鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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私の人生を振り返ってみて、曲がりなりにも続いている趣味は落語、読書(海外ミステリー中心)そして歌謡曲である。その歌謡曲が最近、テレビで多く採り上げられている。1週間の夜の番組表をチェックすると、昭和の歌謡曲をテーマにした歌番組が毎日、どこかの局で最低1番組は放送されている盛況である。1960年代に絶頂期を迎え、昭和の終焉と共に時代遅れの物として忘れ去られていった歌謡曲が、今頃何で?というのが率直な思いである。歌謡曲を聞いた若い世代がどんな反応を示すのか、興味のあるとこである。

 

因みに最近の歌番組では、歌謡曲に特化はしていないが昔の歌を聞かせてくれる「BS日本 こころの歌(FORESTA BS日テレ)」と「日本名曲アルバム(BS-TBS)」を欠かさず観ている。おしゃべりがなく、一曲をさわりでなく最後まで通してじっくりと唄ってくれるのが魅力である。

 

 閑話休題 歌謡曲の絶頂期と時を同じくして登場し、一世を風靡した落語家に初代林家三平がいた。落語家というよりもテレビやラジオの全国的電波に乗って司会者やCMタレントとして活躍し、時代の寵児となった人であった。高座でもギャグや小咄を連発するだけの漫談家ともいうべき芸人であったが、間を置くことなく客を笑わせることに意を注ぎ、忙しく働く日本国民にひとときの安息を与えた稀有のエンターテイナーであった。

 

私が聴いた初代三平の古典落語は「源平盛衰記」だけで、それはこんな一席であった。

 

「”祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし”、ご存じ、平家物語の巻第一の冒頭の名文章です。これだけの文章がすらすら言えるのですから三平も満更の馬鹿ではありません」が噺の始まりである。

 

“驕る平家は久しからず”、平清盛のあまりの専横に帝から追討の命が下る。木曾義仲がこれを受けて()()伽羅(から)峠の合戦で平家軍を打ち破り、都に凱旋する。しかし、その粗野な言動が帝の逆鱗にあい、源頼朝と義経兄弟によって討たれる。源家の再興を期す源兄弟は勢いに乗って平家の全滅を画して奮戦し、平家は西へ西へと退却して行く。

 

(この間の、義経が“(ひよどり)(ごえ)の逆落とし”という奇襲攻撃で平家軍を退却させた「一の谷の合戦」、那須与一が平家軍のかざす扇を見事に射抜くという「屋島の合戦」など有名な軍記が物語られていくが、「どうもすいません」や「身体だけは大事にして下さい」などのギャグや駄洒落、また話の脱線の連続で笑いを誘う。こうした噺の運びが初代三平落語の特徴で大受けしたものであった)。

 

やがて長門の「壇ノ浦の合戦」で平家軍は全滅の時を迎え、清盛の正室の時子が自決を決意し、義経に介錯を頼む。これを観た平家の武将、能登守が助けに駆け寄るが時子は泰然として木曾節で辞世を詠う。義経もこれに相槌を打ったので能登守はつられて踊り出した。“踊る平家は久しからず”。

 

 とにかく、しっちゃかめっちゃかな高座で、その面白さは文章では書き表すことはできない。この一席も“百読は一聴に如かず”に属するものである。

 

昭和3040年代を中心とする昭和は落語、講談、浪曲、漫才、歌謡曲、映画、演劇などの芸能文化が一斉に花開いた、まさに百花繚乱の時代であった。テレビ番組も然りであった。そして今はその大半の花が(しお)れ、枯れようとしているものもある。こうした現象が何に起因するのか私には分からないが、いい芸能文化に出会えた巡り合わせを幸運に思っている。

 

香川県・高松市にある屋島はかつては源平の古戦場として多くの観光客があって賑わっていたが今は人影も疎らで寂れ切っている。初代三平が熱演した“源平合戦”も日本人の記憶から消え去ったのであろうか。

 

高松港屋島・香川 2004年)

 

屋島山上からの眺望・香川 2009年)

 

 


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