鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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 私は、旅行や社用で海外へ行った時、専ら風呂敷を手土産として活用した。安価で嵩張らないというのが理由であったが、「包むもの」という固定観念を持たない外国人はタペストリー、テーブルクロスあるいはスカーフとしてなどの利用方法を発見してくれ、結構喜ばれた記憶がある。落語「風呂敷」でも思わぬ使い方がされている。

 

 
 

 嫉妬深い亭主が「会合で遅くなる」と言って出掛けた。留守中に亭主の男友達が訪ねてくる。おかみさんは折角だからと座敷に上げ、お茶を出して四方山話をしていると雨が降り出したので戸を閉める。そこへ亭主が「会合が早く終わった」と言って帰ってきた。疚しいところは何もなかったのだが嫉妬深い亭主だけに間が悪く、おかみさんは慌てて友達を押入れに隠す。亭主は押入れを背に胡坐(あぐら)をかいて座ったきり動こうとしない。困ったおかみさんは「酒を買ってくる」と言って家を出、もめ事の処理が上手な近所の鳶頭(とびがしら)に助けを求める。

 

鳶頭は一計を案じて風呂敷を一枚持って駆けつけ、「実は今、他所でこんなもめ事を片付けてきたんだ」と、その家で今起きていることとそっくり同じ状況を亭主に話す。ここで亭主の頭に風呂敷を被せて周りが見えなくし、「で、野郎の頭に風呂敷を被せて『早く出ろ、下駄を間違えるな』と言って若い奴を逃がしてやったのさ」と言いながら押入れに入っていた友達を逃がしてやる。風呂敷を脱がされた亭主、「上手くやったね。その間抜け野郎の顔が見てみてぇ」。

 

この噺、元々はおかみさんの浮気を主題にしたもので、「風呂敷の間男」という演目であった。女性の不義密通は大罪という時代には憚られる噺だとして、主題を嫉妬深い亭主に変更した経緯があったとのことである。いずれにしても、思わぬ風呂敷の効用ではある。

 

戦前の日本には「もったいない」という、今の時代にも通用するいい文化があった。高度経済成長期頃から見られるようになった“使い捨て文化”はゴミの大量発生をもたらし、社会問題となっている。ゴミの減量化という観点から、繰り返し使え、何でも包める風呂敷を使いましょうと呼び掛けた著名人もいたが、スーパーで風呂敷を見掛けるには至っていない。ただ、風呂敷に限らず、「古臭いから」とか「戦争に結び付くから」とかの理由で一律に捨て去られた観のある戦前までの日本の文化を今一度見直してみることが必要ではないかと私は思っている。

 

【雑学】風呂敷は1,300年の歴史を持ち、風呂場の足拭き(今で言うマット)として床に敷いたのが始まりで、着替えを包むのにも使われるようになり、やがて風呂を離れて物品の持ち運びに広く使われるようになったとのことである。かつては、風呂敷に進物を包んでお世話になったお宅を訪問して直接届けるという風習があり、盆と暮れの風物詩であった。風呂敷には真心を包むという効用があるように感じられる。

 

 


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