うちの父はまるで子供だ。


欲しいものがあると駄々をこねる子供のように、何度も「欲しい」旨の意思表示をする。


半年前にテレビが壊れた。


10年近く前に買った液晶の42型。


父は親戚のどこよりそのデカい液晶を買って、さぞ嬉しかったろう。


HDDレコーダーを含めれば50万は下らない買い物をした。

(その元金は、父のがん保険だというなんとも皮肉。)

しかし半年前にテレビが故障し、音声は出るが映像が出なくなってしまった。


そうすると、新しいTVが欲しい欲しいと毎晩のように食卓で嘆いた。


急遽、自分の寝室の32型を茶の間に据えた。


しかし小さくて我慢ならなかったのだろう。


毎晩食卓で買い替えを母に嘆くのである。





そもそも、テレビばっかり観てるのも問題だと思う。


俺はテレビがあまり好きでない、嘘の垂れ流し。


真実など報道しないし、ワイドショーはセンセーションに犯罪や事件を掻き立てる。


そんなしょーもない電化製品に用はない。


DVDや好きな番組を観る時くらいで、その他の時間は消している。






しかしうちの家族は病的にテレビ依存で、ついていないと落ち着かないのである。


しょーもない24時間似非チャリティ番組、偽善番組なぞやっているTV局は異常である。


24時間電波を止めた方がマシだと思うが。


それほどTVという家電に侵された我が家は苦痛の巣窟である。





そして先ほど、遂に買い換えた42型の液晶が届いた。


まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように、さっそく箱を開けて喜んだ父の姿を目撃した。


なんか悲しくなった。


還暦を過ぎても、子供なんだと。


それ以外にも子供じみた発言、いい大人とは思えない発言をする父に嫌悪感を感じている自分。


生涯理解し合えない人物で、ストレスの根源だと分かっている。


アダルトチルドレンの原因も父だ。


そういう諸々を含め、生理的に受け付けられない。






そして機械に弱い父は、セッティングを俺に頼むのである。


そんなもの自分でしてくれ。