「死は地上生活の労苦に対して与えられる報酬であり、自由であり、解放です。いわば第二の誕生です。死こそ真の生へのカギを握る現象であり、肉の牢の扉を開け、閉じ込められた霊を解き放ち、地上で味わえなかった喜びを味わうことを可能にしてくれます。愛によって結ばれた仲が死によって引き裂かれることは決してありません。神の摂理が顕幽の隔てなく働くと言われるのはそのことです。愛とは神の摂理の顕現であり、それ故にありとあらゆる人間の煩悩ーー愚かさ、無知、依怙地、偏見等々を乗り超えて働きます。二人の人間の愛の真の姿は魂と魂の結びつきです。神はその無限の叡智をもって、男性と女性とが互いに足らざるものを補い合う宿命を定めました。両者が完全に融合し合うことにこそ真の愛の働きがあり、互いに補足し合って一体となります。愛は無限なる霊の表現ですから、低い次元のものから高い次元のものまで、無限の形をとります。すなわち磁気的で身体的な結びつきから精神的な結びつき、さらには根源的な霊的な結びつきへと進みます。その魂と魂との結びつきが地上で実現することは極めてまれなことであり、むしろ例外的なことに属します。が、もし実現すれば両者はその宿命を自覚し、一体となります。これが魂と魂との真の結婚の形態です。これは本来一体である親和性をもった魂が二つに分かれて地上へ顕現しているという、いわゆる”同類魂(アフィニティー)”の思想で、古来からあります。それが再び一体となるには何百万年、何千万年もの歳月を要します。それが僅か五十〜七十年の短い期間に地上という小さな天体上で巡り合うということは極めて異例のことです。幸いにしてその幸運に浴した時は、それは神がそう図られたとしか考えられません。そしてそのアフィニティーの二人は死後も融合同化の過程を、人智を超えた歳月に渡って続けます。人間的個性を少しずつ脱ぎ捨て、霊的個性を益々発揮していき、その分だけ融合の度合を深めていくことになります。愛は血縁に勝ります。愛は死を乗り超えます。愛は永遠不易のエネルギーです。それが宇宙を支配しているのです。神の意図によって結び合った者は生涯離れることなく、死後も離れることはありません。墓には愛を切断する力はありません。愛は全てのものに勝ります。なぜなら、それは宇宙の大霊すなわち神の一表現だからです。そして神の統一体※としての一部を構成するものは永遠にして不滅です。(※それを欠けば完全性を失う必須の存在。訳者)」

 

今回の内容で、死に対しての観念が払拭されると思います。いえ、払拭されるどころか、死に対して憧れさえ抱くのではないでしょうか。私は早く死後の世界へ行きたい気持ちになってしまいます。けれど自死が駄目なことはもちろんのことです。自分の使命を果たした後での死には、希望に満ちているのです。息子も幸せを満喫しているに違いありません。私達夫婦の方がこの地上で、よっぽど大変な毎日を暮らしているように思えます。そして愛の究極は魂と魂の結びつきだと言われています。しかもこの世で実現することは極めて稀であるとも言われているのです。巷ではアフィニティーではないかと思う方がおられますが、そんな簡単な結びつきでないことがわかります。有名なキュリー夫妻はアフィニティーだと言われています。物理化学と放射線化学と物性物理学者夫妻なのです。お二人でラジウムの発見されましたが、その特許を取得せずに無償開放され、世界に貢献されたのです。こういうご夫婦こそがアフィニティーなのではないでしょうか。きっと霊界で更にお二人でご活躍されているのだろうと思います。このシルバー・バーチ霊のお言葉で、私たち夫婦は多分、精神的な結びつきなのではないかと思います。まあ、これは向こうの世界へ行けばわかることだと思うので今は深追いせずに見守って行きたいと思っています。