乱歩酔歩--Random Walk official blog-- -118ページ目

線に“それ”は乗っているか。

どうも遊木です。

1年ぶりぐらいに〆切がない生活を送っているので、お出かけをしたりサークルの雑事を片づけたり、そこそこ有意義な生活を送っております。

 

7月の頭には、そごう美術館で開催された「水木しげる 魂の漫画展」に行ってきました。

非常に面白く、自分にとってかなりの刺激となる展覧会でした。「魂の漫画展」と言うのも納得できる内容です。

 

 

本当にすごいと思いますが、水木先生の原稿からは執念が見えるんですよね。「そこまで描くのか!」とツッコミを入れたくなるほど、線と点を積み重ねて、極限まで物の細部を表現している。妖怪を愛し、描くことを愛した芸術家の神髄を見た気がします。

そして、水木先生の作品を鑑賞して、やはり自分も「線を描きたい人間」なんだなぁと実感。美しい原稿を見る度に、「そう!これなんだよ!」と謎の納得を感じました。

 

私が漫画の作画をするとき、何の作業が一番楽しいかと言うと、実はハッチングで物の質感を描き入れてるときなんです。線とかカケアミとかを駆使して「っぽく見せる」ことに成功した瞬間が、一番の快感です。

たとえば、去年制作した「黒い塔」は商業も何も意識しない自由創作だったので、ここぞとばかりに沢山線を描き入れて、好き勝手に制作しました。(商業にアプローチする場合は、人物を簡略化するなどどうしても“見やすさ”を意識しなくてはいけない)

私は漫画制作の際、基本的には作画よりネームまでの下準備の方が楽しい人間なのですが、この作品は作画が非常に楽しかったことを覚えています。

 

 

 

ふと、自分がなんでこの描き方になったのか思い返してみたのですが、おそらく、高校のときに習っていた絵画教室が影響しているんだと思います。ちなみに私は、普段は地元の教室に通い、長期休暇の時だけ予備校の講習を受けていました。

経験者の方はわかると思いますが、絵の勉強は基本デッサン、デッサン、そしてデッサン、時々着彩です。デッサンといえば大体木炭か鉛筆を使いますが、私も例にもれず鉛筆を使っていました。 そして、デッサンで陰影をつける際、多くの場合は布なのでこすって“ぼかし”をつくり、質感を出していきます。(少なくとも予備校ではそう教えていた)

しかし、私が習っていた先生は布を使うことを認めず、「固いものも、柔らかいものも、すべて線で表現できるようになりなさい」という指導方針だったのです。つまり、陰影、物の質感、それらすべてをハッチングで表現しろ、という方針でした。

先生曰く、「すべてを線で表現できる技術があれば、布を使った方法などすぐにマスターできるが、逆は出来ない」とのことでした。

ということで2年間、私はひたすら線を描き続けたわけです。幸いなことにこの「線での表現」は、漫画制作との相性がとても良かったんですよね。その頃からデッサン以外のお絵かきでも、線を重ねて影を描き入れたり、“質感”を意識するようになった気がします。

デッサンは集中力と忍耐力が必要なので、楽しかったかと聞かれると正直「う~ん」となってしまいますが、初めてハッチングを使って「っぽく見える」ものが描けたときは、なかなかに感動しました。その感覚が、今の私にも根強く残っているのだ思います。

 

水木先生の展覧会をきっかけに、自分の漫画やそのルーツについて考える機会がもらえました。近いうちにまた、〆切に追われる生活が再開すると思います。しかし、次作の制作では以前より、線を描き入れるときに「この線に自分の積み重ねた経験、そして魂は乗っているか」と考えるようになるかもしれません。

私も水木先生のように、見た人が執念を感じるような作品を残せたらと思います。

 

 

aki

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION を見て来ました。

 冷夏が続いておりますが、今日は久しぶりに蒸し暑い日になりました。どうも米原です。

 

 今回はポケットモンスター~ミュウツーの逆襲~EVOLUTIONを見て参りました!最初の映画化から21年だそうです。原作であるゲームも、アニメのスタート時も、21年前の劇場でミュウツーの逆襲も、リアタイしていた身としては大変懐かしい気持ちになる作品です。タイムスリップした気持ちで劇場に行ってまいりました。懐かしさと新しさを楽しみたくて見に行ったので、特に考察とかもしてないしいつも以上に毒にも薬にもならない内容の感想になると思います。あと、普段新作はネタバレ無しの方向なんですが、基本21年前の作品と内容は一緒でしたのである程度のネタバレはご了承ください!

