#153 身に降りかかった嘘 ~「お化け長屋」~ | 鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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人間社会に嘘は付き物であるから落語にも害のない嘘がよく出てくるが、ここでは吐いた嘘が災難となって自分に降りかかってくるという「お化け長屋(おばけながや)」(上方では「借家怪談」)を鑑賞しよう。

 

長屋の連中が空き家を共同で物置代わりに使っている。便利なので空き家に借り手が付かないようにしようと差配(取り仕切り)を任されている(もく)兵衛(べえ)さんが店子の熊さんと組んで撃退法を案じた。

一人の男が“貸家札”を見て「家を借りたいが家主は何処か?」と訪ねて来る。熊さんが「家主は遠くにいるので差配をしている古狸の杢兵衛に訊け」と答える。入居の条件を訊かれた杢兵衛は「2畳と4.5畳それに6畳の3間あり、一通りの家財道具も付いていて住みよい家ですよ。おまけに家賃も敷金も要りません」と答える。男があまりの好条件に不思議そうにしていると、杢兵衛は「ただ、あの空家では以前に泥棒に入られ後家さんが殺されるという事件がありまして、その後家さんが夜な夜な幽霊になって出るんです」という嘘の怪談話をデッチ上げ、実に上手く語る。これを聞いた怖がり屋の借り手は「もう結構です」と飛ぶように逃げて行き、その拍子に財布を落としていった。

 

上手く追い返した杢兵衛、熊さんに経緯を話し、「拾った金で鮨でも食おう」と言っている所へ屈強な男が「家を借りたい」とやって来る。杢兵衛はまた鴨が来たかと同じ話をするが、今度の男は少しも怖がらず、「そんな好条件なら直ぐに引っ越してくる」と言って帰って行く。当てが外れた杢兵衛、熊さんに「あいつの家賃と敷金、俺達二人で払おう」と情けなさそうに言う。

 

この噺は実はここまでが「上」で、私は聞いたことがないが「下」があるようである。引っ越して来た例の屈強な男にもう一度別の怪談噺をして脅すと、口ほどにもない弱虫だったというプロットのようである。この噺は桂歌丸を始めとして演り手は多いが、「下」が演じられることはないようである。

 

 

(清水寺ライトアップ・京都 2012年)


(八坂の塔ライトアップ・京都 2012年)

 

 

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