ゴシックハート | bookwo^Harm

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僕の積読・乱読リスト
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ゴシックハート
高原英理

“ゴシック”とは何か? 死と暗黒、怪奇と恐怖、耽美と残酷、異形、廃墟と終末などに象徴される精神の形を起源から辿り、その現代的意味と価値を明らかにする、初の本格評論。

★★★
「ゴシック」と見たり聞いたりして、すぐにでも思い浮かぶのは、文字書体でいうゴシック体くらいだけど(^^;)、著者がここで「ゴシック・ハート」と呼んでいるのは、本の目次にも挙げられている「人形」「幻想」「異形」「残酷」「人外」「様式美」「両性具有」…と云った項目をみても明らかなように、本来の「ゴシック」という言葉で連想されるものに近い。

以下は受け売りだが、「ゴシック Gothic」とは、そもそも「ゴート人の」と云う意味で、ルネサンス期の人々が、中世の文化一般を蔑称した言い方であり、粗野で野蛮、怪異なものを指していた(対義に「ローマ風=文化」の誇称「ロマネスク」がある)。 ルネサンスを経て、バロック(17世紀、豪壮・華麗)、ロココ(18世紀、優美・繊細)の時代となるが、その過度の装飾に反発し、もう一度中世を見直そうという機運が起こる。先に挙げた「ゴシック・リバイバル」の時代がそれであり、文学の世界では「ゴシック小説」という古典的な恐怖小説が生み出された。 興味がある人は、小池滋著『ゴシック小説をよむ』が参考になると思う。

ゴシック趣味は、その新奇で妖しい魅力が人を引きつけるのか、その後も今日に至るまで繰り返し採りあげられている。

と云うことで、こういった異形の世界・趣味をちょっと覗いてみたいという方にはオススメ。 なお '90以降の一時期、女の子の間で流行った「ゴスロリ」に期待はしないように。:-p