以前、若い人から「愛と恋って何が違うんですか?」と聞かれたことがあります。
そのときは、こんなふうに答えたような気がします。
「『恋』というのは自分本位、『愛』というのは相手本位何だよ。愛の方が上等なんだ。相手が好きなことには変わりないんだけど、
例えば、『私は誕生日プレゼントをあげたのにあの人はくれなかった』とか『あの人は私に優しい言葉をかけてくれたことがない』とか思うのは、まだ相手に恋をしている段階。
自分はこれだけ相手のことを思っているのに、相手はお返しをしてくれない。相手に何かを求めているうちはまだ『恋』の段階。『恋』というのは『愛』に比べてまだ未熟で自分中心で考えてしまうんだね。
それに対して『人を愛する』っていうのは、『無償の愛』って言葉があるように、相手になにも求めない。相手が幸せならそれでいいっていう気持ちになれることだと思うんだ。親の愛なんてそれだよね。どんなに憎まれ口を叩かれても、子どもが美味しそうにご飯を食べているのを見てると幸せになってしまうなんていう気持ち。
それを好きな人に当てはめてみると、かなり極端な例えだけど、
例えば君が好きな人にお弁当を作って学校で渡したとする。相手は『ありがとう』と受け取った。お昼になって君は相手がお弁当を食べてくれるか気になって物陰から様子を見ている。ところが相手は他に好きな子がいるらしく、君があげたお弁当をゴミ箱に捨てて、その子にもらったお弁当を美味しそうに食べている。そのとき君は、嫉妬はしたものの『あの人が幸せならそれでいい』と思う。そう思えたらその人を『愛している』ということだ」
私に質問してきた若い子は
「はぁ、そういうものですか。勉強になりました」
と答えたものの、半信半疑の顔で帰っていきました。
あなたはどう思いますか?