 

 冒頭では、早速リメイク作品ならでわの追加シーンでエボリューションみ(?)を出してくる。ミュウツーの堀下げシーンが増えるのは嬉しい。そしてサトシとピカチューとトゲピーを抱いたカスミとタケシの三人組の登場。滅茶苦茶懐かしい。私の中でアニポケと言えばこの3人でした。割と冒頭で泣く人も結構いるらしい、と聞いてたんですが、とても暖かい気持ちになったけど「お、私結構大丈夫じゃん?このまま最後まで行けるんじゃん?」と思ってたんですが、ロケット団3人組&レイモンド(おはスタのMC)の声を聴いてちょっと泣きました。ロケット団は今でもアニメ出てるしカスミとタケシより出演回数多かいのに何故泣いたし。いやでもレイモンドは泣いた。確か最初の映画の時も吹替で出てたわ!当時はおはスタも見てましたし、大変嬉しかったです。あとすごい今更なんですけど、初代映画から山寺宏一さん出演してたんですね…滅茶苦茶ビックリした…相変わらず色んな声出せる…。そう考えるとおはスタMCふたりとも出てたんだなぁと。

 

 リザードン好きだったなぁ~!とか、そういえばタケシはロコン大切にしてたなぁ~!とか、ヒトデマンが予想以上にずっと「ヘァッ!」してたなぁ~!とか、思い出しながら笑えて色々楽しかったです。同じポケモンでも技の強さに違いが出るシーンでは「個体値…厳選…ウッ…頭が…」と苦しくなったりしましたが…。そして〆は小林幸子さんwithしょこたんのEDも泣いた。相変わらず名曲。

 

 作品全体で意識して「昔の作品そのままに」という構成になってたと思います。「でも個人的に、「コピー達の子どもの頃の夢」のシーンがカットされてたのが悲しいッ!あのシーンがないと、ラストで本物とコピーたちが同時に涙を流すシーンの悲しさと感動とミュウツーが戦いを止める説得力が半減じゃない?!新しい3Dモデル作るの面倒だったのかなぁ~!?とか邪推してしまう大人なのであった。

 あとあれです、確か当時もだったのですが、サトシの「やめろ~!」からの石化~涙で復活の流れが唐突に感じ涙が引っ込んでしまう私なのであった。普段ポケモン同士をバトルさせてるのに自分の意思で縄張り争いするのはあかんのか???とつい思ってしまう。「コピーが泣いてるッ」ていう意味では泣いたんですけどね!石化~復活は伝えたいテーマのメタファーというか、舞台装置・舞台演出であることは分かってはいるんですけど!そこは素直に泣いておけよ自分!と思いました。まる。

 

 ですが、帰宅後に脚本家の首藤剛志さんがミュウツーの逆襲について書いたコラムを見つけました。そこにシナリオや演出について書いてあったので、シナリオや創作に携わっている方は是非!⇒「シナリオえーだば創作術」http://www.style.fm/as/05_column/05_shudo_bn.shtml 

 首藤剛志さんのコラムは226回更新されてました。取り急ぎ読んだ記事はミュウツーの逆襲についての記事のみでしたが、これは時間ある時に200越えのコラムも、このサイトにある他のシナリオライターさんのコラムも読みたい所。21年目にして色々な疑問も解消されてスッキリ!いやぁ~、これ、創作している身としては映画本編を見ただけで一通り察せる読解力が欲しいものです。そしてやはりニャースが好きだなと思いました。愛。

 

 色々見終わって、ポケモン映画の中ではやはり一番好きな作品だと思いました。自己存在について、人間のエゴについて、矛盾と苦悩と成長とを描いた名作でした。満足。それでは今回はこの辺で。

 

noz

エッセイ漫画がついに二桁になりました。

お久しぶりです遊木です。

6月は忙しすぎてブログに出現できませんでしたが、その分今月は頑張ります。

思い返してみればここ一年ぐらいはずっと〆切に追われていたので、今がもっともフリーな気がします。また次の修羅場が来る前に雑事を片付けたい所存。

 

今回はエッセイ漫画について。

 

私は行事があると積極的にエッセイ漫画をつくるタイプなのですが、去年の12月に行った修善寺観光から全然描く暇がなく、今回、半年の時を超えてようやく制作することができました。

5月に行った小田原観光と合わせて久しぶりの更新です。

 

