2017/10/23 旅の疲れ

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2017/10/23 旅の疲れ

 

 10月に三朝温泉に行ってきた。有馬温泉のお湯より好きかも。
 あいにくの雨で目的の投げ入れ堂には行けなかった。

 そもそも、私は過酷な山道を人生で一番若く、足もまだ動く今、登って、下からお堂を見上げたかったのだが、つれあいは山のふもとから小さく見えるお堂を眺めるものだと思っており、「いつでも行けるやん。」と、えらい気軽に思っていたようだ。

 昼ご飯はあらかじめ、つれあいがネットランキングで調べた上位の「鯛喜(たいき)」をめざした。「牛に引かれて善光寺参り」のごとく鳥取砂丘を見ることができた。白いワンピースに麦わら帽子、手には花かごにあふれんばかりの花。そういう妄想はできるが、どうも砂浜で駆けるのはまっぴらごめんだ。映画のようなワンシーンより、砂をはらったり、砂がまとわりついて、いつまでも靴の中がじゃりじゃりするのが容易に想像できてしまうのだ。学生時代、よく須磨海岸に行ったので。
 「鯛喜」は予約でいっぱいで入れなかった。が、ここでつれあいを攻めてはいけない。せっかくの旅が台無しになる。20世紀梨を4個500円で売る、その隣の店で2袋購入し、おいしい魚が食べられる処はないかと聞き、またカーナビで来た道を20分ほど帰る。昼食の後は、すなば珈琲にも寄り、おいしいコーヒーをいただく。雨は冷たい。

 翌日は、ここまで来たら出雲大社やろ、というつれあいに従い、何の予備知識もなく、タブレットのカーナビに任せる。私は石見銀山にある「群言堂」というお店に行きたかったのだ。阪急梅田にもある、その店は新婚の頃、地図を見ながら、した道をえんえんと走り、行きついたブラハウスという店がバージョンアップした店なのだ。その店で買ったお気に入りのコーヒーカップは10年以上大切に使っていたが、阪神淡路大震災で5客のうち4客が粉々に割れてしまった。残りの1客は取っ手が取れたのを金継ぎしてもらい大切に使っていたが1年後に使えなくなってしまった。
 古民家再生で胸ときめく建物だった。石見銀山に移っても素敵なので前から行ってみたかったのだ。出雲神社から2.5時間。さびしいところだろうとタカをくくっていたが、なんの、なんの観光客であふれていた。狭く、さびれたその集落は昭和のおもむき濃く、幼いおかっぱ頭の私がそこに居り、遊んでいるような、そんな気になった。

 
 「車での旅はもう、いやや。」とつれあいに言った。「行っても1.5時間くらいまでや」1.5時間は、一気に行ける距離なのだ。お互いに年を重ね、隣でおちおち眠っていられないのだ。互いに好きな音楽を事前に用意するようなわけでもなく、ラジオ任せの旅は山間部では聞き取れないし、はずむ会話はほぼ皆無。運転を任せてつれあいが眠ってしまったらどうしよう、という気遣いは今回が初めて。当の本人は長距離を走り、「リッターなんぼや」と感動していたが、私はあの時、ぐっと寝たかった。

 今後は旅の話を共有するにも、その道中は車窓から見える景色に堪能したら、目をつむり、体と頭を休められるような旅をしたい。すくなくとも、現役で働いている間は。