Moi(モイ、フィンランド語で”こんにちは”)
フィンランド整体らくしんかん・ナガミです。
2022年5月10日に
フィンランドのサンナ・マリン首相が来日して、
翌11日に岸田総理と会談しました。
フィンランドは第2次世界大戦に
国の存亡をかけて旧ソ連と2度も戦争をしました。
善戦し無条件降伏を避けられたために
国家と自由主義体制は維持できました。
しかしながらも
一部領土をソ連に献上するなど
負けに近い状態で講和しました。
(注)①ペツァモ②ビープリーも、もとはフィンランド領であった。
黄色のラインがソ連に領土を割譲し、今も返還されていない。
その後も隣国の旧ソ連からの
影響がつよく、NATOなど西側諸国とは
どうしても距離を置かざるをえませんでした。
早いハナシ
傲慢な隣国の機嫌を損ねないように
気を遣わざるを得なかったのです。
その答えが
西側諸国と距離を隔てる
”中立化”だったのです。
旧ソ連が崩壊して”ロシア”になると
フィンランドはEUに加盟するなど
徐々にEU域圏内に入るようになりました。
しかし
旧ソ連がロシアになって、国が多少小さくなっても
強大国であることにかわりありません。
まぁまぁということで
中立を維持して、隣国ロシアとは
波風を立てないようにしていました。
それが
今回ロシアによるウクライナ侵攻。
ロシアと陸続きで
1,300キロも国境線を接するフィンランドにとって
他人事ではありません。
(地図でも、ロシアとフィンランドは長い陸続きの国境がある)
第2次世界大戦では
旧ソ連に領土を献上したために、
その土地を追われた人々も多くいます。
全国民すべてではありませんが
フィンランド人はロシアに対して
警戒心みたいなところがあるのは確かです。
ウクライナが侵攻されたら
次は自分たちもか?
過去に2度戦火を交え
多くの犠牲と辛苦をともなって独立を守ってきた
フィンランドの人々にとって他人事ではありません。
国内の世論調査でも
全国民の76パーセントが
NATO加入を支持しています。
今回は若き女性リーダーサンナ・マリン首相が
何かと注目を浴びますが、フィンランドは民主主義国家。
国民の世論によってNATO加入に動いているのです。
決して彼女の独断で動いているのではありません。
わたしも過去フィンランドへ行って
短期間の滞在でも、国防に対する意識は
日本とは違う!感じました。
たとえば
金曜日になると、迷彩服姿の若い男性が
電車のなかや街中を多く見かけます。
フィンランドは今も男子は徴兵制です。
18歳になると半年から1年程度兵役につきます。
除隊後は予備役となります。
ちなみに週末は休暇になるので
金曜日に兵舎から出て、帰省するなどするため
街じゅうに兵士があふれるのです。
もし
ロシアがフィンランドの国境を侵して
戦車などで攻めたらどうなるか?
じつは過去の戦争において
旧ソ連はたいへん痛い目にあっているのです。
フィンランドは高い山がないかわりに
国土の大半が森と湖に覆われています。
しかも凹凸地形が多く平らではありません。
真冬は零下30度以下になる凍てつく状態。
夏になると雪解けで地面はぬかるんで泥だらけ。
戦車が動き回わるには難しい環境なのです。
先の”冬戦争”で旧ソ連軍は、
零下40度の酷寒で、凍死者が多数でて自滅したり
複雑な森林地形のなかでフィンランドのゲリラ戦法で
全滅させられるなど、多大な犠牲がでたのです。
陸上での侵攻が不利とみたロシアは
最初から国境沿いに核を搭載できるミサイルを
配備するぞと脅すのは、そのせいかもしれません。
しかしながら
フィンランドがこのまま中立化を維持したまま
あの傲慢な隣国が攻めてきたら、孤立化して苦境に
陥ってしまいます。
フィンランド国民は
この中立化(つまり孤立化)では
自国の安全は守れないと思って
NATO加入を選んだのでしょう。
フィンランドでは
警戒すべき国はロシアだけのようですが
いっぽう
日本では、ロシアだけではありません。
日本海にミサイルをぶっ放す危い国や
東シナ海に手をのばそうすると傲慢な国。
フィンランド以上に
警戒すべきことが多いのでないでしょうか。
そのなかで「安全保障」に関わる議論が
イマイチと感じているのは私だけでしょうか?
最後に、サンナ・マリン首相の訪日目的のなかのひとつに
次世代の6Gや量子コンピュータなどの高度情報テクノロジーの
プロモーションもあることを付け加えて終わります。
(おわり)
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