エッセイ漫画で描くネタは、当然漫画にして映えるものをチョイスしているわけですが、たまにめちゃめちゃ順調に、なんの問題もなく行事が終わってしまう場合があります。(そっちの方が珍しいというのも変な話だが…)

5月の小田原観光がまさにそれで、天気も良し、電車にまつわるミスもなし、予定通りに一日を終えてしまったが故に、エッセイ漫画にする際「うわー…どこをネタにしよう」となりました。

こういうとき助けになるのが、ぐいぐい自分のやりたいことや行きたい場所に突き進んでくれるタイプの人です。積極的な行動は、それだけでネタを生む可能性が高まるので、描く身としてありがたい。(結果、NINJA館の話になったわけだがあれはあれで普通にネタだと後になって気付くのであった)

これからもみんなどんどんネタを生み出してほしいです。

 

というわけで今回描いた修善寺と小田原の漫画です。

私のツイッターアカウントでも見られますが、まとめはPixivに更新してあります。

 

■修善寺観光(2018年12月3日)

まとめ⇒Pixiv 

ちなみに須々木氏が、この日の細かい流れをブログに更新しています。

 

■小田原観光(2019年5月28日)

まとめ⇒Pixiv

 

 

そういえば今回の更新でエッセイ漫画の種類が二桁になりました。

サークルやメンバーの雰囲気が伝わりやすい媒体なので、RWに興味のある方はぜひ読んでほしいなぁと思います。

 

pixiv漫画シリーズ

※各キャプションに、そのとき参加した面子の紹介が載っています。

 

 

ではでは。

 

aki

「さらざんまい」見た勢いで幾原作品を見直したりしてました。

 引き続き引き籠り中の米原です。今月は、先月末ブログで公開したネーム漫画のペン入れ作業………をしている予定だったのですが、ちょっと諸事情でそちらの作品はお休み中。メンバー内からも「そろそろちまちま創作するより1個デカイの作らないといかんのでは?」と言われた事が切っ掛けで、現在は「自分の作品を作ること」について振り返ってみたり、自分の原点について考えたりしながら、ちょっと腰を据えてシナリオやプロットを考え中であります。

 「なにも作品を発表できていない!」ということに焦って創作するのは本末転倒になってしまう!ということで、ちょっとブレーキを踏み、でもしっかり自分の中で掘り下げて練り上げた作品ができるように試行錯誤中です。
 

※RW旧サイトには現在も公開されている「作品系譜考察 ~そして、今に至る~」で自分が影を受けた作品が乗ってるので見返したり。 http://randomwalk.yangotonaki.com/project-15.html

 

 で、自分の原点について思いを馳せることが多かったのですが、ちょうど幾原監督の「さらざんまい」が最終回を迎えるということで一気に見て来ました。私、「少女革命ウテナ」を小学生の時にリアタイしてたので影響をダイレクトに受けております。はい。難解だと言われてる幾原作品ですが(細かい要素は幾原考察班に任せるとして)今作の「さらざんまい」ではかなり分かりやすいく簡潔にまとめられていたなぁ~と思いました。あくまで(当社比)というか、私の感覚で、ですが。

 今までの「少女革命ウテナ」、「輪わるピングドラム」、「ユリ熊嵐」で描いて来たテーマや要素というか、オマージュを構成に織り込んで、そこからさらにもう一歩踏み出したお話とテーマになっていたように思います。今までの幾原作品は、リリカルな雰囲気と登場人物の描き方の泥臭さや生臭さのギャップというのが印象深いと思っていたのですが、「さらざんまい」は生臭い雰囲気の中に爽やかさがあるというようなギャップを感じました。ので、幾原作品の雰囲気を存分に味わいつつ、今までにない新しさなんかも感じられました。幾原作品好きとしては満足です!

