「一個の魂に感動を与える毎にあなた方は神の創造の目的成就の一翼を担ったことになります。これはあなた方にできる仕事の中でも最も重要な仕事です。魂に真の自我を悟らせてあげているのであり、これは他のいかなる人にもできないことです。ただし、この仕事は協調の上に成就されるものです。私ども霊側も強引に命令することはしたくありません。あなた方の理性を押しのけたり自由意志を奪ったりすることは致したくありません。あくまでも導くことを主眼としているのです。あなた方が何か一つ努力するごとに、私どもがその目的に合わせ援助することによって、より大きな成果を挙げるように協力しているのです。協力し合うことによって人生の全てが拠り所とするところの霊的基盤に関わる重大な仕事に携わることができるのです。

残念ながら多くの人間が実体と影、核心と外殻とを取り違えております。実相を知らずにおります。いわば一種の退廃的雰囲気の中で生きておりますーーそれが"生きる”と言えるならばの話ですが。霊の光の啓示を受けた人は幸いです。私としてはあなた方に、頑張って下さいとしか申し上げる言葉を知りません。霊の無限の力が控えております。イザという時にあなた方の力となって支えてくれることでしょう。

自分がいかなる存在であるのか、何のためにこの世にいるのかについての正しい認識を失わぬようにして下さい。あなた方のようにふんだんに霊的知識に恵まれた方たちでも、どうかすると毎日の雑事に心を奪われ、霊的実相を忘れてしまいがちです。が、それだけは絶対に忘れぬようにしなければなりません。地上という物的世界において生活の拠り所とすべきものはそれ以外にはないのです。霊こそ実在です。物質は実在ではないのです。あなた方はその実在を見ることも触れてみることも感じることもできないかもしれません。少なくとも物的感覚で感識している具合には感識できません。しかし、やはり霊こそ全ての根源であることに変わりありません。あなた方は永遠の存在であることを自覚して下さい。生命の旅路においてほんの短い一時期を地上で過ごしている巡礼者にすぎません。」

 

今回の内容は、霊的真理を理解している方へ向けてのお言葉だと思いますが、もちろん、霊的真理を知らなくても、人のために役立つことをされている方はいらっしゃいます。その方たちも、やはり霊界側の協力を得ているということがわかります。少なくとも人のために役立つことができる人は、それなりの霊格だということなのでしょう。だからこそ、神様の目的成就の一翼を担えるのだと思います。けれど、シルバー・バーチ霊の霊訓を読むことによって、私たちはこの世をどう生きれば良いかがわかります。真に生きるためには、霊的実相を知り、自分がいかなる存在であるのか、何のためにこの世にいるのかについての正しい認識を持つことができるのです。ただ、当時交霊会に出席した霊的知識に恵まれた方々でさえ、毎日の雑事に追われ、霊的実相を忘れがちだと言われています。ましてや私たちのような人間にとっては、ともすれば毎日の雑事のみとなり、物質生活だけを拠り所にしてしまっているのではないでしょうか。でも物質は実在ではなく、霊こそ実在だと断言されています。実在でないものを拠り所にしても心の平安は保てません。もちろん、シルバー・バーチ霊が言われるように、私たちは物質のように、霊的なものは感識できません。できるようにして下されば、みな霊的なことを信じられるようになるだろうと思ってしまいますが、それはできないようです。各自が神様の存在を信じ、霊的真理を理解して、更には瞑想の時間を作り、内なる魂と向き合うことで、霊こそ全ての根源であるということ、私達人間は永遠の存在であるということを自覚する以外に方法はないのだと思います。そして何より生命の旅路においてほんの短い一時期を地上で過ごしている巡礼者にすぎないということを肝に銘じるべきなのだと思います。