さすがに海江田万里さんはないだろうという願望をぶち破り、あの民主党の葬儀委員長に選任されたそうです。



民主党:新代表に海江田万里氏90票 馬淵氏は54票

http://mainichi.jp/select/news/20121225k0000e010172000c.html



 この民主党代表選ほど「他にいなかったのか」と他人事ながら興味本位で党分裂を期待してしまう自分の悪魔側の心がやるせないわけでありますが、財テク本といい和牛商法の広告塔といい、何よりも東日本大震災という最大の災厄を前にして重量級閣僚たる経産大臣として存分に政治力を発揮するはずが右往左往の挙句自民党に追及されて公衆の面前で号泣し、いつの間にか役職を解かれ、おまけに小選挙区では東京一区住民が満を持して落としたにもかかわらず比例で復活当選を果たし、喋れなくても与謝野馨さんに自民党ってゼッケンを首からさげさせておけば惜敗率はもっと下がって見事無職となったはずの海江田さんが、まさか野党第一党の党首ですよ。


 何を隠そう、海江田万里先生は我らが慶應義塾大学で、私が委員長を務めた文化団体連盟という自治会の会計幹事をしておられ、議員になったので三田祭で公演に呼ぼうと思ったら法外なギャラを要求されて、控え室に通した下級生の女の子を捕まえて「質疑応答の質問がなってない」等のクレームを容赦なくぶつけられ泣かれるという事態になった記憶も生々しい、慶應義塾大学法学部政治学科の卒であらせられます。なお、当時の文化団体連盟はまだ左翼活動をしておりました頃でしたので、私のいた体制派の自治会とは色も随分違うわけではありますが、彼が民主党の代表とはなあと感慨深く思うわけであります。



 良くも悪くも風に乗る人ですので、彼のバックグラウンドに入る人が重要で、セコンドに輿石東さんなど実力派なのに調整能力が微妙な御仁がついている限りあまり画期的な反転攻勢を仕掛けられるとは思えないわけなんですよね。彼の通称でついている「パペット(傀儡)」という評価もあながち捨てたものではないと思うんです。



 一方、未来の党は未来の党で、正直なんだか分かりません。どういうことなんでしょうか。



嘉田氏、小沢氏に不快感「連絡とれずお隠れに」

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121225-OYT1T00853.htm



 正直、小沢一郎さんについて言うならば「お隠れ」って要は死んだってことなんじゃないかって思ってしまうぐらい不適切な表現だと思うわけですが、語彙を知らずに嘉田由紀子女史が言ったのであれば無知であるし、知ってて言ったんであれば腹黒だろうと思うので、もうちょっと言葉を選んだほうがいいんじゃないかって感じます。



 それにしても、小沢さんは相変わらず「都合が悪くなると電話に出なくなる」という生態の動物であるらしく、これはもう部下率いて党を割る気満々なんだろうと感じます。民主も海江田さんに割らせて再度小沢グループを作るのか、あるいは野田派なるものが出来て分裂して自民党に合流して改憲の流れを持ち込むのか分かりませんが、この負け戦後の敗退側のうだつの上がらなさは異常です。こうなると、社民党も一緒に民主党合流だーぐらいのことをやりかねません。



 本当に、大丈夫なんでしょうか。



 一方、勝てば官軍で組閣人事が固まる自民党も、党人事が出たわけですけれども、党三役の政調会長に高市早苗女史、総務会長に野田聖子女史という、両翼にうんこをぶら下げた不思議な体制をとってきました。こっちはこっちで大丈夫なんでしょうか。文字通り、幹事長石破茂を筆頭とする石破無双で党内の結束を図るというかなりの博打になっております。自民党本部は組織が優秀なので、仮に微妙な人が上にいても大丈夫という判断なのかもしれませんが、これはこれで凄いことなんですが、民主海江田代表とか、未来の党が早くも壊し屋による解体工事が始まる風情に比べるとインパクトが欠けます。



 既存政党がこのような状態ですと、なかなかに「政治不信を払拭する」とかむつかしかろうと思ってしまうんですけれども、これが私たち日本人が戦後70年間営々と築き上げてきた民主主義の現実だということを、有権者自身が理解する必要があると思いますね。