 個人的には余計な会話や間とかも好きなので、できればピングドラムくらいの尺があったら良いなぁ~!と思います。このアニメ大量消費の昨今では難しいとは思いつつ、せめてどのアニメも24話くらいで作品に浸れる時間が欲しい所ですねぇ。シナリオによっては中弛みとかになるので12話がちょうどいい物もあるかとは思いますが。幾原作品について書こうとすると長文不可避になるので今回はササッと切り上げます。

 

 さらざんまいの流れから、過去作品を見返していたのんですが、私はなんかこう、「舞台」っぽい演出が好きで、漫画作りでもつい根っこの部分が「舞台演出」に寄ってると感じます。メタフィクション的な構成が好きだったりね。子ども時代に夢中でプレイしてたゲームで「FF9」があるんですが、あれも物語全体の構成や台詞回しが「舞台」を意識した作りなんですよね…。高校生の時はウテナに影響を受けた「プリンセスチュチュ」にハマってましたし…。アニメやゲームをしているつもりが気付けば感性が「舞台演出」に染まりきってます。

 自分の作品でそれが特に顕著なのが「台詞回し」だと思います。全体的に「舞台がかった台詞回し」になってしまって、鼻につく人が絶対いるだろうな!違和感を感じる人が絶対にいるだろうな!と前から思ってはいたのですが…。いや、でもこれ、抜け出せない所が、まさに原点で根本の部分なので自分でどうにかできるモノでもないと思ってるのですが。しかし「漫画」という媒体との相性はあまりよろしくないような気がしているこの頃です。できてる人がいるとすればセンスやら試行錯誤やらがすごいんだろうなと。どうやって自分の創作において、すり合わせて折り合いをつけ工夫をして行くかが課題かなと思っております。とりあえず試行錯誤していかねば、と思いました。(感想文)

 

 それではまた来月お会いしましょう。夏本番だぁ。外に出る理由探さないとホント外に出ないしブログに書く話題もなくてツライ。来月はなるべく「資料の写真を撮る」という名目で公園などに散歩に出かけようかと思います。

 

 ついでに自分用メモとしてこれからの下半期で公開する予定の気になる映画とか書いておきますが気になさらず。それでは失礼します~。


「Midsommar」「ミュウツーの逆襲REVOLUTION」「天気の子」「ライオンキング」「トールキン旅の始まり」「ニの国」「フット・ザ・ビギニング」「永遠の門 ゴッホの見た未来」(そういえば「ゴッホ~最期の手紙~」もまだ見てなかった)「ドクター・スリープ」(映画「シャイニング」続編らしく気になる。)

noz

最近のこととりとめもなく

どうもこんばんは霧島です。

今日は朝コーヒーを飲み忘れたので頭痛がひどいです。

仕事が全然進まなかったぜ!!!

気が付けばもう今日で6月終わりらしいですね…

 

…え?2019年半分終わった?え???

 

はい、そんなわけでサクサク時間ばかりが過ぎていますが、

最近はまた新しい漫画に向けて取り組んでいます。

次の作品にはなんかしら少年を出したいな~と思って

それに向けてプロットをいくつか書いてみたりしています。

少年を出しつつちょっと毛色も変えていけたらなと思ってはいるんですが、

どうなるかな~。

 

次の作品のキャラクターデザインとかはもうなんとなく決まってきているのですが、

最近見た作品の影響でおかっぱとか(プロメア)まつ毛のふさふさ感とか(海獣の子供)に

パッションが向きつつあるので適度に解消しつつ…。

 

あと最近はつけペンでの落書き復活してます。来月まとめてpixivにあげよう。

もともとシャーペンの線が好きでそれに直接水彩塗りたくる落書きばかりして

いるのですが、強弱をつけないという悪癖になってしまったのでその矯正も兼ねて…

…いやどんだけ矯正できてるのか知らんけど…

Gペン丸ペン併用してたんですが、今使ってる紙とは丸ペンの方が相性良さそうなので

最近はもっぱら丸ペンばかりです。

 

ちなみに水彩は固形水彩を使ってるのですが、数年前から青が消失(使い切ったともいう)

してるのにまだ買い足してないんですよね…だから本当は青で塗りたいところを紺でごまかしている…

だって全く同じ色に会わないんだもの… 

なんならパレットごと買い替えたいんですが最近私がよく行く画材やさんは同じもの売ってないんだよなー!

今度違う画材屋さんでも探してみようと思います。

案外東急ハンズとかでもあるかもしれないな。

 

水彩と言えば(?)最近カラーインクをまた使ってみようと思ってドクターマーチン引っ張りだしたんですが

相変わらず発色が良い…!しかしいつも使ってるスケブではなくちゃんと画用紙買ってきて水張りして塗るべきだなと思いました。(超失敗した)にじみがまったく活かせないのでその辺含め練習とかもしたいなあと思いつつ…

取り合えずまたしばらくは漫画頑張ろうと思います。合間に絵も描きたい。

はい。では散々アナログの話しておきながらデジタルのポーズ練習で描いたやつ置いてごはん食べてきます。

したらば!

rin