金子くんが、良い
そして、とにかく「Queenの曲」が、最高に効果的に使われている、このドラマ。
1話ずつ、使われたQUEENの曲を絡めて、これまでの感想を書いてみます。
主に、4話中心です。
(1話はブログにしたので、2~4、主に思い入れの強い4話です)
※
【2話】
純は亮平に遊園地に誘われ、どうやら三浦さんと純をくっ付ける為の、グループデートだったと分かる。
しかも、親友の亮平はその三浦さんが好きらしい。
観覧車内で三浦さんから告られ、付き合う事にした純。
「全てが欲しい」
普通の事、普通の人が持っているもの全て。
『I Want It All』1989年
全てが欲しい 全てが欲しい
この手にしたい
今すぐ、欲しいんだ!
多くを欲しがっている訳じゃない
ここから抜け出して、将来を見つけなきゃいけないんだ
全てが欲しい
誠実に、自分はゲイだから女の子と付き合う事は出来ない、って言えなかった純。
「欲しい欲しい欲しい」
心が叫んでいた。
見ていて、純の痛みを感じたよ。
【3話】
女の子に欲情しない、純。
AVを見たり、「肉まん」でイメージシミュレーションしたりしてみます。
しかし…
本当はどういう人間なのか、身体が思い出した。
永久に、異常なままだ
なんとか、三浦さんと男女の関係になろうとした。
その為に、大好きなマコトさんとも別れる決意をした。
卑怯なコウモリの童話。
獣でも鳥でもない、どちらにも良い顔をする。
マコトは、自分がそうだと言いました。
女性を受け入れたから、ノーマルになれる。
「普通の、とは何だ?」
安藤純は、自己嫌悪の塊。
Queenを教えてくれたお店の、「ケイトさん」と言うイギリス人のレズビアンの女性に、
「貴方はショーを始めてしまった。嫌になっても全部放り投げて、Selfishに舞台を降りるまでは許されない。それだけは忘れないで」と言われる。
『The Show Must Go On』1991年
(既にこの曲の時、フレディはかなりAIDSが進行していた)
ショーを続けなくては
俺の心の中が 引き裂かれていく
どれだけ化粧が落ちようが
それでも 笑顔だけは保てている
外では夜明けが始まり、内での闇の中
俺は自由を得ようともがいている
ショーを続けなくては
この回、純はインターネット内の友人で、AIDSを患っている恋人を看病している「ファーレンハイト」の彼氏が、亡くなった事を知るのです。
【4話】
この回は、かなりのハードさと辛い描写があり、観ている私もとてもしんどかった。
前話で、唯一の純の理解者、相談出来る友人である「ファーレンハイト」の恋人がAIDSで亡くなった事を知った純。
「ねぇ純、僕たちみたいな人間は、どうして生まれてくるのかな?彼と付き合って居る時は、幸せだった。Queen Ⅱ のアルバムも、彼がプレゼントしてくれて、彼が一番好きだった。魂が震える感じがした。だけど、彼がAIDSを発症して全てが変わった」
ファーレンハイトの恋人がAIDSを発症した時には、彼は既に末期。
そして、彼が亡くなった時のファーレンハイトの取り乱し様で、自身の両親に気付かれた。
ファーレンハイトの両親は、彼の恋人の被害者だとファーレンハイトを認識した。
元から男が好きなんだ、と自ら告白したにも関わらず…
「そしてこの間の僕の誕生日、彼は死んだ」
ファーレンハイトは、通夜に出席する事さえ、許されなかったのでした。
無理やり、葬儀場に行ったファーレンハイトは、彼の親族に見つかり、見送る事さえ出来なかった。
「僕達の居場所は無いのか」
ファーレンハイトは、純に最後のお願いをします。
「もし僕が死んだら…僕の墓に彼から貰った【Queen Ⅱ】を供えてくれ」
純は、ファーレンハイトが必要だから、そんな事を言うな、と訴えます。
しかし、ファーレンハイトもまた、純にしか頼めない事だったのです。
学校のテストが終わり、同じBL仲間でカップルでもある2人と、温泉旅行を計画していた純と紗枝ちゃん。
そこで、たまたま家族旅行に来ていた恋人のマコトさんと、会ってしまいます。
何で此処に?
と聞かれた純はとっさに「当て付け」とか、言ってしまいますが…
様子の違う純を、紗枝はおかしいと思っていました。
紗枝はこの間、セックス出来なかった事を気にしてない、と言ってくれたのに。
純にファーレンハイトから『遺書』が届きました。
「僕は自ら、命を断つ事にした。僕は彼の後を追う」
と、メールがあったのです。
純は、携帯を水に落とし泣きながら、ホテルをさ迷いました。
「僕達のような人間は、どうして生まれてくると思う?」
そんな純を、見つけてしまうマコト。
「どうしたの?純くん?」
泣きじゃくる純を、人気の無い場所に連れていきます。
「何かあったの?」
「助けて…助けてマコトさん」
純は、ファーレンハイトの自殺の事を、話しました。そしてまた、生まれてきた意味を彼に問いかけます。
彼を強く抱きしめ、「僕には、純くんが必要だよ」
そう言って、キスするマコト。
純は、自分の存在価値をその時でしか、確認出来なかったの。
「そっか、僕にはこれが普通なんだ」
しかし、彼に携帯を投げつける人物が…
「三浦さん…」
「どういう事?この人誰?何でキスしてんの?私たちキスしたよね?セックスも、しようとしたよね?出来なかったけど…本当は、この人が好きなの?答えて❗」
「いいじゃん、別に。好きなんでしょ、ホモ…」
純はもう、黙ってはいられなかった、自分を偽る事も、紗枝を騙し続けるのも。
ふざけるな❗
紗枝はそう言って、純を平手打ちして去って行きました。
『The March Of The Black Queen』1974年「QUEEN Ⅱ」アルバム収録曲
誰1人、見たことがない
死んだ後、生還したような奇跡
僕が見たことを告白します、許されるなら
黒い女王の行軍が来る
言葉と魂が嘘に満ちた男
その偽りは、すぐ悟られても
既に男は亡くなった後
わずかな愛も、持ち去るでしょう
君臨する夜の女王
私は、忠実な下僕
夜の女王、万歳❗
これぞ、純が言った、
「Queenの曲には、ストーリーがある。物語なんだ」
と言った、究極の曲かもしれない。
本当に、物語を読むようなMVで、フレディが完成までに数年を費やした、という名曲です。
安藤純の外壁が剥がれ、裸の彼がさらされた瞬間。
何て切ないんだ
そして、純は何て美しいのだろう。
さすが、NHKだね…
※動画、全てYouTubeよりお借りしましたm(__)m
最近、分かったのだけど、全国放送より1週おくれてるのね、関西って。
だから私、オンデマンドで見逃し配信でずっと観ていました。オンタイムの為に。
毎週録画を、設定しているのに…
何でやねん( ・◇・)?