『宵山万華鏡』 森見登美彦 | 固ゆで卵で行こう!

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宵山万華鏡 宵山万華鏡
森見登美彦

集英社 2009-07-03
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京都、祇園祭前夜・宵山で起こる不思議な出来事を描いた連作短編集なんですが、面白かったのは面白かったんですが、ちょっとが物足りない部分もあったかも。



一話目の「宵山姉妹」を読んだ時は著者の『きつねのはなし』のような背筋が寒くなるような怖くて不思議な作品集かなと思ったのですが、二話目の「宵山金魚」を読むと、著者のいつもの不思議で幸福感のある物語に変化。

三話目の「宵山劇場」ではそれが更に加速していきます。


けれども四話目以降は再びどこか恐ろしげな物語へと変化していきます。

宵山の中で万華鏡のように、くるくると変化する世界で著者は一体何を映しだしたかったのでしょうか。


前半と終盤の物語が与える不思議な怖さ、それとは逆に中盤で与えられるふわっとした印象とのギャップは面白かったのですが、出来るなら読み終わった時に与えられる印象が違う物語を交互に挟むなどして、キラキラ光る万華鏡のようなめくるめく世界をもう少し見せて欲しかったかも。



そう、どこか物足りない部分が読了後残ったのは、もっと色んな光を本書で魅せて欲しかったという想いがあったせいかも知れないですね。