶながら従うアメリアは、傍若無人とも言えるライムの言動に反発しながらも、次第にライムという人間に惹かれるのを感じていきます。
そしてまたライムも、美しくも内なるものに激しいものを抱えているアメリアに惹かれていきます。
けれども互いにその想いを形にする事無くおずおずと二人が距離を縮めていく様子は初々しくも微笑ましくもあります。
事件そのものは、第二の被害者の元には次なる犠牲者を示す証拠が残され、そして次もまたと数時間置きにライムたちを嘲笑うかのように、そして読者も翻弄するように描かれていきます。
果たしてライムたちは犯人にたどり着く事ができるのか。
そして真犯人はいったい・・・。
自殺志願であるライムが、愛してやまない科学捜査に身体を動かせなくなって以来初めて熱中して打ち込む様子や、最初はライムに対して嫌悪感さえ抱いていたアメリアも自殺を思いとどめるべく説得を試みる様子など、事件そのもの以外にも読み応えがあり、ミステリとして、サスペンスとしての楽しさが詰まった作品で、決して読者の期待を裏切らない結末が待っています。

