「宇宙に存在を与えたのは神の愛です。宇宙が存在し続けるのも神の愛があればこそです。全宇宙を経綸し全存在を支配しているのも神の愛です。その愛の波長に触れた者が自分の愛する者だけでなく血縁によって結ばれていない赤の他人へも手を差しのべんとする同胞愛に燃えます。愛は自分より不幸な者へ向けて自然に手を差しのべさせるものです。全生命の極致であり、全生命の基本であり、全生命の根源であるところの愛は、より一層の表現を求めて人間の一人ひとりを通して地上に流れ込みます。そして、いつの日か、全宇宙が神の愛によって温かく包まれることになるでしょう。

好感を覚える人を愛するのはやさしいことです。そこには徳性も神聖さもありません。好感のもてない人を愛するーーこれが魂の霊格の高さを示します。あなたに憎しみを抱いている人のもとに赴くこと、あなたの気に食わぬ人のために手を差しのべること、これは容易なことではありません。確かに難しいことです。しかし、あなた方は常に理想を目標としなければいけません。他人にできないことをする、これが奉仕の奉仕たる所以だからです。可哀想にと思える人に優しくする、これは別に難しいことではありません。気心の合った人に同情する、これも難しいことではありません。が、敵を愛する、これは実に難しいことです。最高の徳は愛他的です。愛すべきだから愛する、愛こそ神の摂理を成就することであることを知るが故に愛する、これです。愛らしい顔をした子供を治療してあげる、これはやさしいことです。しかし、奇形の顔をした気の毒な人、ぞっとするような容貌の人を治療するのは並大抵の心掛けではできません。が、それが奉仕です。真の愛は大小優劣の判断を求めません。愛するということ以外に表現の方法がないから愛するまでです。宇宙の大霊は無限なる愛であり、自己のために何も求めません。向上進化の梯子を登って行けば、己れのために何も求めず、何も要求せず、何も欲しがらぬ高級霊の世界に辿り着きます。ただ施すのみの世界です。願わくばあなた方の世界も是非そうあってほしいと思うことしきりです。私たちのことが理解できない人々はいろいろと勝手なことを言ってくれますが、私たち自身はどう評価されたいとも思っておりません。手の届く限りの人々に手を差しのべたいと思うだけです。その意味でも、あなた方には霊の世界の最高レベルの階層と感応するよう努力していただきたい。あなた方は決して孤軍奮闘しているのではないこと、まわりにはあなた方を愛する人々、手引きし援助し鼓舞せんとする霊が大勢取り囲んでいることを認識していただきたい。そしてまた、霊的開発が進めば進むほど、宇宙の大霊である神へ向けて一歩一歩近づきつつあり、より一層、その摂理と調和していきつつあることを理解していただきたいのです。単なる信仰、ただそう信じているというだけでは、厳しい体験の嵐が吹けばあっけなく崩れてしまいます。が知識に根ざした信仰はいかなる環境にあっても揺るぎない基盤を提供してくれます。霊の力の証を授からなくても信じられる人は幸いです。が、証を授かり、それ一つを手掛かりとして他の多くの真理を信じることができる人は、それ以上に幸いです。なぜならばその人は宇宙の摂理が愛と叡智そのものであるところの霊の力によって支配されていることを悟っているからです。」

 

今回の内容も、もちろん素晴らしい内容でしたが、愕然としてしまいました。少し意気消沈しそうになったのです。もちろん、神様の愛に関しては疑う余地はありません。いつかこの世が神様の愛で温かく包まれることを願って止みません。ただ、今回の奉仕に関しての気に合わない人や自分自身を嫌っている人に愛を施すということは、もちろんとても難しいとは思いますが、何とか努力すればできるようにも思えます。けれど、奇形の顔やぞっとするような容貌の人には、私には絶対に無理だと思ってしまったのです。元々ホラー映画などは絶対に見ないというか見れないのです。これだけはどうあっても無理なのです。けれどシルバー・バーチ霊は他人にできないことをする、それが奉仕たる奉仕の所以だからと言われています。そしてこれが魂の霊格の高さを示します、と。ここを読んだ時に愕然としてしまったのです。このようなことまでできるようになるには、当然道は遙かに遠いということを悟ってしまったので少なからず意気消沈してしまったのです。でもだからと言って、すべてを投げ出す気にも、もちろんなれませんし、このようなことが出来たら、どんなにか素晴らしいことかとも思います。なので、この世の生では無理だとしてもいつかどこかで必ず克服できることを信じて、今まで通り、精進して行くほかないと思い直した次第です。