― How much? ―
前回、当時の人なら当時のものを買うならどれだけかかるという方法なら何とか推理できそうという話をしました。
康平元(1058)年十月十日のこと。
東大寺の修理にあたった記録があります(『東大寺 修理所 修理記』)。
これには、建設労働者の序列や日当が書かれています。
そのなかで、 わたしが注目したのは「連(つれ:正規社員ぐらい)」と「雑仕(ぞうし:雑用係・非常勤社員か)です。
この記録によると、
連・・・日当8升≒ 銭80文(1石≒銭1000文として)
雑仕・・日当2升≒ 銭20文
なお、参考にした繁田信一先生の『下級貴族たちの王朝時代』から、
庶民層の男性では特別な技術を要さない単純な肉体労働者で、
日当:1升≒ 銭10文
だったそうです。
つまり、当時の物価が米または銭でいくらかわかったら、この身分の人が何日働けば手に入れるか想像できます。
(続きます)
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思い出の写真から: おっ、ニャつ技団!